ウバメガシ、トベラなどを主とし、九州、四国、本州の照葉樹林帯の海岸地方に分布する常緑広葉樹林です。
乾燥した土壌や、潮風に耐えることのできる小型のかたい葉や、厚い葉をもつ、ウバメガシ、トベラ、シャリンバイ、マサキなどの低木が多いのが特徴です。
夏に乾燥する地中海地方のオリーブやコルクガシなどの硬葉樹林と似ていますが、多雨気候化の日本の海岸型照葉樹林とは区別されています。
 
タブノキ、クスノキなどを主とするこの型の森林は、照葉樹林帯の海岸に近い低地や山地、排水のよい沖積地や台地の、斜面下部の適潤で土壌の深い地域に分布しています。まるくモクモクと盛り上がった球面のような樹冠が特徴で、夏に雨の多い日本の暖帯林の代表的な森林です。
このタブ型の森林をはじめ、カシ型、シイ型の照葉樹林は、世界中で東アジア暖帯の湿潤気候下にのみ分布し、構成樹種の豊富さ、立体構造の複雑さは熱帯多雨林についでいます。わが国の文化は、この照葉樹林の分布する地域から発達したことは有名です。
 
ツブラジイ、スダジイ、アラカシなどを主とするこの型の森林は、照葉樹林帯の中で地形的に排水がよく、土壌が比較的乾燥する場所に分布し、湿潤な環境を好むカシ型の森林と棲み分けています。
シイ型の森林は、ツブラジイ型とスダジイ型の二型に分れていますが、一般にツブラジイ型は内陸的であり、スダジイ型は海岸よりに多くみられます。
また、シイ型の森林は、かつては近畿や中国地方の平地にも広く分布していましたが、その大部分は農耕地や人間の居住地域となり、現在では社寺林などにその面影が残されています。
 
日本のカシ型の森林は、イチイガシやツクバネガシなどを主とする平地の低地カシ型と、ウラジロガシやシラカシなどを主とする山地の高地カシ型の森林の2つに大きく分けることができます。
低地カシ型の森林は、照葉樹林の中ではもっとも広く分布しています。主として関西以西の湿潤な環境に分布していたが、他の低地の照葉樹林と同じように人間により切り拓かれて、二次林化・農地化・都市化し、もとの面影をとどめる森林はきわめて少なくなっています。
 
ウラジロガシ、シラカシ、アカガシなどを主とし、照葉樹林帯の比較的土壌水分に富んだ内陸部の山地の斜面に分布し、九州の高地・近畿・中国地方の山地に多くみられます。
照葉樹林帯の山地の中で、低い所には低地カシ型がみられ、その上部の森林が、この高地カシ型の森林となるのが普通です。また、一部はシイ型の樹林の上部においてもみられます。