数物系専攻

自然界の真理を探究する。

 今日まで、数学の発展に寄与してきた多くの数学者は、数学の真理性、整合性に美意識を抱いており、その美意識が、新しい数学を創造する原動力となってきました。多くの教員と親しく接する中で、学問的な雰囲気を感じながら自然に現代数学の最先端に触れることができます。

 物理学は自然科学の中でも基本的な位置を占める学問であり、数学や他の自然科学及び工学等の諸科学と互いに強く影響しあいながら発展し続けています。物理学は、それ自身の学問体系としてはもとより、哲学・思想面から実用的応用に至るまで、人類の活動全般に深く浸透しています。数物系専攻では、最先端の研究環境のもと、社会に貢献できる専門家を育成します。

最先端の研究に触れる、5つの大講座。

 数物系には、数理構造論、数理解析学、基礎物理学、宇宙・高エネルギー物理学、物性物理学の5つの大講座があり、54名の教員が質の高い教育を行っています。大学院生は教員が行っている最先端の研究にも参加することができ、将来の研究者を育てる土壌が整っています。その中には海外で行われている研究もあり、院生には海外で研究する機会も与えられています。

数物系専攻の教育理念・教育目標

教育理念:
 数学および物理学は全ての自然科学の基礎である。そのような普遍性を今後も保持する必要がある一方で、急激な変化を起こす我々の社会において、さらに数学と物理学は広がりと深みを増しつつ重要となるであろう。本専攻では、数学および物理学の教育を通じて、自由な学問的雰囲気の中、知ることへの憧れ、考えることの楽しさ、問題解決の喜びを大切にして、物事の本質を見極め、自由で独創的な発想ができ、自らが理解したことを正確に分かりやすく表現できる人材の育成を目指す。
教育目標:
 前期博士課程では、鋭い問題意識と解決能力をもち、先端科学・技術の発展と応用展開を推進できる研究者・高度専門的職業人を育成する。これらの人材は、中高教員などの教育職、各省庁、地方公共団体および民間企業における研究開発の中核として活躍することが期待される。
 後期博士課程では、最先端科学の研究課題を先導的に推進し、世界にはばたく研究者・高度専門的職業人を養成する。これらの人材は、大学、高専、国公立や民間の研究機関および企業の研究開発の中で、基礎および応用研究をリードする研究者、世界を舞台に活躍できる人材となることが期待される。

数物系専攻の学位論文審査の評価基準

修士課程(前期博士課程):
[数学分野]
・学位審査論文の内容は、学術的価値を有し、研究分野の発展に資するものであること。
・学位審査論文及び修士論文発表会において研究テーマにかかわる従来の研究を系統的かつ適切に説明できること。
[物理分野]
・学位審査論文の内容が学術的価値を有し、研究分野の発展に資するものであること。
・研究内容を系統的かつ適切に説明できる能力を有すること。
博士課程(後期博士課程):
[数学分野]
・学位審査論文の内容は、高度な学術的価値を有し、研究分野の発展に資するものであること。
・学位審査論文の主要部分を含む学術論文が、査読付き国際学術誌に掲載あるいは受理されていること。
・国際的な研究活動を行うために十分な語学力を有していること。
[物理分野]
・学位審査論文の内容が国際的に高度な学術的価値を有し、研究分野の発展に資するものであること。
・学位申請者が研究の遂行に十分な学力、専門能力、語学能力を有すること。