2014年

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数学や理科の好きな高校生や予備校生の皆さんに、数学や理科にさらに興味を持ってもらえるように企画した「高校生のための市大授業」です。大学の授 業や大学の教室・実験室がどんなものなのか、進学を希望する大学の中を知っていただきたく、本学杉本キャンパスで行います。平成16年春から始まった市大 授業も今回で17回目となります。日程は4月29日(火・祝)です。

理学部市大授業と同日・同キャンパス1号館で、文学部市大授業も開催します。詳しくは、 http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/lit/kouken/sj.htmlを ご覧ください。






当日は、「全学共通教育棟の1階正面」(地図の「全学共通教育棟」参照)に、それぞれの授業開始時刻の20分前までに集合してください。
※駐車スペースはありません
※当日は、杉本門が閉まっていますので、ご注意ください


日時:2014年4月29日(火・祝)

前半 午後1時00分〜午後2時10分(以下から1つの授業を選択)

正多角形の作図について

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数学科 教授 尾角 正人(定員150名、講義)

 写真は万里の長城で撮ったものですが、これが建てられ始めたころギリシャでは正五角形が定規とコンパスのみで作図できることが知られていました。皆さん、この作図法を知っていますか?その後およそ2千年というものは、正多角形の作図についてほとんど進展がありませんでした。次いで1796年、ガウスは正17角形が作図可能だという発見をしました。じゃあ正七角形はどうなの、という声が聞こえてきそうですが、実は作図できないということがわかっています。なぜでしょうか?正多角形を座標平面上に描いたとき、頂点の座標がどういう数かということを考えることがポイントです。いっしょに考えてみましょう。

プロフィール
学歴 東京大学基礎科学科卒業、京都大学大学院理学研究科修士・博士課程修了、理学博士
職歴 大阪大学基礎工学部助手、講師、准教授。2013年4月より大阪市立大学大学院理学研究科教授
専門分野 可積分系、表現論
光で粒をつまんで操る!? 光ピンセットの不思議な力

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化学科 教授 坪井泰之(定員150名、講義)

 私たちの世界は光で満ちあふれています。光の作用は、物が見えたり暖まるだけでしょうか? 実は、光には「力」の作用があるのです。簡単に言えば、光をあてることによって、物を「動かす」ことができるのです。とってもとっても弱い力で、私たちは感じることはできません。ところが、ミクロな世界、例えば、バクテリアなどの小さな物体たちにとっては、この力はとっても強い力となるのです。レーザー光線をこのようなミクロな空間に絞り込むと、その光の力でバクテリアを捕まえ、自由自在に操ることができます。そうです、「光」はミクロな空間では「ピンセット」になるのです。現在、生命科学や応用物理学の世界で大活躍のこのような光ピンセットの原理、特徴、応用や可能性について易しくお話しいたします。

プロフィール
学歴 阪大基礎工合成化学科卒、阪大院工応用物理学専攻修了(工博)
職歴 (株)富士写真フイルム、京都工繊維大 助手、講師、北海道大学 理学研究院 化学専攻 准教授。2013年より大阪市立大学大学院理学研究科 教授。
専門分野 光化学、 マイクロ・ナノ分析化学、プラズモニクス、応用分光学
水都大阪は迫り来る大災害時代に生き残れるか?

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地球学科 准教授 原口 強(定員150名、講義)

 水都大阪は、難波津の時代から近代に至るまで水運を活用しその恩恵を受け発展してきた。そこには恵まれた立地条件と絶え間ない人の英知があった。それは日本初の土木事業である難波堀江開削以降、大和川、淀川などの自然を絶え間なく改変してきた歴史でもあった。その結果、「管理病棟、水都大阪」となった。 今後数十年以内の自然災害を考えれば、南海地震・津波、さらに地球温暖化に伴い凶暴化した超巨大台風が、大阪を襲う。まさに大災害時代を前に、「水都大阪」はこれを生き抜くことができるのか?その検証と処方箋について考える。

プロフィール
学歴 鹿児島県立鶴丸高校卒業、広島大学理学部地学科卒業、東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻修了、工学博士。
職歴 復建調査設計(地質コンサルタント)で24年半の実務経験後、2003年より大阪市立大学大学院理学研究科 准教授。
専門分野 地質工学、都市地質防災、活断層学。 共著に『東日本大震災津波詳細地図』(古今書院)、『地震で沈んだ湖底の村』(サンライズ出版)、『いのちを守る都市づくり』など。

後半 午後2時40分〜午後3時50分(以下から1つの授業を選択)

世紀の大発見!ヒッグス粒子って何だろう?

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物理学科 准教授 丸 信人(定員150名、講義)

 みなさんは「ヒッグス粒子」という言葉を聞いたことがありますか?素粒子標準模型における唯一の未発見粒子であったヒッグス粒子は50年前に予言され、2012年7月欧州合同原子核研究機構の大型加速器によって、ようやく発見されました。提唱者であるヒッグス、アングレール両博士には2013年ノーベル物理学賞が授与されました。ヒッグス粒子は、素粒子に質量を与えると言われますが、それはどういう意味なのでしょうか?この授業では、まず素粒子物理の基本事項を説明し、ヒッグス粒子が果たす役割について分かりやすく解説します。

プロフィール
学歴 名古屋大学理学部物理学科卒業、同大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程(前期課程)修了、同研究科素粒子宇宙物理学専攻博士課程(後期課程)修了、博士(理学)
職歴 東京工業大学大学院理工学研究科、東京大学大学院理学系研究科、理化学研究所、ローマ大学物理学科、神戸大学大学院理学研究科、中央大学大学院理工学研究科にて研究員、慶應義塾大学日吉物理学教室にて助教(有期)を経て、2013年4月より大阪市立大学大学院理学研究科 准教授
専門分野 素粒子論、場の量子論
植物の「形」の多様性と進化

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生物学科 講師 厚井 聡(定員150名、講義)

 陸上には約30万種の植物が存在しています。つまり、30万種類の“形の違い”が認識されていると言えます。この形の多様性は約4.3億年におよぶ進化によって作り上げられ、現在も様々な形をもつ植物が誕生しています。植物の形態がどのように進化してきたのか、その過程を紹介します。さらに、形態進化の極限とも言える、カワゴケソウ科植物を取り上げます。この仲間は、他の植物が生存できない環境へ適応し、どこが根なのか茎なのか一目見ただけでは区別がつきません。この特異な形態がどのように進化してきたのか、現在進行中の研究成果を紹介します。

プロフィール
学歴 東京工業大学生命理工学部卒業、東京大学大学院理学系研究科修士課程修了,東京大学大学院理学系研究科博士課程修了 博士(理学)
職歴 国立科学博物館植物研究部 支援研究員、日本学術振興会 特別研究員、奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 研究員
専門分野 植物進化形態学