日本宇宙生物科学会公開シンポジウム2006は終了しました。
多数の御参加ありがとうございました。

日時:2006年9月30日(土)13:30〜17:00

場所:大阪市立大学杉本キャンパス 全学共通教育棟 810教室
    JR阪和線「杉本町」より東へ徒歩5分
    地下鉄御堂筋線「あびこ」3号・4号出口より南西へ徒歩15分

対象:中学・高校生から一般の方まで
    入場無料、事前申込不要

 宇宙生物科学は、生物が宇宙環境の下でどのように生きるか研究し、生命の基本的なしくみを宇宙的な視野で明らかにすることを目的としています。そのための国際宇宙ステーションの完成にメドが立ち、月面基地や火星基地計画も視野に入るようになってきました。この機会に、日本宇宙生物科学会の20年の活動で得られた研究成果を報告し、宇宙生物科学の意義や将来について考える公開シンポジウムを開催します。多数の皆さんのご参加をお待ちしています。

プログラム:

 生かせ、宇宙環境利用のメリット 大平 充宣(大阪大学)
 植物は宇宙に進出できるか 保尊 隆享(大阪市立大学)
 宇宙で生き延びる方法 − 植物をどのように利用するか
  北宅 善昭(大阪府立大学)
 月、そして火星居住に向けて 森  滋夫(名古屋大学)
    

世話人:
  森  滋夫(日本宇宙生物科学会会長)
  保尊 隆享(同 副会長、同 第20回大会会長)

講演概要:

 生かせ、宇宙環境利用のメリット 大平 充宣(大阪大学医学系研究科教授)

 宇宙環境の大きな特徴の一つは、微小重力です。宇宙飛行士には少々"Tough!"とも言えるかもしれませんが、宇宙は1-Gの地球では不可能な科学的解明や大きな経済効果につながる物の製造の可能性を秘めた環境でもあります。それを利用しない手はありません。本講演では、これまでの宇宙実験等で得られた(地球上では思いもつかないような)宇宙空間への(ヒトを含めた)哺乳類の適応について簡単に述べるとともに、このような"Tough!"な環境を逆に利用しようという提案をしたいと思います。"金がかかる"、"人体にとっては、ろくなことはない"なんて言っていないで・・・。


 植物は宇宙に進出できるか 保尊 隆享(大阪市立大学理学研究科教授)

 今から数億年前、生物のトップバッターとして植物が海から陸に上がりました。以来、植物は、陸上の厳しい環境、特に強大な重力の力に耐え、抵抗し、逆にそれを利用しながら、進化・繁栄してきました。このような植物は、重力のない宇宙で生きて行けるのでしょうか。私たちのスペースシャトル実験の結果は、それが可能であることを示しています。宇宙で植物が成長し体を築くようすを見ながら、植物の宇宙への進出の可能性とその意義について考えます。


 宇宙で生き延びる方法 − 植物をどのように利用するか
  北宅 善昭(大阪府立大学生命環境科学研究科教授)

 人間が緑にあふれた地球を離れ、宇宙で生き延びるためには、地球の生態系と同じ働きをする仕組みを宇宙で作らなければなりません。それも、狭い空間の中で。その生態系の中心は、やはり植物です。地球上と同様、宇宙でも、人間は植物なしでは生きていけません。植物は人間の食料を生産するとともに、二酸化炭素を酸素に換え、汚れた水をきれいにしてくれます。宇宙ステーションや月・火星などで、植物を中心とした人工の生態系をどのようにして創造するか、これが私たち人類の宇宙進出の鍵を握る重要なテーマです。皆さんとともに考えましょう。


 月、そして火星居住に向けて 森  滋夫(名古屋大学名誉教授)

 人類が宇宙を飛行して45年。これまで、24人が月をまわって12人が月面に立ち、1年2カ月間の長期宇宙滞在を記録し、現在、多くの国が共同で国際宇宙ステーションの完成をめざしています。一方、民間でも人を宇宙に送り出すようになり、宇宙旅行がもうすぐ実現しそうです。一昨年の正月、ブッシュ大統領が、2020年までに人を再び月に、2030年以降に火星有人飛行を、と発表しました。今、月や火星に多人数が居住するための医学・生物学的研究が求められています。


お問い合わせ:
 〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138
 大阪市立大学大学院理学研究科
 日本宇宙生物科学会第20回大会事務局
 TEL/Fax 06-6605-2577
 E-mail hoson@sci.osaka-cu.ac.jp(保尊)、soga@sci.osaka-cu.ac.jp(曽我)

平成18年度文部科学省科学研究費補助金 研究成果公開促進費補助事業(1853010)


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