過去のセミナー情報(2003年度)


日時 :2月27日(金) 16:30〜
場所 :大阪市立大学理学部 第5講義室
題目 :Non-Linear Field Equation from Boundary State Formalism
講演者 :大西 拓 氏(大阪大学)

概要 :本研究では、boundary string field theoryの厳密な構成を目標として、 例として、定数の2形式背景場をもつtype II超弦理論を考え、 D-brane上のゲージ場とworld-sheetとの相互作用を記述するboundary stateを構成 し、 そのphysical state conditionから導かれる運動方程式を調べた。 上記のboundary stateを構成する際に、2次元場の理論の短距離発散を point-splittingの操作で正則化したことにより、ゲージ場の従う運動方程式が 非線形になる。今の場合、低エネルギー極限でその非線形な運動方程式が、 非可換ゲージ理論の方程式に帰着する事が確かめられた。
日時 :2月17日(火) 16:30〜
場所 :大阪市立大学理学部 第10講義室
題目 :GUT with anomalous U(1) suggests heterotic M-theory?
講演者 :前川 展祐 氏(京都大学)

概要 :超弦理論の有効理論の中によく現れる異常U(1)ゲージ対称性を用いると大統一理論の大きな問題である、doublet-triplet splitting 問題を自然に解くだけでなく、ニュートリノの大きな混合角を含めたクォーク、レプトンの現実的な質量行列を得ることができることは、驚くべきことです。更 に、非アーベルホリゾンタル対称性を導入すれば、3世代のクォーク、レプトンをたった一つか二つの場に統一しつつ、現実的な質量行列を得ることができるだ けでなく、特に統一群として例外郡であるE6を採用すれば、超対称性理論の大きな問題であるSUSY flavor 問題をも同時に解決できることは、注目に値します。結果として得られた、E6*SU(3) or E6*SU(2)というゲージ群は、より高次元のE8群に統一されるべきことは容易に想像されること、また、異常U(1)大統一理論では、一般的に cutoffスケールがPlanckスケールより、小さくなることを考慮すると、この理論はへテロティックM理論を示唆している、ということを伝えること を目的とします。
日時 :2月3日(火) 16:30〜
場所 :大阪市立大学理学部 第10講義室
題目 :PP-Wave Holography for Dp-Brane Backgrounds
講演者 :浅野 雅子 氏(京都大学)

概要 :高い超対称性を持つ4次元U(N)ゲージ理論は、ある種の超弦理論(超重力理論と双対の関係にあることが知られている。この関係は、5次元時空上の弦理 論の振幅と4次元のゲージ理論の相関関数との間に関係を与える「ホログラフィー」的な対応となっている。ここでは、この対応をより広いクラスに適用する一 般的な方法を提唱し、それに基づき、弦理論の振幅の計算から、(p+1)次元ゲージ理論の相関関数に対する予想を与える。具体的には、Dp-brane背 景時空(p<5)の中の超弦理論に対してある種のWick回転を行い、(horizon近傍領域の)境界上の2点を結ぶ光的測地線の周りで理論を展 開し、2点間の散乱振幅を求める方法を与える。そして、その振幅が境界上の(p+1)次元ゲージ理論のある種の演算子の2点関数を与えるという予想に基づ き、 ゲージ理論の性質を議論する。

  • 日時 :1月20日(火) 16:30〜
    場所 :大阪市立大学理学部 第10講義室
    題目 :Rolling tachyon solution in string field theories
    講演者 :藤田麻沙子 氏(京都大学)
    概要:不安定な D-brane の崩壊を表す rolling tachyon solution は open-closed duality などの様々な興味深い物理に発展している。 我々は弦の場の理論、特に vacuum string field theory (VSFT) と呼ばれる非摂動論的真空周りの弦の場の理論の古典解として、 rolling tachyon 解を構成し、その性質を調べた。