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談話会(2015年度)
2014年度
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講演者(所属) |
田中 真紀子(東京理科大学理工学部数学科) |
タイトル |
コンパクト対称空間の対蹠集合 |
日時 |
12月16日(水) 16:30〜17:30 |
場所 |
数学大講究室 (理学部棟E408) |
アブストラクト |
コンパクトRiemann対称空間$M$の部分集合$S$は、
その各点での点対称が$S$のすべての点を固定するときに対蹠集合(antipodal set)とよばれる。
$S$は有限集合であり、$M$の対蹠集合の元の個数の最大値を与える対蹠集合は大対蹠集合
(great antipodal set)とよばれる。
対称$R$空間$M$において、極大対蹠集合は大対蹠集合であり、
大対蹠集合同士は$M$の等長変換全体の単位連結成分の元の作用で写り合い、大対蹠集合はWeyl群の軌道になる。
これに対して対称$R$空間ではないコンパクトRiemann対称空間の極大対蹠集合はよくわかっているとは言えない。
本講演では、最近得られた古典型コンパクトLie群の商群および例外型
コンパクトLie群$G_2$の極大対蹠部分群の分類結果について述べる。
これらの多くの場合に大対蹠部分群ではない極大対蹠部分群が存在する。
本講演は田崎博之氏との共同研究に基づいている。 |
講演者(所属) |
仲田 均(慶応義塾大学理工学部数理科学科) |
タイトル |
How to find invariant measures for continued fraction maps |
日時 |
10月28日(水) 16:30〜17:30 |
場所 |
数学大講究室 (理学部棟E408) |
アブストラクト |
正則連分数展開係数の定常分布が dx/(log 2)(1+x) で与えられることはGauss に よって発見されたが、彼がどのようにしてそれを見つけたかは知られていない。 それについては多くの数学者が興味を持ち、例えば20世紀前半には Levy, Kuzmin, Doeblin 達はどのように関数 1/1+x が連分数の計算から導かれるかを「発見的」に 示している。一方、Veech は1970年代末に、彼らとは全く違う方法で同様な問題 を考え ている。この講演では、これら二つのアプローチをエルゴード理論における natural extension の構成問題の立場から考える。まず、hyperbolic な世界での議論、flat な世界での議論としてこれら二つの考え方が解釈できることを簡単に解説し、次に 最近のエルゴード理論の研究においてそれぞれが異なった方向へと発展している ことを 紹介する。 |
講演者(所属) |
内藤 聡 (東京工業大学理工学研究科数学専攻) |
タイトル |
対称 Macdonald 多項式とその特殊化 --- pseudoQLS パス
を通して --- |
日時 |
9月30日(水) 16:30〜17:30 |
場所 |
数学大講究室 (理学部棟E408) |
アブストラクト |
対称 Macdonald 多項式は、pseudo-quantum Lakshmibai-Seshadri (pseudoQLS) パスのある種の重み付き母関数として書き表される;この pseudoQLS パスの集合には、root operator (の一般化) によってアフィン・クリスタルの構造が入り、その "クリスタル・グラフ" は連結となる。この講演では、対称 Macdonald 多項式の幾つかの典型的な特殊化に、pseudoQLS パスによる上記の表示を通した解釈を与える。特に、対称 Macdonald 多項式の t = 0 での特殊化が、アフィン・リー環に付随する量子群上の extremalウエイト加群のある Demazure 部分加群の次数付き指標として (ある explicit な有限乗積の factor を moduloとして) 解釈できる事を説明する。 |
講演者(所属) |
池森俊文 (一橋大学大学院商学研究科 特任教授,
みずほ第一フィナンシャルテクノロジー(株)技術顧問) |
タイトル |
数学で金融を合理的に組み立てる−金融工学の概要− |
日時 |
6月10日(水) 15:00〜16:30
(15:00〜16:15 講演, 16:15〜16:30 質疑応答)
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場所 |
数学大講究室 (理学部棟E408) |
講演スライド |
(pdf file, 2.48 MB) |
アブストラクト |
前世紀半ばに米国の学界に登場し、後半に金融実務に波及した「数学によって金融を合理的に組み立てる手法」は、伝統的な金融機能を再定義したり、デリバティブ・証券化商品などの様々な新商品を開発したり、金融市場において合理的に価格形成がなされる基礎を築いたりすることによって、金融や経済の発展に大きな貢献をしてきましたが、2008年の金融危機(リーマンショック)では「過度な金融テクノロジーへの依存が金融システム崩壊の原因の一つとなった」として、世の中から厳しい批判を受けてしまいました。
今回の講演では、このような「数学を使って金融を合理的に組み立てる手法」を概観するとともに、2008年金融危機における批判を踏まえて、今後の金融工学の展望について考えるところを述べたいと思います。
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講演者(所属) |
森田 茂之 (東大数理,名誉教授) |
タイトル |
低次元トポロジーの謎
―曲面およびグラフの族の特性類―
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日時 |
5月7日(木) 16:30〜17:30 |
場所 |
数学大講究室 (理学部棟E408) |
アブストラクト |
写像類群とそれを自然に拡張するいくつかの群の研究から生じてきた,低次元トポロジーの謎について述べる.
グラフの族の特性類,曲面束の一般化であるホモロジーシリンダーの族の特性類,そして数論との関係に関する謎である.
これらの謎について,逆井卓也,鈴木正明両氏と進めている共同研究を紹介する.
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講演者(所属) |
岩渕 司 (大阪市立大学大学院理学研究科) |
タイトル |
臨界型Burgers方程式の時間大域解と漸近挙動 |
日時 |
4月15日(水) 16:30〜17:30 |
場所 |
数学大講究室 (理学部棟E408) |
アブストラクト |
粘性Burgers方程式の線形部分についてLaplacianを分数冪Laplacian \( (-\Delta)^{1/2}\)に置き換えた方程式を考え, 全空間において初期値問題を考察する.
通常の Laplacian を考えた場合, 初期値とGauss核を用いて解を具体的に書き下すCole-Hopf変換が知られており, 解が時間無限大においてGauss核に近づくことは比較的容易に確かめられる.
本講演では分数冪Laplacianを考えるため, 対応する積分方程式の解の一意的存在,漸近挙動を可積分空間(Lebesgue 空間)で関数解析的に扱うことは難しいと思われる.
本講演ではBesov空間を導入し, 解の一意的存在および漸近挙動を基本的な方法によって取り扱い, 解が時間無限大においてPoisson核に近づくことを示す.
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