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■教授 田中 俊雄
(e-mail tanakato@)
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研究テーマ:
「抗菌活性を増幅するヘルパー分子の探索とヘルパー依存性抗菌作用のメカニズムの解明」
「抗酵母活性・抗ガン活性を有する脂質誘導体の合成およびその作用機構の解析」
「γ-ポリグルタミン酸に多機能性を賦与することを目的とする非天然型バイオポリマーへの変換」最下段参照
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研究テーマ紹介:
「抗菌活性を増幅するヘルパー分子の探索とヘルパー依存性抗菌作用のメカニズムの解明」
すでに臨床で使用されている抗生物質の中にも、いまだ知られざる抗菌活性が潜んでいる事実が明らかになってきました。安全性の担保された既存の抗生物質の潜在活性を引出し、増幅してくれる言わばヘルパー分子とも言うべき分子の役割に注目しています。
アンホテリシンB (AmB) は臨床で使用される数少ない抗真菌性抗生物質の一つです。その作用は真菌細胞膜のエルゴステロールと結合して細胞膜に穴をあけ、細胞内のカリウムイオンなどを細胞外に漏出させる、いわゆる細胞膜障害によるものです。動物細胞のコレステロールとはほとんど結合しないため、選択的な抗真菌作用を発揮します。しかし、腎障害などの副作用があるため、その投与には種々の改善が求められています。最近の研究でニンニクの薬効成分であるアリシンにAmBの抗真菌作用を著しく増幅する効果が見いだされました。しかも、アリシンはAmBの細胞膜障害作用を強めるのではなく、これまで知られていなかったAmBの真菌液胞膜に対する破壊作用を引き出していることが明らかになりました。動物細胞には無い液胞への作用が新たな抗真菌剤の開発の糸口になるのではと期待しています。一方、アリシンのようなヘルパー分子が他にもどんどん見つかる可能性があります。ヘルパー分子を食品などの成分中に検索するとともに、ヘルパー依存性の抗菌活性の発現機構を明らかにしょうとしています。
「抗酵母活性・抗ガン活性を有する脂質誘導体の合成およびその作用機構の解析」
生体分子にはそれぞれ固有の機能や活性が備わっています。一方、異なる活性を有する生体分子同士が結合してできるハイブリッド分子にはこれまでに知られていないユニークな生理活性が派生する可能性があります。ヌクレオチドや脂質などの生体分子をもとにハイブリッド分子を合成するとともに、これらの中にユニークな抗酵母作用・抗ガン作用ならびに生体機能改善作用を発揮する活性成分を見いだそうとしています。
AMPやUMPを始めとするヌクレオチドは、単に核酸やATPの構成成分というだけではなく、種々代謝調節因子の成分としても重要な機能を果たしています。ヌクレオチドやその類縁化合物に単に脂質分子を結合させることで、強力な抗菌剤や抗ガン剤に変身させたり、細胞の分化や接着性などを制御するユニークな生理活性分子へと変身させることが可能です。"第3の生物"などとして何かと話題になっている"古細菌"は、摂氏100度を越す極限環境で生育したり、水素と炭酸ガスをメタンガスに変えてATPを合成する不思議な生物の集団です。古細菌の細胞膜脂質は分岐構造を有するイソプレノイドを成分としています。このイソプレノイド、真核生物においては情報伝達分子であるG蛋白質の活性調節に欠かせません。イソプレノイドの一種であるファルネソールをピリジン環のチッ素の部分に結合させると、強力な抗ガン剤に変身します。この誘導体(FPy)はガン細胞をアポトーシス、すなわち遺伝子内にプログラムされた「自殺」へと追いやることが判りました。その方法は実にユニークです。通常、死細胞は壊れてバラバラになりますが、この誘導体、血球細胞がガン化する原因をつくった遺伝子DNAを含む核だけをみごとに壊しています。
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出芽酵母に対するファルネソールの作用
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未処理細胞
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ファルネソール処理細胞
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未染色
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活性酸素の検出
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未染色
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活性酸素の検出
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ヒト白血病細胞に対するFPyの作用
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未処理細胞
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FPy処理細胞
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未染色
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核染色
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未染色
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核染色
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FPyの酵母に対する作用はさらにユニークです。FPyは分裂酵母の細胞壁多糖合成には影響を与えないものの、不定形の細胞壁マトリクスを桿菌形態に整形する過程を特異的に阻害しているようです。自分自身の「形」を作ることこそ生物に固有の能力と言えます。FPyを用いて生物の「形」つくりのメカニズムを明らかにすることができるかも知れません。
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