数学や理科の好きな高校生のための市大授業
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<2008年 秋季>

数学や理科の好きな高校生や予備校生の皆さんに、数学や理科にさらに興味を持ってもらえるように企画した「高校生のための市大授業」です。大学の授業や大学の教室・実験室がどんなものなのか、進学を希望する大学の中を知っていただきたく、本学杉本キャンパスで行います。平成16年春から始まった市大授業も今回で10回目となります。日程は11月30日(日)です。申込は理学部ホームページ(http://www.sci.osaka- cu.ac.jp/koudai/koudai.html)で受け付けます。ホームページから申し込むことができない場合は、FAXによる申込も可能です(FAX番号:06-6605-2522)。前半(午後1時から)と後半(午後3時から)の二つの授業を申し込む事ができます。定員を大幅に超える申込があった場合は、受講をお断りする場合があります。受講不可能な場合に限り11月25日(火)までにご連絡します。
理学部市大授業と同じ日時・同会場で、文学部市大授業「ひらけゆく世界 みえてくる人間ー文学部を知りたい人のための市大授業ー」も開催します。詳しくは、http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/lit/prospects/kd.html をご覧ください。


2008年11月30日(日) <終了しました>

ちらし
◇前半:午後1時00分〜午後2時30分

シミュレーションでみる波と粒子の物理学

写真 物質科学科 教授 小栗章(定員100名、講義)

 水面に広がる波紋、音、光、X線、ミクロな世界の量子の波。自然界のさまざまな現象は“波”として捉えることができます。そして、大きさやエネルギーの全く異なる現象の間にも、“波”としての振る舞いを通して多くの共通した法則性が見られます。この授業では、パーソナル・コンピュータを用いて運動の法則を決定している数学的な方程式を解き、そこから導かれる“波”の時間的・空間的変化の様子を動画や音響の機能を用いて"実演"し、物理学から見た自然現象の理解について解説します。

<プロフィール>
職歴: 名古屋大学工学部助手。大阪市立大学理学部講師、助教授をへて教授
学歴: 北海道大学工学部電子工学科卒業、名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻修了、理学博士
専門分野: 物性理論(電子相関・超伝導・計算物理)


植物の一生と光環境
写真 生物学科 准教授 飯野盛利(定員100名、講義)

 植物は「光合成」によって光エネルギーを吸収し、それを用いて成長し、生活しています。さらに、光合成とは別のメカニズムによって光を環境シグナルとして受容し、それに応答して成長を調節し、また運動しています。例えば、芽ばえを明るい所と暗い所で育てると同じ植物とは思えないほど違った形に成長します。また、光の方向に反応して体を曲げたり、ねじったりします。本授業では、植物の成長と光環境の関係をとくに環境適応戦略の視点から学び、定着して生活する植物はどのように光環境に適応してその一生を送るかを考えます。

<プロフィール>
職歴:

カーネギー研究所植物科学部門博士研究員(1982-1984)、東京都立大学理学部助手(1985-1990)、大阪市立大学理学部助教授(1990-2001)、同大学大学院理学研究科助教授(2001-2006)、同研究科准教授(2007-)

学歴: 東邦大学理学部生物学科卒業(1975)、オーストラリア国立大学大学院博士課程修了(1982)
専門分野: 植物生理学、植物分子生物学


人間と自然の相互作用−例としての水資源の危機
写真 地球学科 教授 益田晴恵(定員100名、講義)

 水は生命活動を維持するためになくてはならない物質である。しかし、世界的な人口増加と都市化現象は、水環境を急激に変えている。水は循環する資源であるが、地域的にも季節的にも偏在している。また、近年は水質汚濁も進んでいる。それらの結果、一年中、水不足に悩まされている地域は増えている。この講義では、まず、自然の水循環を理解しよう。その後で、アジア諸国の地下水の水質汚染を中心として、人為活動によって生じた水循環の変化と、それに伴って生じた水資源の抱える問題を考察したい。

<プロフィール>
職歴:

日本学術振興会特別研究員、大阪市立大学理学部助手、助教授を経て現職

学歴: 大阪市立大学大学院理学研究科後期博士課程修了
専門分野: 環境地球化学、特に水−岩石相互作用


◇後半:午後3時00分〜午後4時30分
無限と極限
写真 数学科 教授 住岡武(定員100名、講義)

 数学では無限集合や極限の概念を極めて当たり前のように扱います.無限数列および無限級数の収束ついて定義をしておきます.無限数列 数式を考えます.この数列数式において,項の番号 n が限りなく大きくなるとき,数式がある定まった値 α に限りなく近づくならば,この数列は α に収束するといい,α をこの数列の極限値といいます.また各自然数 n に対して数式とおいて無限数列数式を考えたとき,この数列数式が β に収束するとき,無限級数数式は β に収束するといいます.極限の概念の導入により,数学はその応用範囲を飛躍的に拡大できます.例えば半径が1の円周の長さについては,その円に外接する4角形の辺の和,8角形の辺の和,16角形の辺の和, と考えていきその数列の極限値を円周の長さと考えることができます.このように曲線の長さや曲面の面積なども極限の概念を用いて初めて正確に扱うことができます.また,加速度運動しているものに対して瞬間的な速度を知るにも極限の概念が必要です.一方,関数を考えるとき最も簡単な関数というのは x に関する整式ですが,例えば sin x のような関数は x の整式で表すことはできません.しかし無限級数を用いれば
数式
sin xx の整式の極限として表すことができます.関数は無限級数に表すことにより予想もしなかった全く新しい世界が広がることがあります.この講義では無限や極限について色々な例を通して考えていきたいと思います.そこでは有限の場合に知っている常識が通用しない事がおこります.この講義のなかで少しでも数学の面白さや不思議さが感じてもらえたらと思います.

<プロフィール>
職歴:

大阪市立大学理学部助手、講師、助教授を経て同教授

学歴: 大阪市立大学理学部数学科卒、同大学院理学研究科修士課程数学専攻修了、理学博士
専門分野: 環論


ビッグバン宇宙への招待
写真


物理学科 教授 中尾憲一(定員100名、講義)

 およそ400年にわたる物理学の営みは、20世紀に入り相対論と量子論という2つの大きな柱を打ち立てました。この2本の柱は、それまで理解不可能と思われてきた地球外の自然現象を明らかにし、宇宙全体の歴史について驚くべき事実を明らかにしました。もちろん、私たちは宇宙のすべてを理解したわけではありません。21世紀の観測技術はこれまで知られていなかった宇宙の姿を今も私たちに見せてくれます。この講義では、20世紀に確立したビッグバン宇宙論の概要と、近年話題になっている宇宙の暗黒エネルギー問題について解説します。

<プロフィール>
職歴: 京都大学大学院理学研究科・助手、大阪市立大学大学院理学研究科・助教授、准教授を経て、2008年より大阪市立大学大学院理学研究科・教授
学歴: 愛知教育大学教育学部卒業、広島大学大学院理学研究科物理学専攻後期博士課程修了、理学博士
専門分野: 重力理論、宇宙論(理論物理学)


分子の三次元構造を見る
写真 化学科 准教授 宮原郁子(定員100名、講義)

 私たちのからだや、身の回りにある物質の多くは、原子があつまって出来た分子から構成されています。分子はほんのわずかな構造の違いで異なる性質を示し、生活の中で様々な役割を果たしています。したがって、分子の形を知るということはその分子の性質を知るためには非常に重要です。この講義では、水やメタンなどの簡単な分子から、薬、タンパク質などの巨大分子まで、その構造を眺めながら、それらの性質を知るとともに、構造の決定法についても紹介します。

<プロフィール>
職歴: 大阪市立大学理学部助手、講師を経て大阪市立大学大学院理学研究科准教授
学歴: 大阪市立大学理学部化学科卒業、同大学大学院理学研究科前期博士課程修了、理学博士
専門分野: 構造生物化学、X線結晶学