2019年

数学や理科の 好きな高校生や予備校生の皆さんに、数学や理科にさらに興味を持ってもらえるように企画した「高校生のための市大授業」です。大 学の授業や大学の教室・実験室がどんなものなのか、進学を希望する大学の中を知っていただきたく、本学杉本キャンパスで行いま す。平成16年春から始まった市大授業も今回で22回目となります。日程は4月29日(月・祝)です。

お申し込みは こちらから

理学部市大授業と同日・同キャンパス1号館で、文学部市大授業も開催します。詳しくは、 http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/lit/kouken/sj.html をご覧ください。                                                                                                             ち らしファイル(PDF)を見る


当日は、「全学共通教育棟の1階正面」(地図の「全学共通教育棟」参照)に、それぞれの授業開始時刻の20分前までに集合 してください。
※駐車スペースはありません


日時:2019年4月29日(月・祝)

前半 午後1時00分〜午後2時10分(以下から1つの授業を選 択)

C: 不等式の世界

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数学科 教授  高橋 太 (定員150名、講義)

 数学では異なるもの同士を結びつける「関係式」が大きな役割を果たします。一番身近 な関係式は2つの量を比較する等号や不等号でしょう。等号「A = B」はとても固いイメージで、取りつく島もないようですが、不等号は優柔不断で、「0 < 0.001」も正しければ「3 ≤5」も正しいのです。この講座では、代数学・幾何学・解析学における様々な不等式を紹介して、不等式研究の面白さの一端を紹介したいと思います。

プロフィール
学歴 大阪府立三国丘高等学校卒業、東京大学教養学部基礎科学科第一卒業、東京工業大学大学院理工学研究科博 士課程数学専攻単位取得退学後に博士(理学)(東京工業大学)
職歴 キヤノン(株) 情報システム研究所、東北大学COEフェロー、大阪市立大学理学部助教授、大阪市立大学大学院理学研究科准教授を経て大阪市立大学大学院理学研究科教授
専門分野 解析学
D: 科学の宝石:ダイヤモンド

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化学科 講師  藤原 正澄 (定員150名、講義)

 世の中で一番高価な宝石はなんでしょうか?それは、やはりダイヤモンドです。キラキ ラ輝くあのダイヤモンドは、サイエンスにとっても「宝石」です。ダイヤモンドは炭素の共有結合のかたまりですが、その中 にわずかに窒素やホウ素が入るだけで性質がガラッと変わって超高感度のセンサや超高性能のトランジスタにもなります。皆 さんの知らないダイヤモンドの科学的利用価値についてご紹介します。

プロフィール
学歴 大阪市立大学理学部物理学科卒業,大阪市立大学大学院理学研究科前期博士課程・後期博士課程修了,博士 (理学)
職歴 日本学術振興会特別研究員, 北海道大学電子科学研究所助教,ベルリン・フンボルト大学物理学部フンボルト財団博士研究員,大阪市立大学複合先端研究機構特任助教,関西学院大学理工学 部任期制助教,2016年より大阪市立大学大学院理学研究科講師
専門分野 量子光学,ナノフォトニクス,バイオイメージング
E: なぜ日本の火山は爆発的に噴火するのか

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地球学科 准教授  柵山 徹也 (定員150 名、講義)

 世界の活火山の7%が日本にあるといわれています。ここ 数年でも、新燃、御嶽、口永良部、草津白根など、日本列島で火山の爆発的な噴火が相次いでいます。一方で、火山島である ハワイのキラウェア山は、泉のように溶岩流を流し続ける”穏やかな噴火”を継続しています。このように、火山噴火の様式 に多様性が生まれるのはなぜか。なぜ日本の火山は爆発的な噴火をするのか。 そもそもなぜ日本には火山が多いのか。この授業では火山の噴火のメカニズムについて解説します。

プロフィール
学歴 東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科修士課程修了、同大学院理学系研究科博士課程修了、理 学博士
職歴 国立研究開発法人海洋研究開発機構ポストドクトラル研究員、研究員を経て、2014年より大阪市立大学 大学院理学研究科・理学部准教授
専門分野 火成岩岩石学、マグマ学

後半 午後2時40分〜午後3時50分(以下から1つの授業を選 択)

H: 絶対零度への挑戦

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物理学科 教授  井上 慎 (定員150名、講義)

 物質を冷やすことによって、物質の持つ量子力学的状態の特徴を浮かび上がらせること ができます。レーザー冷却により、原子気体を極低温(例えば絶対温度で0.0001度!)まで一気に冷やすことが可能に なり、その結果、気体を用いて超伝導や超流動の研究ができるようになりました。光を当てているのになぜ冷えるのか、冷や した先にある現象はどんなものか、皆さんと一緒に見ていきましょう。

プロフィール
学歴 東京大学工学部物理工学科卒業、東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 修士課程修了、マサチュー セッツ工科大学 物理学科 博士課程修了 Ph.D(Physics)
職歴 JILA研究員、カリフォルニア大学バークレー校研究員、東京大学大学院工学系研究科総合研究機構 助 教授、2015年4月より大阪市立大学大学院理学研究科 教授
専門分野 冷却原子(実験)
I: 生きものって何?議 論していいんです!

生物学科 教授  宮田 真人 (定員150名、講義)

 138億年前のビッグバン以来、宇宙は膨張しつつあります。ところが40億年前に地 球で誕生した“生きもの”は、驚異的な速度と頻度で環境から物質やエネルギーや情報を取り込んでまとまったものを作りあ げます。生きものとは一体、何でしょう?ひょっとすると、急速に蓄積しつつある現代生物学の情報の中に謎を解く鍵がある かもしれません。この授業では生きものを考える楽しさを、最先端の情報をもとにお話しします。

プロフィール
学歴 大阪大学 大学院理学研究科・生理学専攻・博士課程修了、理学博士
職歴 大阪市立大学理学部助手、講師、助教授を経て、2006年より大学院理学研究科教授
専門分野 生物物理学、細菌学