植物の環境応答機能を光受容体、植物ホルモンなどの働きに注目し、またイネを主材料な材料にして研究している(飯野)。

①光形態形成および傷害応答・病害抵抗性
光形態形成のイネ突然変異体(2系統)の原因遺伝子がジャスモン酸生合成酵素のものであることを見いだし、ジャスモン酸は光形態形成と傷害応答の両者に関与するシグナル因子であることを明らかにした。また、これらの突然変異体を用いてジャスモン酸といもち病耐性の関係を解析している。
②光屈性
光屈性突然変異体cpt2の原因遺伝子候補をマップベースクローニング等で絞り込み、相補性検定のための実験を進めた。また、重力屈性が低下したlazy1突然変異体は強い光屈性を示すことを利用して、光屈性の光量-反応曲線を解析した。更に、lazy1突然変異体と光屈性突然変異体を交配して作出した2重・3重突然変異体を用いて、光量-反応曲線で分離される全ての反応成分にフォトトロピン1が光受容体として関与していることを明らかにした。
③重力応答
シロイヌナズナのAtLAZY1遺伝子(イネLAZY1遺伝子のホモログ)の発現を抑えたRNAi形質転換体を作出し、その機能を解析した。LAZY1は、イネだけではなく、シロイヌナズナでも重力屈性に関与していることを明らかにした。

飯野盛利(教授)
tel 072-891-2751(研究室)
e-mail iino@sci.osaka-cu.ac.jp(@を半角に直してください)


 
植物園には無数ともいえる興味深い研究テーマが隠されている。それらの中でも高等植物の遺伝的多様性と進化に興味を持ち、次の4つのテーマで研究を進めている(植松)。

①木本植物における枝変わり突然変異機構の解明
果樹や林木では枝変わり突然変異で多くの優良品種が作られてきたが、そのメカニズムについては未解明の点が多い。世代が長く、移動することのできない木本植物にとって個体内に枝変わりによる遺伝的変異を内包することは生存戦略としても有効と考えられる。ハナモモやウメ、ツバキなどでは1個体内に完全に着色した花と斑入りの花をつける現象が観察される。この現象は枝変わり突然変異のモデルシステムと考えることができる。現在、ハナモモ2系統、ツバキ3品種について花色の斑入り変異を生じるメカニズムの解明を試みている。
②緑色の花をつけるサクラ品種出現のメカニズムを探る
当園にはクリーム色の花をつける ‘ウコン’(鬱金)、 緑の花をつける‘ギョイコウ’(御衣黄) ‘シンニシキ’ (新錦)が植栽されている。どのようにして緑の花をつけるに至ったのか、そのメカニズムを探ると共に、緑のサクラ3品種の相互の関係を明らかにする。
③バラ科の系統進化学的解析
葉緑体(cp)DNAの構造変異を指標としてバラ科の系統関係の再構築を試みている。また現在の栽培モモのcpDNAの構造はPrunus属の中でも特殊であることが明らかになっており、それを指標としてモモの起源の探索を試みている。
④ナシ属植物の探索と遺伝的多様性の評価ならびに利用に関する研究
岩手県を中心とする北東北3県の調査でナシ属植物の自生個体が多数確認された。これらの果実の遺伝的特性を調査し、保全を図るために、利用しながら保全する道を探っている。

これらの他、学内外の専門家の協力を得て、植物園をフィールドとした2つのプロジェクトを実施している。
①植物園を利用した環境教育プログラムの開発
②都市と森の共生をめざしてー大学附属の森の植物園からの提言ー
 >>詳細はこちら(研究会のホームページです)

これらのプロジェクトでは地球温暖化や環境問題を考える上で重要な、森林の役割や生態系の多様性について、基礎研究として取り組むほか、その成果を地域に還元する活動も行っている。

植松千代美(准教授)
tel 072-891-2681(研究室)
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植物の形態に着目し、その進化・多様化機構に関する研究を行っている(厚井)。

①カワゴケソウ科の形態進化
極限環境で急激な適応進化・多様化を遂げたカワゴケソウ科の形態進化の機構を明らかにする研究を行っている。
②陸上植物における胞子体の進化
陸上植物の進化において重要なイベントのひとつ「胞子体世代の獲得」の進化機構を明らかにするため、シロイヌナズナの初期胚発生に重要な遺伝子のホモログの機能解析を基部陸上植物のゼニゴケを用いて行っている。

厚井聡(講師)
tel 072-891-2681(研究室)
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