集中講義(2014年度)

科目名 代数構造論特別講義Ⅰ・Ⅱ
日程 9月29日(月)~10月3日(金)
談話会:10月1日(水) 16:30~17:30)  
講演者(所属) 黒川 信重(東京工業大学)
タイトル ゼータ関数と多重三角関数から見た数論
場所 数学講究室(共通研究棟 3階 301)
講義内容 数論の中心的なテーマにゼータ関数の研究がある。素数定理の証明に見られるように、 ゼータ関数の基本的性質を確立することによって、 数論の深い結果が導き出される。 これは、フェルマー予想の証明(1995)や佐藤・テイト予想の証明(2011)でも同様である。 21世紀に入って、 ゼータ関数論は、これまでのゼータ関数とは全く違った様相の絶対ゼータ関数 の発見に到達して、多重三角関数や多重ガンマ関数と結びつくように なってきている。本講義では、 オイラーやリーマンの頃のゼータ関数論のやさしい話からはじめ、ゼータ関数の基本的性質の解説を経て、 多重ガンマ関数、 多重三角関数、絶対ゼータ関数へと概説したい。今回のテーマに関する参考書としては「黒川信重『現代三角関数論』岩波書店、2013年」 がわかりやすくまとまっているテキストである。
科目名 幾何構造論特別講義Ⅲ・Ⅳ
日程 7月14日(月)~7月18日(金)
談話会:7月16日(水) 16:30~17:30)
講演者(所属) 成瀬 弘(岡山大学)
タイトル シューベルト・カルキュラスの幾何と代数・組合せ論
場所 数学講究室(共通研究棟 3階 301)
講義内容 シューベルト・カルキュラスでは、グラスマン多様体などの 等質空間に関する幾何学的不変量を、 代数的手法により記述する ことが目的であるが、そこには種々の組合せ論的な対象が潜在 している。この講義では、 トーラス同変コホモロジーを考察 する際に自然に登場するExcited Young diagramという組合せ論 的な対象を中心に、 その幾何学的・代数的なつながりについて、 どのような思考過程を経ることで新しい視点や関連性を見出すことが できるかを具体的な計算例を通して丁寧に解説してゆく予定である。 キーワードとしては、シューア関数、特異点の重複度、 Yang-Baxter 関係式など。基本文献としてはBilley-Lakshmibaiの教科書を使うが、 そこには書かれていない事柄やK-理論への 一般化についても言及する。
科目名 応用解析学特別講義Ⅰ・Ⅱ
日程 7月28日(月~8月1日(金)
談話会:7月30日(水) 16:30~17:30)
講演者(所属) 石川 保志(愛媛大学)
タイトル ジャンプ型確率過程とその応用
場所 数学講究室(共通研究棟 3階 301)
講義内容 人間活動の活発化が背景にあるとみられる気候変動により、極端な現象(Black swan)が目につく様になりました。 このような飛躍のある偶然現象に対して、数学的興味のみでなく、ファイナンスや制御理論においても関心がよせられる ようになっています。 この講義では、ポアソン分布とポアソン過程から始めて、Levy過程とそれを用いた確率積分、マルチンゲール理論、 ジャンプ型確率微分方程式、確率解析(マリアバン解析)とその応用、について口述します。 ルベーグ積分の知識は既知とします。 講義ノートは講師のHP (http://www.math.sci.ehime-u.ac.jp/~ishikawa/) から1213-osa-03.pdfをダウンロードしてください。