市大数学教室

大阪市立大学大学院理学研究科数物系専攻 21世紀COEプログラム

結び目を焦点とする広角度の数学拠点の形成
(Constitution of wide-angle mathematical basis focused on knots)
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院生談話会(言わば,院生の院生による院生のための談話会)を開催することになりました。
通常の談話会はレベルが高く,また,先生がいると萎縮して自由に質問ができないのではないかと思い,出席者は院生のみにしました。
これを通して,院生同士の分野を越えた交流を深めていきたいと思います。

院生談話会運営委員
D3 能城敏博(nogi@sci.osaka-cu.ac.jp



(2006年度)  2007年度 院生談話会 (2008年度)
   
講 演 者 :増井 健一 氏 (大阪市立大学理学研究科)
タ イ ト ル :無理数回転とRauzy帰納法
アブストラクト
日 時 :1月19日 (土) 15:00〜16:30
場 所 :数学講究室(3040)
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講 演 者 :張 娟姫 氏 (大阪大学大学院理学研究科)
タ イ ト ル :種数2のHeegaard分解と3本橋結び目について
アブストラクト
日 時 :12月15日 (土) 15:00〜16:30
場 所 :数学講究室(3040)
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講 演 者 :川上 裕
(名古屋大学多元数理科学研究科研究生・大阪市大COE研究所員)
タ イ ト ル :Width and Ricci flow
アブストラクト
日 時 :10月6日 (土) 15:00〜16:30
場 所 :数学講究室(3040)
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講 演 者 :成田 宏秋(大阪市大・COE上級研究所員)
タ イ ト ル :保型形式今昔物語
アブストラクト
日 時 :6月16日 (土) 15:00〜16:30
場 所 :数学講究室(3040)
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講 演 者 :鄭仁大(大阪市立大学大学院理学研究科D1)
タ イ ト ル :Alexander多項式の組合せ的計算方法とその応用
アブストラクト
日 時 :5月19日 (土) 15:00〜16:30
場 所 :数学講究室(3040)
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アブストラクト集



講 演 者: 増井 健一 氏 (大阪市立大学理学研究科)
タ イ ト ル: 無理数回転とRauzy帰納法

円周上の無理数α回転,すなわち,[0,1)上で[0,1-α)と[1-α,1)の交換を考える. 無理数回転の自然なコード化で得られる2文字の無限列はスツルム列と呼ばれる. すでにスツルム列についてはよく研究されていて,αの連分数展開を使った置き換え規則で記述できる. このコード化を拡張して3文字の無限列を考察し,αの連分数展開に関連する双対オストロフスキ数系を使って,置き換え規則で記述する. またこの結果を使って,3つの区間の交換の自然なコード化で得られる3文字の無限列も記述できることを示す.

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講 演 者: 張 娟姫 氏 (大阪大学大学院理学研究科)
タ イ ト ル: 種数2のHeegaard分解と3本橋結び目について

3次元多様体のHeegaard分解に関する幾つかの定義と事実を述べ、非単純多様体の種数2のHeegaard分解の分類方法について解説します。
次に、種数2のHeegaard分解と3本橋結び目の関係について話し、これによって互いにアイソトピックでない3本橋分解を持つ3本橋結び目が得られることも紹介する予定です。

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講 演 者: 川上 裕
(名古屋大学多元数理科学研究科研究生・大阪市大COE研究所員)
タ イ ト ル: Width and Ricci flow

長年未解決であった3次元多様体のポアンカレ予想はRichard Hamiltonにより提唱されたHamilton programと呼ばれるアイデアをGrisha Perelmanの画期的な研究で正当化することによってほぼ正しいであろうという(少し微妙な)解決宣言がなされました。
ところで,Tobias H. ColdingとWilliam P. Minicozzi IIはHamilton programを示す際に必要となる3次元ホモトピー球面上のRicci flowの有限時間消滅定理を“Width”と呼ばれる幾何学的なアイデアを用いて解決しました。
本講演ではColdingとMinicozzi IIによって得られたこの結果の概略を関連する話題を含めてお話ししたいと考えています。

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講 演 者: 成田 宏秋(大阪市大・COE上級研究所員)
タ イ ト ル: 保型形式今昔物語

 複素上半平面H上には、様々な整数論的対象が交錯している。例えば、Hの元wと1で生成されるZ格子{Z+Zw}(Zは整数環を表す)により複素数体を割ると、1次元複素トーラスができる。これは「楕円曲線」というある3次の2変数代数方程式の解の集合と見なすこともでき、その有理点の成す集合は整数論の重要な興味の対象である。他方、H上には「SL(2;Z)の合同部分群に関する保型性」という豊富な対称性を持つ「楕円保型形式」なる複素解析的関数が存在する。
 一見無関係に見えるこの2つからは、リーマンゼータ関数の一般化である「L関数」というそれぞれの整数論的性質を反映するものが定義されるが、実は楕円曲線のL関数は保型形式のL関数から来ていることが知られている。この驚愕の事実は、フェルマーの最終定理の解決など大きな成果を整数論にもたらした。
 この複素上半平面H上には、この事実だけでは語りつくせない程の豊かな整数論が展開されている。この整数論的豊饒の世界を、Hだけでなくその様々な一般化(リーマン対称領域またはリーマン対称空間)の上に構築することは、整数論の重要な問題意識である。
 本講演では保型形式論の立場から、講演者の独自の視点を織り交ぜつつ、この問題についての今と昔を眺めてみたい。

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講 演 者: 鄭仁大(大阪市立大学大学院理学研究科D1)
タ イ ト ル: Alexander多項式の組合せ的計算方法とその応用

本講演では結び目(絡み目)の不変量であるAlexander多項式の定義から始め,結び目(絡み目)ダイアグラムから組合せ的にAlexander多項式を計算する方法について述べる.それの応用として,交代絡み目のAlexander多項式の性質に対するアプローチについても述べたい.

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最終更新日: 2008年1月11日
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