講演者: |
村杉 邦男(21世紀COEプログラムCOE著名教授、トロント大学教授) |
講義題名: | 結び目理論概論 |
日時: | 2003年10月15日(水)より開始、毎週水曜日3限(13:00--14:30) |
場所: | 数学講究室(3040) |
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講義内容 |
古典的結び目理論について,おもに不変量の話題を中心に解説した.
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10月15日
古典的結び目理論の問題とは何かということを解説し,2つの結び目が同値であることをライデマイスター移動で述べた(ライデマイスターの定理).
結び目の鏡像を定義して,結び目のキラル性について解説した.
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10月22日
結び目の向きを考えて可逆性について解説した.絡み目の定義をし,結び目,絡み目の不変量とはどういうものかということを説明した.
それに関して,結び目のひねり数を定義して,テイト予想を解説した.絡み目の不変量として絡み数をとりあげた.
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10月29日
結び目の交点数についてまず説明した.続いて,結び目の群を紹介するための準備として,群の表示について解説した.
また,群の例として,自由群,自由アーベル群をとりあげた.さらに,群表示のティーツェ変換について解説した.
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11月5日
まず,群のdeficiencyを定義した.結び目群をヴィルティンガー表示を使って述べた.
Alexander多項式を定義するための準備として,Foxの自由微分を導入した.
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11月12日
結び目,絡み目のAlexander行列を群の表示から求める方法を説明し,さらに,これを用いてAlexander多項式を定義した.
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12月3日
結び目のGoeritz行列を定義した.その準備としてまず,結び目のダイアグラムから平面グラフを定義した.次に,ミンコフスキーユニット
,符号数(いわゆる村杉signature)を定義した.
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1月14日
絡み目群からMilnor不変量を定義した.その準備として,まず結び目群におけるメリディアンとロンジチュード(いわゆるperipheral
system)を定義した.さらに,絡み目群の部分群の列として,特に,交換子部分群の列と降中心列を定義した.
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