大阪市立大学

原子核理論研究室


ハドロン物理

「先生はどんな研究をしているのですか?」
この文章は原子核理論研究室のことを知りたい学生さんに、
私のテーマを紹介するために 話していることをまとめたものです。


ハドロンという名前は、陽子や中性子の仲間からなる「バリオン」と呼ばれる粒子と、 π中間子の仲間からなる「メソン」と呼ばれる粒子を併せた総称です。 ハドロンにはさまざまな種類の粒子があり、 陽子や中性子のように原子核を構成するという役割だけでなく、 それぞれのハドロンがお互いに力を及ぼしながら極微の世界を作り上げています。

ハドロンが真の素粒子ではないことはクォークが登場するよりもかなり昔から認識されていました。 現在では、ハドロンはクォークとグルーオンによる複合粒子であり、クォークやグルーオンが 量子色力学と呼ばれるゲージ理論に従うことを誰もが受け入れています。

しかし、ハドロンとクォーク・グルーオンとの関係は、量子色力学をもってしてもすっきりと説明できる わけではありません。 陽子と電子が電磁気力で結びついた水素原子のように、「クォークが集まるとハドロンになる」、 と直感的に考えるかもしれません。 確かに、ハドロンはクォークとグルーオンがなければできないのですが、 その構造は原子や分子ほど単純なものではありません。

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