
3-7.Tcl/TkGRASS
第6回目の講義です.今回はGRASSの利用レベルで紹介したグラフィカルユーザーインターフェースの1つであるTcl/TkGRASSについて説明します.これを用いるとGRASSの各種コマンドがマウスで操作できて便利です.
実習では,講義で説明したTcl/TkGRASSを用いて,第2回実習のLeicsのチュートリアルAの一部を操作を行なってみます.
Tcl/Tkとは,
Tool Command LanguageとTool Kitの2つの部分からなる言語で,Unixで開発され,現在はWindowsでも用いられいます.Tcl/Tkの説明は,http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/4137/jane.html
等に詳細に記述されていますので参照して下さい.GRASSもこのTcl/TkをGUIに利用できるようにしたものがあり,Tcl/TkGRASSと呼ばれています.Tcl/TkGRASSもGRASS本体と同様に,バージョンアップが行なわれており,現在はversion2.9です.
Tcl/TkGRASSの歴史は,
http://wgrass.media.osaka-cu.ac.jp/grassh/tcltkgrass/tclgrass_history.html
にあります.興味のある方はご覧下さい.
Tcl/TkGRASSはGRASSのLinuxバイナリーの中にすでに含まれています.したがって,多くの方はそのまま動作します.ただし,Tcl/Tkのバージョンが8.0以上であることが必要です.詳細は実習の方を参照して下さい.
Tcl/TkGRASSを起動するためには,まずGRASSを立ち上げます(古いバージョンでは,GRASSを立ち上げなくても良かったものもあります).以下に起動と終了の方法を示します.
まず,GRASSを目的のLOCATION,MAPSETで通常通りに起動します
grass5.0beta6 ↓ (↓は,Enter(リターンキー)を押すことを意味します)
(GRASSの起動画面が表示されるので,LOCATION,MAPSET,DATABASEを指定します)
GRASSのプロンプトが表示された状態で,
tcltkgrass & ↓
と入力することによりTcl/TkGRASSが起動します(
& を忘れないで下さい).X-Window上に次のようなTcl/TkGRASSのコントロールパネル(メインメニュー)が表示されます.

ウィンドウマネージャによりメニュー画面の上側の表示が異なります.上記はKDEで,下記はFVWMでの画面です.これ以降の説明では上記のKDEを利用しています.

表示された各メニューをマウスでクリックすることにより利用します.また,同時に通常のGRASSコマンドもキーボードから利用可能です.Tcl/TkGRASSでサポートされてないコマンドや,慣れた操作はコマンドモードで行なう方が早い場合も多いです.
Tcl/TkGRASSを終了するには,右端にある「Quit」を押します.終了時に,

と表示されますので,設定を保存するときは,□ save configをチェックしてください.また,全てのモニターを閉じる場合は,□ stop all X monitorsもチェックしてください.OKボタンを押すと,Tcl/TkGRASSは終了しますが,GRASS自身はまだ動作しています.GRASSを終了する場合は,これも通常通り,
exit ↓
と入力して下さい.
TclTkGRASSでは,GRASSの機能を12種類に分けています.なお,実際は本来のGRASSが動作しているため,特に新しい機能があるわけではありません(場合により,動作が不完全なものもあります).また,重複している機能もあります.コマンド画面は,閉じずにおいておくことも可能です.良く利用するd.eraseやd.rastコマンドなどは,あけたままにしておくと便利です.
主に次のような機能があります.メインメニューの中で,Configをクリックします.
・モニターのスタート,ストップ,選択(メニュー;Monitors)
・ウィンドウのコントロール(Module Windows)
・起動時のモニターの設定・表示フォントの変更(Option)
・設定の保存(Save config)
Configのメニュー.
主に次のような機能があります.メインメニューの中で,Mapをクリックします.
・各形式のファイルリストの表示(List)
・各形式のファイルの管理(コピー(Copy),名前の変更(Rename),削除(Remove))
・利用するMAPSETの変更(Change mapset access)
・画像グループの管理(Image Group)
Mapのメニュー.
主に次のような機能があります.メインメニューの中で,Regionをクリックします.
・モニター領域のズームやパン(ZOOM,PAN)
・現在の領域設定の表示(Display region settings)
・デフォルト領域への再設定(Select default region)
Regionのメニュー.
主に次のような機能があります.メインメニューの中で,Displayをクリックします.
・モニターのスタート,ストップ,選択(Monitor)(Configと同機能)
・各種情報の表示(RasterやVectorなどに同様の機能があります)
・マップのタイトルや文字の表示など(Text)
・カラーテーブルや凡例表示,グリッド(格子線)の作成,ヒストグラムの表示(Graphics)
・画面の削除(Erase display frame)
Displayのメニュー.
主に次のような機能があります.メインメニューの中で,Rasterをクリックします.
・ラスターマップの各種表示(Display)
・ラスターマップの各種解析(Analyse map)
・ベクトルへの変換(Extract vector map)
・サポートファイルの編集,再分類,演算など(Develop map)
Displayのメニュー.
主に次のような機能があります.メインメニューの中で,Vectorをクリックします.
・ベクターマップの各種表示(Display)
・ベクターマップの各種解析(Analyse map)
・ベクターからラスター・サイトへの変換(Convert map)
・サポートファイルの編集,再分類,演算など(Develop map)
Vectorのメニュー.
主に次のような機能があります.メインメニューの中で,Siteをクリックします.
・サイトマップの各種表示(Display)
・サイト情報のマウスによる検索(Query with mouse)
・サイト情報の補間によるラスター作成(クリッギング等)(Interpolation)
Siteのメニュー.
主に次のような機能があります.メインメニューの中で,Imageをクリックします.
・画像のグルーピング(Create/edit imagery group)
・位置合わせのためのGCPを用いた画像の回転・移動など(Rectification)
・マトリックスオペレータを用いた画像のフィルタリング処理など(Image filtering)
Imageのメニュー.
主に次のような機能があります.メインメニューの中で,Importをクリックします.
・GIFやTIFF画像などのラスター化(Raster map)
・Arc/info形式のベクトルファイルの変換・入力(Vector map)
Importのメニュー.
主に次のような機能があります.メインメニューの中で,Exportをクリックします.
・ラスターファイルからTIFF画像の変換・出力(Raster map)
・ベクトルファイルからDXF形式やArc/info形式への変換・出力(Vector map)
Exportのメニュー.
主に次のような機能があります.メインメニューの中で,MapCreatingをクリックします.
・プリンターへの各種出力(MapCreating;Paint driver)
・ポストスクリプト形式ファイルへの各種出力(MapCreating;Postscript driver)
MapCreatingのメニュー.
主に次のような機能があります.メインメニューの中で,Helpをクリックします.
・マニュアルの表示(Manual pages)
・TcltkGRASSの簡単な説明(Help)
Helpのメニュー.
Tcl/TkGRASS(GUIにTcl/Tk)
機能別メニュー.
・環境設定[Config]
・地図管理[Map]
・地域管理[Region]
・表示関係[Display]
・ラスター型データ関係[Raster]
・ベクトル型データ関係[Vector]
・サイト型データ関係[Site]
・画像関係[Image]
・地図情報の変換入力[Import]
・地図情報の変換出力[Export]
・ハードコピー出力関係[MapCreating]
・ヘルプ[Help]
(以上,第6回講義)
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