数学や理科の好きな高校生のための市大授業
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<2009年 秋季>

数学や理科の好きな高校生や予備校生の皆さんに、数学や理科にさらに興味を持ってもらえるように企画した「高校生のための市大授業」です。大学の授業や大学の教室・実験室がどんなものなのか、進学を希望する大学の中を知っていただきたく、本学杉本キャンパスで行います。平成16年春から始まった市大授業も今回で12回目となります。日程は10月12日(月)です。申込は理学部ホームページ(http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/koudai/koudai.html)で受け付けます。ホームページから申し込むことができない場合は、FAXによる申込も可能です(FAX番号:06-6605-2522)。前半(午後1時から)と後半(午後3時から)の二つの授業を申し込む事ができます。定員を大幅に超える申込があった場合は、受講をお断りする場合があります。受講不可能な場合に限り10月9日(金)までにご連絡します。
理学部市大授業と同日・同会場で、文学部市大授業「文学部を知りたい人のための市大授業ーひらけゆく世界 みえてくる人間ー」も開催します。詳しくは、http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/lit/prospects/kd.htmlをご覧ください。

2009年10月12日(月)

ちらし
◇前半:午後1時00分〜午後2時30分

集合と論理の話

写真 数学科 講師 伊達山正人(定員100名、講義)

 高校数学の中で「集合と論理」という単元は、抽象的で無味乾燥な印象があるかも知れません。しかし、この単元は数学の考え方の根底を示しています。証明問題に限らず、数学の問題の解法の根底には明確な論理の流れがあります。この流れがつかめないと、問題のパターンごとに正解は出せても、なぜその解法で解けるのか分からないという結果になります。論理の流れを認識することは解法の深い理解、応用力にもつながります。また、集合と論理の世界自体も、入ってみれば意外に面白く、一面的だった見方が広がる思いになったりします。

<プロフィール>
職歴: 大阪市立大学助手、同大学理学部講師
学歴: 東京都立大学理学部数学科卒業、同大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士
専門分野: エルゴード理論に関連した力学系


目で見る酵素の化学
写真 化学科 教授 神谷信夫(定員100名、講義)

 触媒といえば、過酸化水素水からブクブクと酸素を発生させる二酸化マンガンを思い出します。触媒は、自分自身は変化することなく化学反応の速度を大きくする働きがあります。酵素はタンパク質でできた触媒であり、人間の体温程度の温度と1気圧という温和な条件で、様々な有機化学反応を促進することで我々を生かしてくれています。本講義では、触媒の働き方とタンパク質のかたちについて説明したあと、酵素が働く様子を目で見えるようにした例を紹介して、生命現象の不思議に迫りたいと思います。

<プロフィール>
兵庫県西播磨の大型放射光施設SPring-8でX線結晶構造解析に係わる技術開発に携わり、平成17年度からは大阪市立大学に移り、SPring-8で自ら開発した装置を利用した構造生物化学の研究を楽しんでいます。


コンピュータで描く地形図と地質図
写真 地球学科 教授 塩野清治(定員100名、講義)

 地形図と地質図は、我々が生活している地球を知る最も基礎的な情報源であり、トンネル・道路などの土木・建築構造物の設計・施工・維持管理や地震・火山災害・土砂災害などの自然災害の予測・防災対策など生活に密着した諸分野で活用されます。本授業では、これら諸分野で地形・地質情報を活用するために工夫されてきたコンピュータ処理の考え方−地形図と地質図をどのようなデータからどのようにして描くか−をわかりやすく解説します。

<プロフィール>
職歴: 大阪市立大学理学部助手、同大学講師・助教授を経て、大阪市立大学大学院理学研究科教授
学歴: 京都大学理学部地球物理学科卒業、 京都大学大学院理学研究科修士課程地球物理学専攻修了(理学博士)
専門分野: 地球情報学


◇後半:午後3時00分〜午後4時30分
物質と反物質の対称性 ―小林・益川理論とその検証―
写真 物理学科 准教授 寺本吉輝(定員100名、講義)

 ノーベル物理学賞を2008年に受賞された小林さんと益川さんは粒子と反粒子の対称性の破れを説明する理論を考えられました。粒子と反粒子はそれぞれ物質と反物質を作っています。 粒子と反粒子は同じ質量と同じ大きさの電荷を持っていますが、 電荷の符合は逆です。 これを粒子・反粒子の対称性と呼びます。 ところが、 粒子間に働く力と反粒子間に働く力とでは、 ごく僅かに違いがある場合があります。 これを粒子と反粒子の対称性の破れと呼びます。 B中間子を用いて、 この理論が予言する対称性の破れを測定したところ、 予言どおりの結果が出ました。 今回はこれらの理論と実験について解説します。

<プロフィール>
職歴: 米国ブルックヘブン国立研究所研究員、ニューヨーク市立大学研究員、高エネルギー物理学研究所助手、大阪市立大学理学部助手、講師を経て現職
学歴: 大阪大学理学部物理学科卒業、大阪市立大学理学研究科物理学専攻修士課程修了、同研究科博士課程修了、理学博士
専門分野: 素粒子実験物理学、宇宙線物理学


植物の形 ―環境シグナルによる制御―
写真


生物学科 講師 曽我康一(定員100名、講義)

 植物の形は環境によって大きく変化します。たとえば、暗いところで育てた芽生えは茎を細長く伸ばし、いわゆる「もやし」の形になります。それに対して、明るいところで育てたものは、茎をあまり伸ばすことなく、葉を大きく広げます。また、光だけでなく、重力、温度、水分などの環境シグナルも植物の形に影響をあたえます。つまり、日頃見慣れている植物の形は、環境シグナルによって決定されたものなのです。この講義では、みなさんの周りにある植物がどのようにしてその形になっているのかをお話しします。

<プロフィール>
職歴: 岡山県生物科学総合研究所流動研究員(2000-2001)、大阪市立大学大学院理学研究科助手(2001-2006)、同研究科講師(2006-)
学歴: 大阪市立大学理学部生物学科卒業(1995)、大阪市立大学大学院後期博士課程修了(2000)、博士(理学)
専門分野: 植物生理学