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研究内容

 「ものをどんどん砕いていったら最後にはどうなるのだろう?」という疑問を誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか?その疑問の追求は、例えば、(1)物質については、分子→原子→電子と原子核、原子核→ハドロン→クォークの構造の解明につながりました。(2) 一方、力がはたらく本質は、力を伝える粒子がキャッチボールのように交換されていることが解明されました。(3) そして、2012年に、質量の起源である「ヒッグス粒子」が発見されました。 

 これ以上分解することのできない粒子は「素粒子」と呼ばれます。現時点で、素粒子は「(1) 物質の素粒子」、「(2) 力の素粒子」、「(3) 質量を生み出す素粒子」に分類されることが実験で確かめられています。この3つのカテゴリーの素粒子理論は、素粒子の標準模型と呼ばれます。標準模型は、現時点の数100 GeV以下のほぼ全ての実験結果を再現する 最も基本的な物理理論です。 

 しかしながら、標準模型には「何故、クォーク・レプトンには、量子数が全く 同じで質量だけが異なる 3 回のコピー (世代) が存在するのか?」、「何故、ニュートリノの質量は、他のクォーク・レプトンに比べて遥かに小さいのか?」、「何故、陽子と電子の電荷の絶対値は21桁以上の精度で等しいのか?」、「何故、我々の宇宙では物質が反物質に比べて多いのか?」、「宇宙観測から存在すべき暗黒物質が含まれていない」、「ヒッグス粒子が質量を生み出すメカニズムの根本原理がわかっていない(そもそもヒッグス粒子はそれ以上分解できない素粒子かもわかっていない)」などの大いなる謎があります。 

 これらの謎は、標準模型の背後に、標準模型を超える、より基本的な物理理論が存在することを強く示唆するとともに、その物理理論を探る重要な鍵でもあります。本研究室では、高エネルギー実験や宇宙観測(面白いことに素粒子の研究は宇宙の研究につながっています!)実験結果を常に考慮して、大統一理論、超対称理論、余剰次元理論、その他新しい理論の構築などにより、標準模型を超える新しい物理の解明に取り組んでいます。