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【学部】
生物学概論 Introduction to Biology
前期 火曜日 5時限
本講義では、生命現象の生化学的側面からの基礎を理解するとともに、細胞から組織・器官に至る高次構造の成り立ちを通じて生命現象の多様性について学ぶ。
まず、生物にとって基本的な生体分子の構造および性質と機能の基礎について概説する。次いで、多細胞動物の個体発生に注目し、組織・器官・形態を構築する仕組みを概観する。主に、パターン形成の概念、体軸とは胚葉、細胞質因子と細胞間相互作用、発生と再生、個体発生と系統発生、について論じる
生物化学 I Biochemistry I
前期 木曜日 1時限
生化学は、生命現象を化学的手法を中心とした様々な方法によって分子レベルで説明しようとする学問分野である。このために、生体内の基本的な分子の構造や機能について理解するとともに、得た知識を活用できるようになることを目指す。
生体内の主要な分子、特に糖質、アミノ酸、タンパク質、核酸、脂質などを中心にこれらの構造と機能について概説する。あわせて、これら生体内分子の研究法についても触れる。
酵素化学 Enzyme Chemistry
前期 水曜日 2時限
生命現象を担う生体内化学反応において触媒として必須な役割をはたす酵素の構造と機能の基礎を理解することを目指す。また、酵素の触媒機能の応用とその重要性ついても理解することを目指す。そして、生命現象の理解とその応用にとって酵素研究の重要性を理解し、得られた知識を活用できるようになることを目指す。
酵素の生体内触媒としての特徴に関して、その研究の歴史、分類、基質特異性、触媒機構ならびに酵素反応速度論などについて概説する。また、酵素分子のタンパク質としての構造上の特徴と機能との相関について述べる。さらに、生体内における酵素の機能や発現・調節などについても述べる。また、酵素の機能を利用した様々な応用について解説し、酵素研究の実際についても触れる。
【大学院】
酵素化学特論 Advanced Enzyme Chemistry
前期 火曜日 2時限
生命現象にとって必須の生体触媒分子である酵素の特徴をその構造と関連させ深く理解することを目指す。また、あらゆる生物に様々な形態で存在し、生体内エネルギー、構造維持、生体認識など多様な機能を担う糖質・糖鎖の構造と機能を理解
する。また、酵素による生体内反応の調節制御系の理解を深めることを目指す。あわせて、酵素の特異的触媒素子としての有用性を理解し、これを応用できるように
なることを目指す。
酵素の基質特異性、補助因子の酵素触媒にはたす役割、酵素反応速度論、酵素阻害剤の阻害機構、アイソザイムの生体内での意義、酵素タンパク質の構造と触媒機構などについて、アミラーゼ群や複合糖鎖合成・分解酵素をはじめとする糖質・糖鎖関連酵素を実例に挙げて解説し、糖鎖生物学にも言及する。また、タンパク質分解酵素を中心とした酵素前駆体とその活性化機構など調節機構についても論ずる。さらに、バイオリアクターとしての酵素の応用についても解説する。
食品酵素学特論 Advanced Food Enzymology
食品に求められる最も重要な要素の1つは安全性である。その生産や加工の上で必要な化学反応を進行させる触媒として、タンパク質を本体とする酵素は生体にとって最も安全な触媒といえる。人類は古より経験的に様々な形態でこれを食品に利用してきた。また、近年の目覚しい生化学の発展とともに積極的に酵素の機能を利用できるようになり、特に食品関連分野への利用はこれからもますます発展していくことが期待される。このため、酵素の基礎的な性質を理解することが重要となる。また、複雑な成分から成る食品には酵素の特異性が重要であるとともにその利用には様々な条件が要求されることを理解する必要がある。本講義では、酵素の性質とその食品分野への有用性の理解をめざす。
まず、生体触媒としての酵素の基本的な性質を概説する。そして、その特異的な機能を利用した様々な食品の生産や加工について例を挙げて説明する。また、酵素機能の利用形態についても概説する。特に、糖質やタンパク質などの主要食品成分に関連する酵素の生化学的機能を、これら酵素の給源や生産などをまじえて概説する。
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