院生談話会(2008年度)
院生談話会(言わば,院生の院生による院生のための談話会)を開催することになりました。
通常の談話会はレベルが高く,また,先生がいると萎縮して自由に質問ができないのではないかと思い,
出席者は院生のみにしました。
これを通して,院生同士の分野を越えた交流を深めていきたいと思います。
|
院生談話会運営委員:
D2 安部哲哉 (abetetsuya1981@gmail.com)
|
日時 |
2月12日 (木) 16:00 ~18:00 |
講演者(所属) |
深谷友宏 (京都大学理学研究科) |
タイトル |
Coarse geometry, Higson compactification and fixed point property |
場所 |
大阪産業大学梅田サテライトレクチャールームB |
アブストラクト |
Coarse geometryとは標語的に言えば,「非コンパクト空間を"荒く"見る事により見えてくる大域的な構造の研究」です.
空間を荒く見る事により,例えばR(実数全体)とZ(整数全体)を同一視することが出来ます.Higsonコンパクト化とはproper metric spaceに対して定義できるコンパクト化で,その境界(Higson corona)は,「無限に広がった
空間の無限の果て」を体現していると考えられます.元々Coarse geometryやHigsonコンパクト化は,John Roeと盟友 N.HigsonによりNovikov予想や非コンパクトRiemann多様体上の指数定理への応用を目指して導入された
ものですが,私自身はCoarse geometry自体に興味を持っています.今回の講演ではCoarse geometryと Higsonコンパクト化を導入したのち,私の最近の結果である,proper metric spaceへのAbel群の「coarseな」群作用が
あった場合に,Higsoncoronaに誘導される群作用についての不動点の存在定理を紹介します.
|
日時 |
2月12日 (木) 14:00 ~15:50 |
講演者(所属) |
門田 直之 (大阪大学大学院理学研究科) |
タイトル |
向き付け可能な曲面の写像類群について |
場所 |
大阪産業大学梅田サテライトレクチャールームB |
アブストラクト |
向き付け可能な曲面の写像類群についての入門を目標として, 基本的な性質を述べます.
また, 点付きの曲面と境界をもつ曲面の写像類群の違いを説明し,それらが写像類群のホモロジーやコホモロジーなどにどのように影響するかを,簡単な証明と直感的な理解の仕方と共に紹介します.
|
日時 |
7月19日 (土) 15:00~17:00 |
講演者(所属) |
升本 功樹 (大阪大学大学院理学研究科) |
タイトル |
3次元双曲多様体について |
場所 |
数学講究室 (3040) |
アブストラクト |
3次元多様体は有限体積完備双曲構造を許容すれば一意的であることが知られています. これより双曲構造から得られる双曲体積は位相不変量となります. さらに等しい双曲体積をもつ多様体は有限個であることが知られて
います。 講演では双曲多様体の体積からはじめて, 双曲体積について成り立つことを説明したいと思います.
|
日時 |
5月31日 (土) 12:00~13:30 |
講演者(所属) |
能城 敏博 (大阪市立大学大学院理学研究科) |
タイトル |
コンパクトリーマン面の双正則同値判定について |
場所 |
数学講究室 (3040) |
アブストラクト |
2つのリーマン面はいつ同じになるのか? 同じとなる判定条件を与えることは基本的な問題である. しかし,一般のリーマン面では難しいので,コンパクトな場合でこの問題を考えたい. この講演では,種数が0のときから始め,種数が
1のときに知られている判定条件を話す.その後,種数が2以上の場合として,NambaやKatoの結果を紹介する.
|
最終更新日: 2009年1月30日