2009年8月6日更新

【2008年プログラム】


日時2008年8月1日(金),2日(土) 13:30-16:00
場所大阪市立大学 杉本キャンパス 全学共通教育棟 1階815教室

8月1日(金)
13:30-14:40

「分子の格好を決める要因は?」
中沢 浩 (理学部化学科 教授)

 水分子(H2O)は折れ線型をしていますが、二酸化炭素(CO2)は直線型をしています。どちらも3原子分子(3つの原子からできている分子)なのに、どうして格好が違うのでしょうか。高校で習う化学に少しだけ知識を上積みすると、分子の格好が非常に論理的に理解できるようになります。今回の話を聞けば、もう分子の構造を暗記する必要などなくなります。

高校化学との関連:物質の構成粒子と構造

14:50-16:00

「化学の目から香辛料の魅力を探る」
菊崎 泰枝 (生活科学部食品栄養科学科 教授)

 香辛料は香り、辛味、色を与えて食べ物のおいしさを高めるほか、食品の保存性を高める、体調を整えるなど様々な機能性をもつ食材です。香辛料の抗酸化性に焦点をあて、香辛料から抗酸化成分を探しだす方法や抗酸化成分の構造について紹介します。

高校化学との関連:有機化合物の分離・精製、食品の化学

8月2日(土)
13:30-14:40

「この化学反応は本当に起こるのか?」
八ッ橋 知幸 (理学部化学科 准教授)

 高等学校の教科書に掲載されている化学反応式には決定的に欠けている情報があります。それは反応温度、収率(効率)、そして反応にかかる時間です。現実にはそれらの情報は極めて重要で、いつまで待っても室温では起こらない反応も教科書には数多く載っています。例えば黒鉛と酸素の反応、酸素と水素の反応、コークスと水の反応など。また、実際の化学反応の進む速さは反応熱の大小だけでは決まらず、反応前後の物質の状態が大きく関与しています。これら、反応を決める要因について解説します。

高校化学との関連:化学反応と熱、化学反応の速さ、化学平衡

14:50-16:00

「分子でひも解く昆虫の驚くべき機能」
品田 哲郎 (理学部物質科学科 准教授)

 数億年の歳月を生き延び、地球上でもっとも繁栄している生物、昆虫。過酷な環境をくぐり抜けてきた昆虫には、驚くような生存戦略が備わっています。今回、ファーブル昆虫記にも記載が詳しい、カリウドバチの狩りを取り上げ、「狩り」という現象にどのような分子が関わっているのかを、実際の狩りの様子やサンプリングのビデオなどを交えて紹介します。(小さいころ読んだことがあるかもしれない、ファーブル昆虫記 第2巻「狩りをするハチ」を予習しておいてもらえれば、おもしろさが増すはずです。)

高校化学との関連:有機化合物、生物と物質