堆積作用と堆積環境

中生代付加複合体

美濃帯・秩父帯

古生代付加複合体

超丹波帯

ジュラ紀付加体を構成する岩石

美濃帯や秩父帯に代表されるジュラ紀付加体には,様々な成因や年代を持つ岩石が分布しています.ここでは,美濃帯と秩父帯(付加体)を構成する岩石群を紹介します.

砥石型珪質粘土岩
産地: 岐阜県各務原市鵜沼
年代: 三畳紀古世

チャート−砕屑岩シークエンスの一部を構成する砥石型粘土岩.砥石型粘土岩は,ペルム紀最末期から三畳紀古世にかけて産出する.(桑原 希世子)

砥石型珪質粘土岩
産地:三重県大内山村犬戻峡
年代:三畳紀古世

灰色と黒色の粘土岩互層が特徴的である.岩相の区別がつき易く,特定の層準のみに産することから,地層を側方に追跡する際に有用である.野外調査初期段階の頃,砥石との認識が無く,珪質泥岩にしようか,チャートにしようか,泥質チャートにしようかなどと,出会う度に悩んでいたのが懐かしい.フィールドノートには,区別するために泥質チャートと記載していた.(柏木 健司)

層状チャート
産地: 岐阜県各務原市鵜沼
年代: 三畳紀中世(Anisian

 美濃帯の層状チャートは,放散虫の殻や海綿骨針などの生物源シリカが陸源砕屑物の供給されない遠洋域で長時間かかって堆積して形成されたものである.放散虫類の系統進化や生層序の研究を進める上で格好の試料となっている.リズミカルな層状構造の成因が話題となっており,その一つにミランコビッチサイクルに関連した気候変動に伴う放散虫類のブルーミングを考える説がある.写真の露頭では黒色・灰色チャートから赤色チャートへと色調変化するのが観察され,堆積環境が還元的環境から酸化的環境へと変化したことが推察されている.古生代/中生代境界での生物大量絶滅事変後の海域環境の回復との関わりも示唆される.(桑原 希世子)

珪質泥岩
産地:三重県大内山村犬戻峡
年代:ジュラ紀中世

 チャート−砕屑岩シークエンスの一部を構成する珪質泥岩.珪質泥岩からは,保存が良好な放散虫化石が多数得られた.写真中,白色を呈する薄層は酸性凝灰岩層.一般に,酸性凝灰岩からは放散虫化石は産しないか非常に希である.

(柏木 健司)

石灰岩チャート互層
産地:三重県大内山村千石峠
年代:三畳紀新世?

ジュラ紀中世中期のメランジュ中にブロックとして産する.白色にみえる部分は石灰岩で,黒色にみえる部分はチャート.頻繁に,石灰質の赤色チャートを挟在する.現在,コノドントによる検討を行っている.

(柏木 健司)

超丹波帯Ultra-TambaTerrane

超丹波帯は,構造的上位の舞鶴帯,構造的下位の丹波帯に挟まれた地質帯である.超丹波帯は構造的上位からUT3,UT2及びUT1ユニットからなるとされる(Ishiga,1990).

福井県赤礁崎 大飯層

井県の赤礁崎(あかぐりさき)です.右側の小島に赤色珪質泥岩が露出しています.

珪質泥岩及び泥岩ともペルム紀中世後期〜新世前期の放散虫化石が産出します.

赤礁崎の赤色珪質泥岩です.このような褶曲がたくさん見られます.

(超丹波帯に含めるかは議論がある

大阪府北摂山地 高槻層 

安養寺ほか(1987)で報告されたペルム紀新世の珪質泥岩.スケールはW先輩.

灰色珪質泥岩層.ペルム紀新世の放散虫化石が産出する

右側の灰緑色の岩石が珪長質凝灰岩,左側のやや白く見える岩石が砂岩,黒っぽい部分が変形した泥岩です.

灰緑色の部分が珪長質凝灰岩でペルム紀新世の放散虫化石を含んでいます.

赤色凝灰質泥岩で,色調は周囲の緑色泥岩と漸移します.