開催日: |
平成30年(2018年)1月17日(水)15:45~18:00 |
場所: |
大阪市立大学 理学部E棟 数学大講究室(E408) | |
|
共催: |
理学研究科FD委員会.大阪市立大学数学研究所(OCAMI) |
| |
|
|
|
|
平成29年度理学研究科長裁量経費からの助成による
教育推進関係事業「学生の自主的研究活動支援と諸分野に関わる新たな数学・数理科学教育」
(代表 大仁田義裕)
の事業の一環として,理学研究科主催(理学研究科FD委員会・数学研究所共催)のFD研修会を開催します。
尚、本FD研修会は,平成20年度に、当時の理学研究科長・今吉洋一先生のリードで開催された数学科主催の
理学研究科FD研修会
「現代理学において数学はどのように使われるか?」
に始まり,
平成21年度教育支援経費(代表・大仁田)事業による理学研究科FD研修会
「数学・物理への『ときめき』を育てる授業のためのFD研修会」,
平成22年度教育支援経費(代表・大仁田)事業による理学研究科FD研修会
「新たな大学院教育の展開のためのFD研修会 -数理情報と地球科学-」
,
平成23年度戦略的教育経費(代表・大仁田)事業による理学研究科FD研修会
「新たな大学院教育の展開のためのFD研修会 ― 数値解析と量子コンピュータ ―」
,
平成24年度教育推進本部経費(代表・大仁田)事業による理学研究科FD研修会
「新たな大学院教育の展開のためのFD研修会 ― 図形科学と数学的オープンソース ―」
,
平成25年度教育推進本部経費(代表・大仁田)事業による理学研究科FD研修会
「新たな大学院教育の展開のためのFD研修会 ― 動物行動学と非線形解析 ―」
,
平成26年度教育推進本部経費(代表・大仁田)事業による理学研究科FD研修会
「新たな大学院教育の展開のためのFD研修会 ― 空間情報科学と応用数学・統計教育 ―」
,
平成27年度教育推進本部経費(代表・大仁田)事業による理学研究科FD研修会
「新たな大学院教育の展開のためのFD研修会 ― 理学のグローバル教育 ―」
,
平成28年度理学研究科長裁量経費助成による理学研究科FD研修会
「新たな大学院教育の展開のためのFD研修会 ― 経済学,社会科学 と 数学 ―」
,
に続く第10回です。
|
|
|
|
プログラム (講演タイトル,スライド): |
|
15:45 開会 |
|
15:50~16:50 |
松岡 千博 先生
(大阪市立大学工学研究科教授&数学研究所学内連携研究所員)
|
講演タイトル: 非可積分方程式と厳密解ーストレンジアトラクターの解析的表現ー
|
講演アブストラクト:
解が1つの独立変数(物理的に云うと時間)によって表される方程式系を力学系と呼ぶ。
力学系の中には線形系と非線形系があり、非線形系はさらに、可積分系と非可積分系に分類される。
前者には積分多様体が存在して、一般に解は解析関数で表現できるが、後者には積分多様体が存在せず、
解軌道はカオティックなものとなる。非可積分方程式の代表的なものとして、
ナヴィエ・ストークス方程式から空間変化を取り去って力学系とし、
さらにそれを離散化した、エノン写像と呼ばれるものがあり、乱流の解析に用いられてきた。
この写像の解集合はエノンアトラクターと呼ばれるストレンジ(カオス)アトラクターを持つことが知られている。
このストレンジアトラクターは微分できないフラクタル集合だが、
本研究でこれを解析的に記述する整関数が存在することを紹介し、
さらに、この関数を使って、実験数学的にエノンアトラクターを計算機上にビジュアライズする。
講演では、この関数を使った統計量(エントロピー等)の計算や物理的応用についても触れる。
|
|
|
17:00~18:00 |
松下 泰雄 先生
(滋賀県立大学名誉教授&大阪市立大学数学研究所員)
|
講演タイトル:
工学部・工学研究科における応用数学について --- デルタ関数と変分法を例として ---
|
講演アブストラクト:
デルタ関数は,フーリエ解析やラプラス変換の中で,イメージ的な定義で導入されることが多い.
1930年前後にディラックの量子力学において導入された「デルタ関数」を使うことによって,
通常の微分ができない関数でも微分が可能となった.それは「積分によって微分を定義」することである.
不連続な電流などを扱っていた電気工学者達は,シュワルツの超関数の理論の登場の前,すでに20年ほど使いこなしていたのです.
しかしながら,現在の大学の講義では,デルタ関数はフーリエ解析やラプラス変換の中だけで登場する単なる「部品」のような扱われ方をしている.
微分可能な関数の対象が広がったことを説く教科書はほとんど見当たらない.
「積分によって微分を定義」することから,不連続関数の微分も可能となることをまず数学として説く.
デルタ関数は,単なる部品ではなく,微分の適用範囲が格段に広がったところで,フーリエ解析や
ラプラス変換の理論を考えることによって,それらの理論のパワーが格段に増強されるという考え方に立って欲しいと思う.
これは1例ですが,「変分法」も応用数学の教育という観点からは日陰に追いやられているものの1つだと思う.
そのことを「デルタ関数」とからめて,しかも材料力学の「梁の形状の問題」
を例として,工学研究科における応用数学についての一考として話をしたいと思う.
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
連絡先: |
大仁田 義裕 |
|
〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138 |
|
大阪市立大学 理学研究科 数学研究所(OCAMI) |
|
TEL: 06-6605-2617 (研究室)/3103(OCAMI事務室) |
|
e-mail: ohnita@sci.osaka-cu.ac.jp |
|
(全角@を半角に変更して下さい) | |
|
| |
|
|
製作 まるこ
Last updated on
20/December/2017 |