微分幾何学セミナー(2012年度)
大阪市立大学数学研究所(OCAMI) での事業の一環として、(幾何解析、トポロジー、代数幾何、数理物理、可積分系、情報数理などにも関わる広い意味の)微分幾何学のセミナーを推進します。
日時 |
1月16日(水) 14:40~16:10 |
講演者(所属) |
植木 聡之 (東北大学大学院理学研究科数学専攻) |
タイトル |
等方的部分多様体の変形について |
場所 |
数学講究室(共通研究棟301) |
アブストラクト |
ラグランジュ部分多様体のラグランジュ変形及びハミルトン変形のアナロジーとして、等方的部分多様体の等方的変形及び完全変形がB.Y. Chenらによって導入された。本講演では、等方的部分多様体の
ハミルトン変形と完全変形の相違点を考察する。また、極小性・安定性についても考える。
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日時 |
12月12日(水) 14:40~16:10 |
講演者(所属) |
森 淳秀(大阪市立大学数学研究所) |
タイトル |
色々な幾何から見た葉層・接触トポロジー |
場所 |
共通研究棟 講究室 (301) |
アブストラクト |
n 変数関数の 1-jet 空間の接触幾何は 1 階偏微分方程式系の幾何である.このとき余次元 1 葉層は Legendre 部分多様体の和となる n+1 次元部分多様体の構造である. しかしコンパクトな葉層部分
多様体の例を作ることは容易でない. その理由を複素affine空間の toric 幾何によって説明する. 鍵となるのは葉層の Reeb 成分を解析的でない滑らかな部分多様体として捉えることである.他方,接触
構造は余次元1葉層を摂動したものとして理解することができる. この観点から三松佳彦氏が構成した新しいPoisson多様体の例を再構成する. 鍵となるのは接触構造の概接触構造をそれが近似する
余次元 1 葉層に遺伝させる枠組みである. こうした議論の全体を貫くものとしてDonaldsonの漸近的複素正則幾何がある. この観点から葉層トポロジーの未来について述べたい.
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日時 |
10月30日(火) 17:00~18:30 |
講演者(所属) |
河井 公大朗(東北大学大学院理学研究科数学専攻 学振DC2) |
タイトル |
coassociative部分多様体の具体的構成 |
場所 |
共通研究棟 講究室 (301) |
アブストラクト |
coassociative部分多様体は、G_2多様体内の極小部分多様体の一種である。 本講演では、Lie群の作用の対称性を用いたcoassociative部分多様体の構成法について紹介する。 そして応用として、
7次元ユークリッド空間、4次元球面の反自己双対束内に具体例を構成する。
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日時 |
10月17日(水) 14:40~16:10 |
講演者(所属) |
梶ヶ谷 徹 東北大学大学院理学研究科数学専攻(学振DC2) |
タイトル |
佐々木多様体の中のL-極小ルジャンドル部分多様体について |
場所 |
共通研究棟 第一セミナー室(419) |
アブストラクト |
Kahler多様体の中のハミルトン極小ラグランジュ部分多様体に対応して, 佐々木多様体の中にルジャンドル極小(L-極小)ルジャンドル部分多様体を定義し, その安定性などの性質について調べた結果を紹介
する. 特に, 3次元佐々木空間形内のL-極小ルジャンドル曲線の性質と安定性, 球面内のL-極小ルジャンドル部分多様体に対するL-不安定性定理を紹介する.
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日時 |
10月10日(水) 14:40~16:10 |
講演者(所属) |
野田 尚廣 (名古屋大学&大阪市立大学数学研究所) |
タイトル |
Cartan-Kahlerの定理について |
場所 |
共通研究棟 講究室 (301) |
アブストラクト |
微分式系の幾何学においてもたらされる重要な結果のひとつにCartan-Kahlerの定理があり, これは微分方程式の解の存在性に関する定理である. 本講演では, この理論と幾何学的諸問題への応用について
の既存の結果を紹介したい.
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日時 |
7月13日(金) 16:30~18:00 |
講演者(所属) |
小林 亮一(名古屋大学) |
タイトル |
複素射影空間における極大トーラス軌道のハミルトン体積最小性 |
場所 |
第一セミナー室(3068) |
アブストラクト |
複素射影空間内の極大トーラス軌道のハミルトン体積最小性問題に対し、マイクロローカル解析からのアプローチを導入する。アイディアは、極大トーラス軌道(とそのハミルトン変形)に対し、それらをモーメント
トーラス束(とそのハミルトン変形)に拡張して、ある種のボーアゾンマーフェルト量子化条件を満たすファイバーの集団に対応する「ルジャンドル分布」を考え、それによって決まる射影埋め込みの族の漸近挙動を
通して、極大トーラス軌道の像とそのハミルトン変形の像を比較することである。 もし時間があれば、同問題に対し、「ハミルトン」平均曲率流によるもうひとつのアプローチを導入する。
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日時 |
6月15日(金) 16:30~18:00 |
講演者(所属) |
庄田 敏宏(佐賀大学) |
タイトル |
極小曲面のMorse indexについて |
場所 |
第1セミナー室(3068) |
アブストラクト |
極小曲面のMorse indexは,その極小曲面が面積最小の状態からどれくらい離れているかを記述する量であり,非常に興味深い研究対象ではあるものの,この約20年間,大きな進展はないように思う。 今回,
名城大学の江尻典雄先生との共同研究にて古典的な極小曲面のMorse indexを計算することに成功した。 本講演ではそのアウトラインを紹介したい。
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日時 |
6月13日(水) 14:40~16:10 |
講演者(所属) |
佐治 健太郎(神戸大学) |
タイトル |
双曲空間内の曲率一定線-織面とその特異点 |
場所 |
数学講究室(3040) |
アブストラクト |
線織面とはユークリッド空間内の直線が動いて出来る曲面である。これのアナロジーとして、双曲空間内の曲率一定の曲線が動いて出来る曲面が考えられる。 この曲面の幾何学的性質と特異点について
報告する。
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最終更新日: 2017年4月14日