2012年
数学や理科の好きな高校生や予備校生の皆さんに、数学や理科にさらに興味を持ってもらえるように企画した「高校生のための市大授業」です。大学の授業や大学の教室・実験室がどんなものなのか、進学を希望する大学の中を知っていただきたく、本学杉本キャンパスで行います。平成16年春から始まった市大授業も今回で15回目となります。日程は4月29日(日・祝)です。
理学部市大授業と同日・同キャンパス1号館で、文学部市大授業「文学部を知りたい人のための市大授業ーひらけゆく世界 みえてくる人間ー」も開催します。詳しくは、http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/sj/をご覧ください。
日時:2012年4月29日(日・祝)
前半 午後1時00分〜午後2時30分(以下から1つの授業を選択)
素因数分解と暗号
数学科 教授 古澤昌秋(定員100名、講義)
昨年度に引き続いての担当です。前回は欲張って内容を詰め込みすぎたので、今回は素因数分解とその応用に絞りました。素数というのは、1と自分自身しか約数をもたないような、1より大きな自然数のことを云います。素因数分解とその一意性とは、1より大きな自然数が素数の積にただ一通りに表されることを云います。与えられた有限個の素数の積を計算することは簡単ですが、逆に、与えられた自然数を素因数分解するには、多大な手間が必要になります。そしてこの事実が、現代社会に不可欠な「暗号」に使われています。私は暗号理論については素人ですが、自分もこの機会に勉強して、皆さんにわかりやすく説明できるように頑張ろうと思います。
プロフィール
職歴 | プリンストン高等研究所研究員、スタンフォード大学 Szego Assistant Professor、MSRI 研究員、ジョンズ・ホプキンズ大学 Visiting Assistant Professor、マックス・プランク数学研究所研究員、広島大学教授を経て、大阪市立大学大学院理学研究科教授。 |
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学歴 | 東京大学理学部卒業、東京工業大学理工学研究科修士課程終了、ジョンズ・ホプキンズ大学大学院博士課程修了、Ph.D。 |
専門分野 | 保型表現、保型エル函数。 |
レア・アースの化学
化学科 教授 篠田哲史(定員100名、講義)
レア・アースは日本語では希土類と言い、アルカリやアルカリ土類と同じように、周期表の第3族の元素に対してつけられた名前です。高校の化学の教科書には登場しませんが、ハイテク元素として、日常の様々な製品に使用されています。本授業では、これらの元素のもつ面白い性質を紹介するとともに、電子配置との関係を通じて、少しだけ大学の化学をのぞいてみます。
プロフィール
職歴 | 大阪市立大学 助手、講師、准教授を経て、2011年より大学院理学研究科教授 |
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学歴 | 京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科修士課程修了、博士(理学) |
専門分野 | 錯体化学、分子認識化学 |
地球の磁場ー25億年前から現在までー
地球学科 教授 山口 覚(定員100名、講義)
地球に磁場(地磁気)が存在することは、磁針が北を指すことで広く知られています。この地磁気の大きさや方向は一定不変ではありません。数十万年という時間スケールの地磁気逆転から、数秒以下の短い時間での微小な変動まで、幅広い時間スケールで、そして様々な大きさで変化しています。この授業では、普段なじみの少ない「地磁気」にスポットを当て、いつ頃から地磁気は存在するのか?や、地磁気の方向と日本の古い建築物との関係など地磁気に関連する多くの事例を紹介するとともに、それらが明らかになった道筋についても丁寧に話を進めていきます。
プロフィール
職歴 | 神戸大学教養部講師,神戸大学理学部講師を経て, 2010年4月より大阪市立大学大学院理学研究科・理学部 教授 |
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学歴 | 神戸大学理学部地球学科卒業,神戸大学大学院理学研究科修士課程修了, 神戸大学大学院自然科学研究科(博士課程後期課程)修了,学術博士 |
専門分野 | 地球物理学(特に,地球電磁気学) |
後半 午後2時40分〜午後3時50分(以下から1つの授業を選択)
ニュートリノという不思議な素粒子
物理学科 准教授 山本和弘(定員100名、講義)
皆さんは「ニュートリノ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?ニュートリノは、物質の最小単位である素粒子の一群ですが、他の物質と相互作用する強さがあまりに小さく、なかなか詳しい研究が難しいです。ところが、近年になって、ニュートリノを人工的にしかも大量に作りだす技術が発達し、だんだんとニュートリノの詳しい姿が明らかになってきました。するとニュートリノには、他の素粒子には見られなかった不思議な姿が現れてきたのです。また、宇宙の成り立ちとも非常に繋がりが深いことも分かってきました。この授業では、現代物理学が解明してきた素粒子の世界と、現在のニュートリノ研究の最前線を分かりやすく説明します。
プロフィール
職歴 | 京都大学大学院理学研究科研究員、大阪市立大学理学部助手、講師を経て、 大阪市立大学大学院理学研究科准教授 |
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学歴 | 京都大学理学部卒業、京都大学大学院理学研究科修士課程修了、 同研究科博士課程単位取得退学、後に博士号取得、京都大学博士(理学) |
専門分野 | 素粒子物理学 |
動物、そのからだと軸性
生物学科 講師 水野寿朗(定員100名、講義)
もし、われわれヒトと昆虫のからだは似ているかときかれたら、あなたはどう答えますか。ヒトには昆虫のような翅は無く、また昆虫にはヒトのような骨はありません。しかしどちらのからだにも前後左右の向きがあります。このような、動物のからだの一般的なつくりのことを体制とよび、方向性のことを軸性といいます。ヒトと昆虫の体制は異なりますが、軸性はよく似ています。では、ヒトとクラゲは似ているでしょうか...?授業では、このような動物の軸性がどのように現れてきたのか、その機能、発生、そして進化の観点から考えていきます。
プロフィール
職歴 | 日本学術振興会特別研究員、大阪市立大学大学院理学研究科講師 |
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学歴 | 北海道大学水産学部卒業、北海道大学大学院理学研究科修士課程修了、 名古屋大学大学院理学研究科後期博士課程修了、理学博士 |
専門分野 | 動物発生学 |