院生談話会(2012年度)

院生談話会(言わば,院生の院生による院生のための談話会)を開催することになりました。
通常の談話会はレベルが高く,また,先生がいると萎縮して自由に質問ができないのではないかと思い, 出席者は院生のみにしました。 これを通して,院生同士の分野を越えた交流を深めていきたいと思います。

院生談話会運営委員:
D3 田中 清喜(t.kiyoki[AT]gmail.com)
D2 福川 由貴子(yukiko.fukukawa[AT]gmail.com)
D1 滝岡 英雄(d12sa40405[AT]ex.media.osaka-cu.ac.jp)
日時 2月4日(月) 15:00-17:00
講演者(所属) 嶺山 良介(大阪大学D2)
タイトル 無限Coxeter群のルート系の漸近的挙動
場所 数学講究室 (301)
アブストラクト Coxeter群とはベクトル空間上の鏡映変換のなす群である. 鏡映変換にはルートと呼ばれるベクトルが対応していてCoxeter群を調べるとき,そのルートの集合を調べるのは非常に基本的である. しかし群が無限群の場合は ルートの数も無限になるためこれを調べる一般的な道具は少ない. この講演ではCoxeter群について基礎的な部分を述べた後ルートの振る舞いを調べるあるアプローチについて言及する.
日時 1月29日(火) 15:00-16:00
講演者(所属) 立道 康介(大阪市立大学 M2)
タイトル 4-noidの連続変形におけるindex及びnullityについて
場所 数学講究室 (301)
アブストラクト $R^3$内の曲面上の変分問題において、flat endのみをもつ極小曲面と同じGauss mapをもつ曲面のみ、nullityが4以上になることが知られています。本講演では、曲面上の変分問題、index、nullityについて解説します。 また、具体例としてflux inverse problemによる極小曲面の構成方法を紹介し、Jorge-Meeksの4-end catenoidの連続変形の族に対するindex及びnullityの評価結果についてご紹介したいと思います。
日時 1月29日(火) 14:00-15:00
講演者(所属) 鍬田 英也(大阪市立大学)
タイトル グレブナー基底
場所 数学講究室 (301)
アブストラクト グレブナー基底とは簡単に言うと、多項式環のイデアルの性質の良い基底である。談話会では、まずグレブナー基底の定義など基本的な概念を紹介する。またグレブナー基底の基本的な応用の1つである、連立方程式を解く 際に用いる消去法の一般化である消去定理についても述べたいと思っています。
日時 1月29日(火) 13:00-14:00
講演者(所属) 梶尾 大地(大阪市立大学)
タイトル 特殊ラグランジュ部分多様体のモジュライ空間の局所幾何について
場所 数学講究室 (301)
アブストラクト Nigel J. Hitchinは特殊ラグランジュ部分多様体のモジュライ空間から構成されるKahler多様体がCalabi-Yau多様体となる必要十分条件を、モジュライ空間をある空間の余接束にラグランジュ部分多様体として埋め込むことで 与えました。今回はその結果についてご紹介いたします。
日時 1月24日(木)16:30~18:00
1月25日(金)10:30~12:00, 14:00~15:30
講演者(所属) 岩木耕平(京都大学数理解析研究所)
タイトル 複素領域の常微分方程式論 入門
場所 1/24--第1セミナー室 (419)
1/25--数学講究室 (301)
アブストラクト
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複素領域上で定義された線型の常微分方程式について解説します. 基本的な概念である確定特異点, 不確定特異点や, それら特異点から生じる解の多価性を表すモノドロミー行列やStokes行列の定義を復習し, 具体的に Gaussの超幾何微分方程式などを例にとってそれらの行列を求めてみます. 一般の例に対してはこれらの行列を求めることは非常に困難なのですが, 「完全WKB解析」と呼ばれる手法を用いるとこれらの行列の明示的な表示が 得られます. 結果のみの紹介となりますが, 完全WKB法によりどのようにモノドロミー行列が計算されるのかを紹介したいと思います.
日時 11月6日(火) 14:30-16:00, 16:30-18:00
11月7日(水) 14:30-16:00
講演者(所属) 小野肇(東京理科大学)
タイトル ハミルトン体積最小性問題入門
場所 数学講究室 (301)
アブストラクト 等周問題の高次元への一つの拡張として、1990年Y.-G. Ohはラグランジュ部分多様体のハミルトン体積最小性に関する問題を提案しました。 今回の講義では、Ohによるハミルトン極小性、ハミルトン安定性の概念およびそれらの例について、初歩的なところから解説する予定です。
日時 6月29日 (火) 13:00~16:00
講演者(所属) 塚本靖之(京都大学D1)
タイトル 凸多面体の組合せ型
場所 数学講究室 (3040)
アブストラクト 3次元凸多面体の辺と頂点が成すグラフは、単純、平面的かつ3連結である。 逆に、この三つの条件を満たす任意のグラフについて、それと同じ辺、頂点の組合せ型を持つような3次元凸多面体が構成できることが知られている(シュタイニッツの定理)。 今回この定理の証明はしないが、凸多面体の組合せ型について基礎的な話をする。時間があればplaited polyhedraについても紹介する。
日時 6月4日 (月) 13:00~14:30
講演者(所属) 滝岡 英雄 (大阪市立大学D1)
タイトル 絡み目のブレイド指数について
場所 数学講究室 (3040)
アブストラクト すべての絡み目は、閉ブレイドで表せることが知られています。 絡み目を閉ブレイドとして表すために最小限必要なブレイドの紐の本数をその絡み目のブレイド指数といいます。今回は、ブレイド指数の評価の仕方について具体例を用いて説明します。さらに、時間が許せば最近の講演者の 結果についても触れる予定です。
日時 5月18日 (金) 13:00 ~14:30
講演者(所属) 古田大輔 (大阪市立大学M2)
タイトル 半単純リー代数のベキ零軌道
場所 数学講究室 (3040)
アブストラクト 随伴群による半単純リー代数上の軌道でベキ零元からなるものをベキ零軌道といい、ベキ零軌道の理論はリー代数の表現論において基本的です。 今回はこのベキ零軌道について基本的な結果として Jacobson-MorozovーDynkinーKostantによるベキ零軌道の分類をします。また、その例として古典型リー代数のベキ零軌道を紹介します。なお、リー代数の構造論などの予備知識はなるべく仮定しないようにお話します。
最終更新日: 2013年1月16日