たんぱく質の立体構造:たんぱく質の構造決定


U-3. 電子密度マップの作成・モデルの構築、精密化

回折強度と位相があれば電子密度が計算できます。

昔は電子密度マップを計算するのさえ一苦労で(計算機が遅いうえディスク容量が少ないので沢山はつくれない)、さらに針金などを使ってモデルを作っていました。現在はマップを書くことじたいは数秒でできますし、CGを活用して、立体的に電子密度図(図11)を眺めながらモデル分子を組み立てていくことが可能となっています。しかしながら、高分解能のデータが得られない場合には、ぼんやりとしたマップしかわかりませんので、大まかな形をもとに、構造化学的な解釈をしながらまず主鎖を組み立て、側鎖、可能であれば結晶中にふくまれる溶媒分子を定義していきます。だいたい、2Å分解能程度の回折が得られれば、側鎖の枝分かれなどもわかります。1Å分解能であれば、原子1つ1つが電子密度の高い球状に見えますが、たいていのたんぱく質の結晶の場合そこまでの分解能はえられません。

得られたモデルは誤差を含んでいますので、モデルの座標から計算される回折強度と、実際に実験で得られた回折強度の差(R値)が小さくなるように、モデルの原子位置を変化させます(精密化)。


図11:電子密度図
図11:電子密度図

高度好熱菌HB8由来 分岐鎖アミノ酸アミノ基転移酵素 活性部位の
電子密度図と モデル分子 (1.5Å分解能)




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