研究室概要


ニホンザルの研究から始まった本研究室では、識別した個体の行動の野外観察をもとに、動物の社会関係から社会組織を明らかにすることで、日本で唯一の「動物社会学研究室」を維持してきた。国内で行動生態学が行動学の中心課題となった1980年以降も、本研究室は日本での魚類、両生類、鳥類、哺乳類の行動生態学、社会生態学の中心的割を果たしている。
現在、大きく二つのタイプの研究を行っている。
一つは、種の社会組織を把握し、生態学との接点で考察する研究である。このタイプの研究では、しばしば個体群構造の解析を含むので、種の社会組織を行動学と個体群生態学の二つの側面から研究することもある。ここでは生活史特性の解明も大きな課題となる。
もう一つは、同種の個体が、つがい相手や子供、兄弟などの血縁個体、また非血縁個体との間でどのような社会関係を持つのかを最新の技術も取り入れ調べている。研究対象とする行動内容はさまざまであるが、繁殖行動を取り上げることが多い。その理由は配偶・交尾とその後の子育てに社会行動が集中し観察が比較的容易なこと、並びに繁殖成功度が行動や形質の進化を考える上で重要な目安となるためである。
また異種個体間関係を個体レベルで把握する動物社会学的手法によるギルド構造の解明など、研究範囲は広がっている。