【コブシ】
モクレン科
Magnolia praecocissima K.
4月、暖かな春風とともに、各地でサクラの咲く便りが聞かれ、植物も活発に活動を始め、花芽も膨らみかけてきました。早春の花の中でも最も美しい風情と落ち着きのあるコブシを鑑賞してください。

コブシはモクレン科の植物で、同じ仲間に「タムシバ」・「シデコブシ」などがあり、花だけを見てもなかなか見分けることが難しいものです。
コブシはその蕾が「拳(こぶし)」の形に似ているからといわれています。「和名類聚抄」(931〜938)には「コブシハジカミ」とあり、ハジカミとは、これを口に入れると辛味がありハジカミ(ショウガの古い名)に似ているからといわれている。蕾に芳香があり煎じて頭痛や鼻炎に用いられています。このほか、行動季節を示す自然暦として利用されたことが伺われます。
(写真はコブシの実)