集中講義(2011年度)

科目名 代数構造論特別講義Ⅰ・Ⅱ
日程 1月23日(月)~1月27日(金) 
談話会:1月25日(水) 16:30~17:30)  
講演者(所属) 落合 啓之(九州大学)
タイトル 旗多様体の軌道分解
場所 数学講究室(3040)
講義内容 旗多様体は等質空間であるが、部分群の作用によっても軌道が有限個になることがある。 古典的なボレル部分群によるブリューア分解、対称部分群による松木大島の分解や、 比較的 新しい3重旗多様体のMagyar-Weyman-Zelevinsky による軌道の記述などを、 一般線形群など を例にとって説明する。 群論の初歩や線形代数は仮定するが、リー環とルート系、ヤング図形 の組み合わせ論 などの知識はあらかじめ仮定しない。
科目名 数理解析学特別講義Ⅰ・Ⅱ
日程 6月6日(月)~6月10日(金)
談話会:6月8日(水) 16:30~17:30)
講演者(所属) 加須栄 篤(金沢大学)
タイトル 双曲空間へのグラフの埋め込み
場所 数学講究室(3040)
講義内容 ユークリッド空間あるいはノルム空間への有限距離空間の埋め込みに関する研究が近年盛んに行われている。 本講義では双曲空間をターゲットに選び、グラフの埋め込みについて論じる。

1) グラフの拡大定数、スペクトルギャップおよび有効抵抗

2) ユークリッド空間への有限グラフの埋め込み 

3) 双曲空間と双曲グラフ

4) 有限グラフの双曲空間への埋め込み

5) 無限グラフの双曲空間への埋め込み

科目名 数理科学E
日程 11月28日(月)~12月2日(金)
談話会:11月30日(水) 16:30~17:30)
講演者(所属) 小池 茂昭(埼玉大学)
タイトル 完全非線形楕円型方程式の$L^p$-粘性解理論入門
場所 数学講究室(3040)
講義内容 1980年代初頭に、M. G. CrandallとP.-L. Lionsが導入した粘性解の概念は、 非発散2階楕円型偏微分方程式の適切な弱解であることが知られている。 一方、 L. A. Caffarelliは、1989年に完全非線形2階一様楕円型偏微分方程式の粘性解の Schauder評価と$L^p$-評価を証明した。これは発散型方程式に対応する正則性理論であるが、 その方法は極めて独創的である。 その後、Caffarelli-Crandall-M. Kocan-A. Swiechは1996年に、 $L^p$-粘性解という概念を導入することで、Caffarelliの理論を整備した。 また、Caffarelli-X. Cabre による、Cafffarelliの理論の解説本も1994年に登場した。 本講義では、これらの文献をもとに、更に 理解しやすいように$L^p$-粘性解理論を解説する。 具体的には次のような内容を講義する。

1.粘性解$L^p$-粘性解の導入された動機とその定義

2.Aleksandrov-Bakelman-Pucciの最大値原理

3.強解の存在定理

4.弱Harnack不等式

5.弱Harnack不等式の応用・・・Holder連続性と局所最大値原理

6.強解ならば$L^p$-粘性解 ~Bonyの最大値原理の応用

7.ABP最大値原理の応用・・・$L^p$-粘性解が$W_{2,p}$に属せば、強解

8.$L^p$-正則性