大阪市立大学・大学院理学研究科・細胞機能学研究室 マイコプラズマグループ

運動超分子マシナリーが織りなす調和と多様性

私たちの研究グループの全てをここに記載しました.
内容は5つのカテゴリーに別れています.
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細目へのリンク,すなわち,上で言えば
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が出来ます.適宜更新中です.(宮田真人)

All around us, Mycoplasma group are
introduced here, in five categories.
If you click the items listed in the left frame,
the links to detailed items will be listed in
this frame. The detailed items will be opened by a click. Updating accordingly. (Makoto MIYATA)

マイコ研究へようこそ

皆さんは"理系の研究室"というものは研究テーマ以外はどこも同じようなものと思っているかも知れません.もちろん共通点も多いですが,逆に各研究室で異なることもたくさんあります.なぜなら,この世の社会一般にあてはまることですが,研究室も"人"でできているからです.むしろ,"大学の研究室"は,研究を生業(なりわい)とする人(教員)が研究を遂行するために設けている場と考えた方が近いです.ですから,研究室に入るときには,そこで選択できる研究テーマと同様かそれ以上に,そこの先生が研究や教育にかんしてどんな考えを持っているかを知ることが重要です.国政選挙で新聞社などが行うように,全国の先生方に同じ質問をしてその答えをならべたら興味深いものが出来ると,私は思うのですが,一律を嫌うのが宿命(?)の大学教員が相手ではたぶん不可能です.せめて私だけでも,いろんな考えを説明しますので,研究室選びの参考にしてください.もちろん,細胞機能学研究室のもうひとつのグループである分裂酵母グループと共通の部分は多いと思います.
これまでに質問されたことを思い出してその多くに答えているつもりですが,さらにわからないことがあればなんでも質問してください.

宮田真人

研究室の日々

難しい論理や最先端の斬新な発想を理解して,
365日,マイコプラズマ滑走運動にかんする楽しい研究を行って,
良好な人間関係を築きながら,
大発見を行って,
学会や共同研究でスーパースマートな人たちと英語で議論して,
手間のかかる,実験のデータ整理とやり直しをくり返して,
何回も書き直させられながら英語で論文を書いて,
すばらしい雑誌で論文を発表します.
これらをとおしてあらゆることに応用できる,高い研究能力を身につけます.

研究室の特徴

Open, Clear, Effectiveが身上です.皆さんが想像する,あるいはテレビで見るような,あるいは本で読むような,すごくインテリジェントでかっこいい研究室,そのものです.きれいで広くて見晴らしがよく,さらにセンスよく片付いています.

  1. 教授は実験室にいて,いつでもそれぞれのメンバーと議論しており,理不尽は一切ありません.
  2. ロボットを使って自動化する,新しい方法を用いる,整理整頓する,などで,効率化をはかっています.
  3. 実験機器や人間関係などのトラブルは積極的に解決しています
  4. 毎日11-19時は英語しかしゃべってはいけない時間にして,またメンバーに英語しか話せない人を置くなどして,学会や将来に備えています.英語で話してみることは英作文能力の向上にもつながります.
  5. 学会発表,論文紹介,論文作成,実験,などの門外不出の秘伝書があります.
  6. 週に1回,実験方法や方針を確認しあう,Strategy meetingを行っています.
  7. 学内外,分野の距離を問わず他との学問交流を推進しています.多くの場合,修士1年生の夏が学会発表デビューになります.
  8. 毎月のように学外の有名研究者が交流に来ます.友人>ゲストブックを参照してください.
  9. 研究室そのものも,いろんな背景のメンバーが研究者が集う,知の楽園です.
  10. 学会発表をアピールするため,バッジ,名刺,模型,プリクラなど,よその研究室が使わないものも積極的に用いています.
  11. 雑誌での論文発表を常に念頭に置いています.学会発表は研究を論文にまとめるための重要なステップです.
  12. 論文投稿時には,合格を祈願して,”アクセプトのダンス”を踊ります.
  13. 一般誌(ネーチャー,サイエンス,アメリカ科学アカデミー紀要など)に積極的に論文を投稿して,実績を得ています.
  14. 賞に積極的に応募して,実績を得ています.
  15. いろんな奨学金に積極的に応募して,実績を得ています.

現在の研究について

1997年にマイコプラズマ滑走運動の研究を始めて以来,多くの方々に興味を持っていただきました.これまでに,その期待にも少しは答えることが出来たと自負しています.それは,論文発表,総説,学会発表,マスコミ報道,その他にも現れています.現在の研究は,多くの事実が明らかになって,ちょうど佳境に入ったところです.ある他大学の先生は,「こんなおいしい研究はない」と評してくれました.数年前から,次の段階へ踏み込むため,急速凍結レプリカ電子顕微鏡観察,電子線トモグラフィー,結晶化,一分子計測,遺伝子操作,などの新しい実験方法に挑戦してきましたが,いづれも現在実を結びつつあります.論文作成もその過程を根本的に見直したために数年前より格段に速くなりました.さらにありがたいことに,私が代表として提案した,新学術領域「運動超分子マシナリーが織りなす調和と多様性」が文部科学省の大型プロジェクトとして採択され,2012年からスタートしました.このことにより,以前からの夢だった研究の多くが現実のものとなりつつあります.詳しくは,左フレームにリンクのある,「運動超分子マシナリーが織りなす調和と多様性」のサイトを見てください.

研究テーマ選択

研究テーマ選択でその研究の評価の大半が決まってしまいます.よいテーマなら,「こんなことをしようと思っています」と説明しただけで褒めてもらえますし,逆につまらないテーマなら,完璧に仕上げても,「ふ~ん,よ~やったね~(いやみっぽい節回しで).」で終わらされてしまいます.少ない労力で,確実に成功して,ノーベル賞がもらえるテーマが理想ですが,それを見つけるのは容易ではありません.私は,以下のような,"テーマ選択指数"を考えました.研究者の人生は,「テーマ設定を究める修行」とも言えます.

"X"=f2 x f3 / f1
f2=F(f1/f3)

X: そのテーマの選択指数
f1: 必要な労力,日数,費用
f2: 重要性+新規性
f3: 実現の可能性

研究テーマのような重要なことが,半ば与えられる形で決まるのは,学生の皆さんには少し気の毒なことでもありますが,少なくとも私たちの分野では致し方ありません.私はせめて,研究室に来てしばらくいろんなことを勉強して議論を行った後にいっしょにテーマを考えることにしています.ただ,もちろん,研究を重ねるうちによりよいテーマへと修正されることもよくありますし,そのこと自体が研究かも知れません.
私たちの研究が,多くの一般学術雑誌や,総説や,マスコミや,学会でとりあげられて来たことは,これまでのテーマ選択が間違っていないことを意味しています.多くの場合,皆さんは研究を始めて約1年後に学会デビューすることになりますが,その時に自分の研究テーマに対する外部の評価を知ることになるでしょう.

進路

アカデミアとは,研究テーマを自分で選択できる立場(大学教員など)で研究をする仕事のことです.研究室での生業(なりわい)はアカデミアで生きていくための訓練が基本になっていますし,学生の皆さんが著明な研究者になれば,私にとってそれほど嬉しいことはありません.しかしアカデミアに進むには,それなりの覚悟と,場合によっては犠牲が必要です.また,応用研究や,研究そのもの以外の仕事にやりがいを見いだす場合もあるでしょう.いずれにせよ,自分でよく考えて決めて,大学の研究室で学んだことをもとにさらに研鑽を積んで,立派な人になって下さい.
私は,アカデミア以外で勝負しようと考えている人も,できれば,博士後期課程に進学して欲しいです.その理由は,(1) 学位取得まで研究した人たちが,いろんな分野で活躍するようになれば,日本社会の仕組みが改善されると考えられる.(2) "論文博士"という制度は日本固有のもので,近い将来になくなってしまう.そうなると,会社で研究能力を発揮しようにも,学位のないことが将来の障壁になる可能性がある.(3) 私たちの研究は,現在,滅多に出会えないようないいところに来ているため,究めずに卒業してしまうのはもったいない.(4) 当大学で今年度からはじまった制度により,後期博士課程の授業料が奨学金として補填されるようになった.

実際に進路を探す場合には,研究活動をつうじて培った能力を評価してもらってください.日頃から努力を重ねて研究能力が得られていれば,はじめてあった人にもある程度わかるものです.業種で言うと,生物学科と同じで,食品・飲料,製薬,化学業界,医療品業界,化粧品・生活用品,ソフトウエア・情報処理、教育・出版などに実績があります.アカデミアへ進むことを希望する人には,私の経験や人脈を活かしたお手伝いが可能です.

応用研究

私たちの研究は,誰も調べたことのない,マイコプラズマの滑走運動のメカニズム,言いかえると,滑走装置という生体分子で出来た小さな機械の仕組みを明らかにすることにあります.それによって,人類の"小さな機械"全般に対する理解が進展することを目標にしています.しかし,私たちの研究がいろんな応用研究の基礎になる可能性はありますし,私自身は応用研究にも興味があります.以下に可能性をあげます.(1) マイコプラズマの滑走運動は,マイコプラズマの寄生性にかかわっているため,研究がマイコプラズマ性疾患の予防や治療につながる.(2) マイコプラズマ滑走運動の"あし"であるシアル酸結合タンパク質は,これまでに調べられたものとは大きく異なる.そのため,私たちの研究がインフルエンザをはじめ多くの病原因子にかかわっている'シアル酸結合'の理解につながる.(3) マイコプラズマの滑走装置を応用して運動素子(アクチュエーター)をつくることができる.実際にその試みは共同研究により一定の成果を得ている.

見返り

がんばって研究をして結果を残せば,現金な形で見返りがありますし,それを励みにすることも正しいと私は思います.日本学生支援機構の第一種奨学金(修士過程 月額88,000円,博士課程 月額122,000円)は,基本的には貸与ですが,研究成果に応じて返還が免除されます.後期博士課程に進学する場合は,研究成果と研究計画が評価されれば,日本学術振興会から特別研究員としての身分と給与(月額200,000円)が与えられます.それ以外にも,最近はいろんな学会で学生を対象とした表彰制度があります.
さらに金銭面に限定しなければ,あこがれの会社から内定が次々にもらえるとか,国際学会でかっこよく発表してモテモテになるとか,あげればきりがありません.

拘束時間

週3回のセミナー,後期の生物理学,適宜に行われるセミナーや講習,もよう替え,そうじ,などが避けられない拘束時間です.毎日最低でも10-20時くらいは研究室にいてその間は目の色を変えて研究しているのが当たり前,と私は思っていますが,結果さえ出せば,それさえ守る必要はありません.世の中一般に,超一流の研究者の全員が,土日もなく24時間研究しているというわけでも必ずしもありません.ただ,「この人がもっと研究室にいれば結果も出るのに,残念だな」と,研究室で思うことはよくあります.
教育実習や旅行なども,事前に相談してもらえれば行っていただいて全く問題ありません.就職活動も必要でしょう.しかし,修士で卒業する場合には,人生の中でたった3年間の,'世界最高峰の基礎研究を行うことが出来る時間'を代償に払っていることをよく認識すべきです.以前,有名大学の理系というだけで無条件に就職できていたことには疑問を感じていました.しかし,逆に企業と学生の双方がリクルート産業に牛耳られて,長期間の就職(採用)活動をやらされる現在の状況も正しくはないでしょう.ごく近いうちにこの状況は改善されると思います.

卒業の条件

修士号や博士号は,主査の教授と副主査の数名の教員が責任を持って認めるものです.私が主査として認めるためには以下を必須条件とします.学部卒業の場合は,「特別研究」の単位認定に必要です.これら以外にも学科として課している必要条件がありますが,それは以下に含まれています.

1) 学部卒業

卒論発表,卒業論文
授業,「生物物理学(or 生物理学,or(旧)分子生物学)」の単位
卒論発表の内容での学会デビュー

2) 修士修了

修論発表,修士論文
論文投稿
口頭発表を含む3回の学会発表
学内セミナー,発表会での質問

3) 博士号取得

中間報告会発表,公聴会発表,博士論文
2報の主論文(JBAC など)
1報の副論文
国際学会(IOM, BLAST など)か生体運動合同班会議での口頭発表
10回の学会発表
学内セミナー,発表会での質問
学会での質問