特異点研究会が生まれた経緯
- 第1回の特異点研究会は 1999 年に東京工業大学で開かれました。
当時、東京工業大学には細谷暁夫(当時教授)、石原秀樹(当時助教授)、岡村隆(当時研究員)らが在籍していました。また、慶応義塾大学には古池達彦(当時助手)、中村康二(当時助手)が、早稲田大学には原田知広(当時研究員)、前田健吾(当時研究員)らがいて、東京工業大学と密接な研究関係を保っており、日本における相対論研究の東の中心地と言える状況でした。
一方、京都大学には基礎物理学研究所に小玉英雄(当時教授)、石橋明浩(当時研究員)、谷本真幸(当時研究員、第5回招待講師)らが、天体核研究室に中尾憲一(当時助手)、椎野克(当時研究員)、井田大輔(当時大学院生)、井口英雄(当時大学院生)らがおり、相対論研究の西の中心地と言えました。
このような状況で、双方のグループがじっくりと交流して議論する機会をつくることを目的として企画されました。
1999年7月21日〜23日に小玉英雄が東京工業大学において「時空特異点」と題して集中講義をおこないました。それに時期をあわせて、週末の7月24日〜25日に特異点研究会が続けて開かれました。招待講演は小玉英雄がおこないました。そのトークスライドが残っています。
このように、日本の東と西の相対論研究の中心地が相互の交流と発展を意図してはじめられたのが特異点研究会です。
特異点研究会の継続が決まった経緯
- 第2回の特異点研究会は小玉英雄が中心になり、京都大学の基礎物理学研究所の研究会としておこなわれました。そのときの「基研研究会提案書」の一部をリンク先に掲載します。
この研究会の後に「親睦会として意義がある」という小玉英雄の意見により、 継続して開催することが決まりました。
特異点研究会の方針として議論を重視するため、外国人参加者が講演するときは英語でおこないますが、日本人の講演は原則日本語でおこなっています。
近年は参加者が多くなり、当初のように十分議論の時間をとれないという問題も生じています。
過去の特異点研究会
回数 | 開催期間 | 開催地 | 世話人(代表) | HP |
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第01回 | 2000年07月24日〜25日 | 東京工業大学 | 前田 健吾 | サーキュラー |
第02回 | 2000年08月23日〜25日 | 京都大学 | 小玉 英雄 | サーキュラー 報告書(素粒子論研究に掲載) |
第03回 | 2002年01月28日〜30日 | 大阪市立大学 | 中尾 憲一 | サーキュラー |
第04回 | 2003年01月13日〜15日 | 東京工業大学 | 椎野 克 | サーキュラー |
第05回 | 2003年12月19日〜21日 | 慶應義塾大学 | 古池 達彦 | サーキュラー |
第06回 | 2005年01月28日〜30日 | 大同工業大学 | 斉田 浩見 | サーキュラー |
第07回 | 2006年01月07日〜09日 | 日本大学 | 井口 英雄 | プログラム |
第08回 | 2007年01月06日〜08日 | 学習院大学 | 井田 大輔 | 第8回特異点研究会 |
第09回 | 2008年01月12日~14日 | 立教大学 | 原田 知広 | 第9回特異点研究会 |
第10回 | 2009年01月10日〜12日 | 高エネルギー加速器研究機構 | 石橋 明浩 | プログラム |
第11回 | 2010年01月09日〜11日 | 芝浦工業大学 | 前田 健吾 | プログラム |
第12回 | 2011年01月08日〜10日 | 神奈川工科大学 | 栗田 泰生 | プログラム |
第13回 | 2011年12月23日〜25日 | 国立天文台 | 中村 康二 | プログラム |
第14回 | 2013年01月12日〜14日 | 大阪経済法科大学 | 森澤 理之 | プログラム |
第15回 | 2014年01月11日〜13日 | 茨城大学 | 富沢 真也 | プログラム |
第16回 | 2015年01月10日~12日 | 名古屋大学 | 柳 哲文 | プログラム |
第17回 | 2016年01月09日〜11日 | 慶応義塾大学 | 村田 佳樹 | 第17回特異点研究会 |
第18回 | 2016年12月27日〜29日 | 立教大学 | 原田 知広 | 第18回特異点研究会 |
第19回 | 2017年12月28日~30日 | 大阪市立大学 | 吉野 裕高 | 第19回特異点研究会 |
第20回 | 2019年01月12日〜14日 | 九州大学 西新プラザ | 棚橋 典大 | 第20回特異点研究会 |
第21回 | 2019年12月26日~28日 | カレッジプラザ 講堂 | 宮本 雲平 | 第21回特異点研究会 |
海外での共同開催
- 2006年3月4日〜8日にかけてインドの Tata Institute of Fundamental Research において、特異点研究会の世話人、特に中尾憲一が中心になり、かねてから研究交流のあった P. S. Joshi 教授らと共同で
- Workshop and discussion meeting on black holes, spacetime singularities and cosmic censorship (プログラム)
を開催しました。