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  大阪市立大学
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 分裂酵母の有性生殖


図 分裂酵母の生活環

テーマ


 胞子細胞膜の構築の分子メカニズムの解明
<前胞子膜形成開始の分子メカニズム>
 胞子形成はユニークな細胞分裂過程である。 なぜなら、通常の体細胞分裂と異なり、細胞膜は母細胞の細胞質中にde novoに合成されるからである。




動画 分裂酵母の前胞子膜形成
緑: 前胞子膜(GFP-Psy1)、青: 核(CFP-Fcp1c)

第二減数分裂中期になると、スピンドル極体(SPB)が細胞質側に多層化し、 それに接して将来胞子の細胞膜になる前胞子膜が形成され始める。 SPBの構造の変化はSad1などのSPB構成タンパク質を指標とした蛍光顕微鏡法によっても ドット状から三日月状への変化として観察される (SPBの構造変換)。 この過程にはいかなるタンパク質が関わっているのであろうか? 我々はSpo15, Spo2, Spo13タンパク質がSPBの構造変換に関わることを明らかにした (Ikemoto et al., 2000; Nakase et al., 2008)。 これらのタンパク質はいずれもSPBに局在し、Spo15, Spo13はコイルドコイル領域を有する。 これまでの解析から栄養増殖期にはSpo15が胞子形成期にはSpo2, Spo13が発現、SPBに局在し、 SPBの構造変換を介して前胞子膜形成の開始を制御すると考えられる。



図 第二減数分裂時のSPBの構造変換
(電子顕微鏡写真は東大新領域創成科学研究科平田愛子先生の提供)

<前胞子膜伸長の分子メカニズム>
前胞子膜は膜小胞と融合しながら伸長し、減数分裂でできた一倍体核を取り囲み、 やがて胞子が完成する。前胞子膜に局在する新規タンパク質Spo3を見つけた。 また、膜融合にはたらくことが知られているシンタキシン1A様タンパク質Psy1が 母細胞の細胞膜から前胞子膜に局在を移すことを発見した。




図 シンタキシン様タンパク質の胞子形成時の局在変化


 Spo3とPsy1との遺伝学的相互作用を認めている(Nakamura et al., 2001)。 膜輸送に働くSecタンパク質ホモログであるSpo14とSpo20も前胞子膜の構築に必要であることを証明した(Nakase et al., 2001; Nakamura-Kubo et al., 2003)。 現在、シンタキシン1Aと相互作用すると考えられるSNAP-25オルソログSec9, シナプトブレビンSyb1の前胞子膜形成への関連についても調べている (Nakamura et al., 2005)。 出芽酵母の前胞子膜は細胞膜とは違う組成と考えられており、その伸長は栄養増殖に使われているまく輸送の経路と胞子形成特異的なタンパク質の共同作業によって行われているものと思われる。 このメカニズムについてさらに解析を進めているところである。



図 spo遺伝子産物による前胞子膜形成制御