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植物は、動物や微生物と共通する基本的な生命活動に加えて、独立栄養に代表される独自の機能を持ち、柔軟で多彩な生活環(一生)を営んでいます。
このような特徴を持つ植物が様々な生命活動を円滑に行うためには、適切な形と大きさを持つ必要があります。私たちの研究グループでは、植物の形(形態)と大きさ(成長)の制御機構について解析しています。
植物の形と大きさを最も直接的に決めているのは細胞壁です。 細胞膜の外側に位置し植物細胞の最外層を構成する細胞壁は、かつては後形質と呼ばれ、死んだ成分として扱われていました。
しかし、現在では、細胞壁が、多くの酵素が活動する活発な代謝の場であることが明らかにされました。 細胞壁はその性質を絶え間なくダイナミックに変化させ、形態形成や成長調節ばかりでなく、他の生命活動の調節においても重要な役割を果たしています。
細胞壁を構成する様々な成分は、他の細胞成分と同様に、遺伝情報に基づいて合成されます。 しかし、植物の場合、遺伝的プログラムは周囲の環境によって強く修飾されます。
これは、進化上、固着生活を選択した植物にとって宿命ともいえる特徴であり、植物は動物以上に敏感で精密な環境応答機構を備えています。
したがって、細胞壁の構造や代謝も環境によって大きく変化し、それが形態形成や成長調節などの生命活動に影響を与えることになります。
植物は、光、重力、温度、水分、あるいは様々な化学物質や物理的な力を環境シグナルとして受容します。 そして、受容された環境シグナルが変換・伝達される過程には、植物ホルモンと呼ばれる一群の生理活性物質が関与しています。
植物ホルモンは、また、発現した遺伝子が細胞壁代謝などの過程を調節する際にも情報の伝達を担っています。 以上のように、植物の形態形成や成長調節、そしてその結果としての様々な生命活動の調節機構は、次の一連の過程にまとめられます。
環境シグナル → 植物ホルモン → 遺伝子 → 植物ホルモン → 細胞壁 →
私たちの研究グループでは、このような情報の流れに沿った植物機能の調節のしくみを、 生理学、生化学、分子生物学、形態学、レオロジーなど、様々な手法を柔軟に組み合わせて解析しています。
以前は、細胞壁の構造と代謝やそれらに対する植物ホルモンの作用に関する研究に主眼を置いていましたが、 現在は、環境シグナルによる調節に対象を広げて、植物機能調節の全体像の理解をめざした研究を行っています。
宇宙実験による植物の重力反応の解析はその一部です。
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