2008年度 相対論・宇宙論分科会

Einstein

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今後の予定

・7月28, 29日 : 相対論・宇宙論分科会

運営方針

-- 根源への挑戦 --

この世界はどこから来たのか?宇宙はどのような姿をしており, どこへ向かっているのか?これらは人間が常に抱いてきた根源的な問いです. 人類はこれまでに様々な手法を通じて答えを求めようとしてきましたが, その中でも20世紀に入ってからの相対論・宇宙論の発展は人類に多大な知識をもたらしました.

近年, CMB揺らぎの精密な解析などにより, 宇宙年齢などの宇宙論パラメータ, 構造形成のシナリオなどが正確に分かるようになって来ました. 初期宇宙への取り組みは標準理論を超えた物理, そして時空が高次元であることをも示唆しています. LHCやPLANCKといった実験計画と共に, 我々の宇宙への理解は今後さらに深まることと期待されます.

しかし依然として多くの謎も残っています. 宇宙の大半を占める暗黒物質・暗黒エネルギーの正体, インフレーションの由来, 量子重力など, 未解決の問題は山積みです. 果たして今日までの物理の発展の延長線上に答えはあるのでしょうか?これまでに相対論・宇宙論がとってきたアプローチは正しかったのでしょうか?

このように我々は過去を見直す必要性と共に, 未来における大いなる進歩への予感を抱いています. その転換点に立つ若者にとって, 本分科会が大きな問題へ挑戦していく一つのきっかけとなる事を願っております. そのために招待講師をお招きし講演していただくと共に, 学生による研究発表を行い, 活発な議論の場を提供していきたく思います.

招待講演

石橋 明浩 さん (KEK)

講演日:7/28 12:00 - 13:00

題目:「高次元時空とブラックホール」

概要:

 『どうして僕らは4次元の宇宙に住んでいるのか?』という問は、 『宇宙はどのように誕生したのか?』などと同様, 極めて素朴であ りながら, 深淵なテーマだと思います. この様な問いに物理学とし て答えるため, 超弦理論に代表される, 高次元時空での力の統一が 様々な形で試みられてきました.

 その様な高次元統一理論には様々な種類のブラックホールが登場し, 理論の構築, 理論構造の理解, 物理的帰結の導出に重要な役割を果 たしています.

 最近ではブレーン宇宙という新しい時空モデルの登場にともない, 高次元ブラックホールは純粋に理論的対象から, 実態をもった物理 対象として現実宇宙に実在する可能性も研究されるようになって来 ました.

 本講演では, 高次元ブラックホール研究の最近の進展を紹介し, 高次元重力の多様性と4次元時空の特殊性を比較してみたいと思い ます. 時空について, そして冒頭に挙げた素朴な問について, 物理 学の観点から再考察してみるきっかけになればと思っています.

高田 昌広 さん (数物連携宇宙研究機構 HP)

講演日:7/29 9:00 - 10:00

題目:「観測的宇宙論の展望(個人的見解)」

概要:

 近年の観測的宇宙論では, WMAPに代表される様々な高精度観測データが得られており, 物理的な理論モデルと観測データの詳細な比較が可能になり, 精密宇宙論の時代が到来しつつあります. つまり, 物理法則に基づいた理論モデルを構築し, それと観測データを比較することで, 興味ある物理量/現象を引き出すことができるのです. このような時代こそ, より斬新な, より多角的な, 固定概念にとらわれないアイデアを持って, 様々な観測データと向き合い, 既定事実とされている仮定を注意深く検証することが望まれます. また, このような研究から大発見が生まれるかもしれません (私はもう固定概念にとらわれすぎかもしれませんが). この講演では, 私の思いつくかぎりで, 多角的な宇宙論研究の可能性について議論したいと思います.

川崎 雅裕 さん (宇宙線研究所 HP)

講演日:7/29 11:00 - 12:00

題目:「素粒子と宇宙」

概要:

 素粒子物理学の発展と宇宙論の発展は深く関わっている. 1980年代に誕生したインフレーション宇宙モデルの発明は素粒子の大統一理論が大きな役割を果たした. そこで, 本講演では素粒子と宇宙に関係したトピックスをいくつか取り上げそれについて, その歴史にふれながら解説していく.


一般講演

一般講演には, 口頭発表とポスター発表の2種類があります.

発表内容は, 相対論・宇宙論に関係していれば何でも構いません. また, 自分自身の研究成果だけでなく, レビュー講演でも構いません.

修士・博士課程を問わず大勢の皆様のご応募・ご参加をお待ちしています.

口頭発表

講演時間は1人あたり15分(発表12分 + 質疑応答3分)となっています.
(講演者の皆様各自のパソコンを会場のプロジェクターに 接続して発表していただきます. )


ポスター発表

「ポスター発表+口頭発表」では, ポスターの掲示と, 共通ポスターセッションにおける3分程度のポスター宣伝講演を 行っていただくことになります.

共通ポスターセッション講演では, 講演者の皆様各自のパソコンを用い, あるいは, 会場にて事務局で用意するパソコン(Windows; PowerPoint 2007, Mac; keynote 4.0.3) を用いて, 会場のプロジェクターに接続して発表していただきます. 事務局で用意するパソコンを使用する場合は, USB メモリ等でファイルをお持ちください.

1日目の共通ポスターセッションの講演者は同日19:30からの フリーポスターディスカッションで, 2日目の共通ポスターセッショ ン講演者は2日目19:00からのフリーポスターディスカッションで, 自分のポスター板の前に立ち, ポスターを見に来た人に 解説を行ってください.



プログラム

一般講演のアブストラクトはこちらの予稿集よりご覧ください (pdf ファイル, 約1MB)




招待講演・口頭発表

7/28 (2日目) : 9:00 〜 13:00 (4h)  場所 : 蓬莱(8階)
7/29 (3日目) : 9:00 〜 12:00 (3h)  場所 : 紫峰(2階)

招待講演・口頭発表 プログラムはこちらのページよりご覧ください




共通ポスターセッション

7/27 (1日目) : 15:08 〜 16:29   場所 : 紫峰(2階)
7/28 (2日目) : 14:00 〜 15:17   場所 : 白雲(3階)

共通ポスターセッション プログラムはこちらのページよりご覧ください
(一部時間が変更されていますので注意してください.)



座長

木村 匡志 (大阪市立大学 D2 HP)
新田 大輔 (東北大学 D2)
小林 洸 (東京大学 D1 HP)
山内 大介 (京都大学 D1 HP)
住吉 昌直 (京都大学 M2 HP)

連絡先

ss08cosmology<at>astr.tohoku.ac.jp

リンク

2008年 夏の学校
2007年 夏の学校 相対論・宇宙論分科会
2006年 夏の学校 相対論・宇宙論分科会
2005年 夏の学校 相対論・宇宙論分科会

更新履歴

4/16 : ホームページ公開
7/7 :「招待講演」,「一般講演」,「プログラム」, 更新
7/9 :「一般講演」,「プログラム」, 更新
7/10 :「プログラム」, 更新
7/13 :「プログラム」, 更新
7/17 :「招待講演」,「一般講演」,「プログラム」, 更新
7/19 :「招待講演」, 更新


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