院生談話会(2021年度)

院生談話会(言わば,院生の院生による院生のための談話会)を開催することになりました。
通常の談話会はレベルが高く,また,先生がいると萎縮して自由に質問ができないのではないかと思い, 出席者は院生のみにしました。 これを通して,院生同士の分野を越えた交流を深めていきたいと思います。

院生談話会運営委員:
D3 Luis Pedro Castellanos Moscoso(caste3.1416[AT]gmail.com)
D2 甲斐 大貴(d20sa006[AT]vt.osaka-cu.ac.jp)


Zoomでの参加をご希望の方は、数学研究所事務室(ocami[AT]sci.osaka-cu.ac.jp)までご連絡ください。
日時 2021年12月2日(木) 14:00~15:30
講演者(所属) 近藤 裕司(広島大学大学院理学研究科D3)
タイトル リー群上の左不変リーマン計量および左不変擬リーマン計量入門
場所 大阪市立大学(杉本キャンパス)理学部F棟中講究室 (F415)・オンライン(Zoom)
アブストラクト 可微分多様体に対して、リーマン計量および擬リーマン計量という概念がある. これらは微分幾何学において重要な概念の1つであり, 多様体上の各点での曲がり具合を記述するものである. これらの計量に関して, 「与えられた可微分多様体上に, 特別なリーマン計量・擬リーマン計量が存在するかどうか」という問いは興味深いものである. しかしこれは一般には難しい問いである.
したがって上記の問いを考えるモデルとして, 可微分多様体に群構造を加えたリー群という空間を考える. リー群に対しては, リーマン計量・擬リーマン計量の一種である, 左不変リーマン計量・左不変擬リーマン計量という概念がある. これらの左不変計量はリー群の群構造と適合するようなものであり, リー群上の計量を考える際によく扱うものである. 上記の問いをリー群のクラスで定式化し直すと, 「与えられたリー群上に特別な左不変リーマン計量・左不変擬リーマン計量が存在するかどうか」という問いになる. この問いについて様々な研究がなされ, 活発に調べられている. 本講演では, 諸概念の定義などを述べながらこの問いを定式化し, 先行研究を紹介した後, 最後に講演者によるある特定のリー群についての主結果を紹介する.
日時 2021年12月2日(木) 15:45~16:45
講演者(所属) 川又 将大(広島大学大学院理学研究科D3)
タイトル 外微分式系を用いた微分方程式論と一般化されたモンジュ・アンペール方程式
場所 大阪市立大学(杉本キャンパス)理学部F棟中講究室 (F415)・オンライン(Zoom)
アブストラクト 微分方程式は数学の様々な分野に現れ,古くから研究されてきた重要な対象である.そのため,現在に至るまで様々な研究手法が考案されてきているが,その中でも外微分式系とよばれる代数学的・幾何学的対象を用いた研究が近年盛んに行われている.一方で,微分方程式の中でも重要な対象としてモンジュ・アンペール方程式とよばれる 2 階偏微分方程式のクラスがある.この方程式のクラスは外微分式系との間に”よい対応”があることが知られており,この対応を用いた様々な研究が行われている.しかし,モンジュ・アンペール方程式に含まれない微分方程式についてはこの対応を用いることはできず,直接的に解析することは困難になる場合が多い.本講演では,外微分式系と微分方程式の対応,および我々が定義した一般化されたモンジュ・アンペール方程式の性質について解説する.
最終更新日: 2021年11月18日