2013年
数学や理科の好きな高校生や予備校生の皆さんに、数学や理科にさらに興味を持ってもらえるように企画した「高校生のための市大授業」です。大学の授業や大学の教室・実験室がどんなものなのか、進学を希望する大学の中を知っていただきたく、本学杉本キャンパスで行います。平成16年春から始まった市大授業も今回で16回目となります。日程は4月29日(月・祝)です。
理学部市大授業と同日・同キャンパス1号館で、文学部市大授業も開催します。詳しくは、 http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/sj/をご覧ください。
日時:2013年4月29日(月・祝)
前半 午後1時00分〜午後2時10分(以下から1つの授業を選択)
“数”とその“加法・乗法”
数学科 准教授 河田 成人(定員150名、講義)
みなさんは今までに、数(整数、有理数、実数、複素数など)とその加法・乗法を習ってきたことでしょう。では
1×1=1、 1×0=0、 1+0=1、 1+1=0
(a, b)+(x, y)=(a+x, b+y)、 (a, b)×(x, y)=(ax+by, ay+bx)
という計算を見てどのように感じますか?今回の市大授業では、「自ら“数”を作り、改めて“加法・乗法”のルールを決める」という立場から、いつもとは違う数の風景を眺めてもらいたいと思います。みなさんの馴染み深い「連立方程式」や「2次方程式」から始めて分かりやすく説明していきます。
プロフィール
学歴 | 大阪大学理学部数学科卒業、大阪市立大学大学院理学研究科前 期博士課程修了、理学博士 |
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職歴 | 大阪市立大学理学部助手、講師を経て、大阪市立大学大学院理学 研究科 准教授 |
専門分野 | 代数学 |
化学で考える化合物と生体の応答
化学科 教授 品田哲郎(定員150名、講義)
私たちのまわりには数多くの化合物が存在しています。今回の授業では、どのような化合物が私たちの体に吸収・蓄積されやすいのか、また、体内に入った化合物はどうなるのかについて考えてみます。一見、難しいと思えるのですが、生体や物質の成り立ちを基礎から考える「化学」の視点で眺めると、なるほど!と納得してもらえるのではないでしょうか。
プロフィール
学歴 | 摂南大学薬学部卒、神戸女子薬科大学大学院薬学研究科修士課程修了、神戸女子薬科大学大学院薬学研究科後期博士課程修了、博士(薬学) |
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職歴 | テキサスA&M大学化学科博士客員研究員、財団法人サントリー生物有機科学研究所博士客員研究員、大阪市立大学理学研究科・理学部 講師、准教授を経て2012年より教授 |
専門分野 | 生物有機科学、天然物化学 |
地球内部における水の大循環
地球学科 准教授 栗谷 豪(定員150名、講義)
「水の循環」と聞くと、海や陸から蒸発した水が上空で雲となり、やがて雨や雪となって地表に戻るという、地球表層部での循環を思い浮かべる人がほとんどでしょう。しかし、水は地球の内部でも大規模に循環しており、例えば日本海溝などから地球の内部に入り込んだ海水は、その後何億年もの時間をかけて深部を移動して、ハワイやアイスランドなどの火山からマグマとともに地表に戻ってくる、というサイクルが存在します。この授業では、地球の水の起源や、地球内部の水循環の様子とその仕組みについて、分かりやすく説明します。
プロフィール
学歴 | 東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科修士課程修了、同大学院理学系研究 科博士課程修了、理学博士 |
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職歴 | 岡山大学地球物質科学研究センター研究員、東北大学大学院理学研究科助教などを経て、2011年4月より大阪市立大学大学院理学研究科准教授 |
専門分野 | 火成岩岩石学,地球化学 |
後半 午後2時40分〜午後3時50分(以下から1つの授業を選択)
超低温で見える量子の世界
物理学科 准教授 矢野英雄(定員150名、講義)
一見、温度と量子の世界は、関係ないように見えます。しかし、熱ゆらぎの陰に隠れる量子の世界は、温度を下げると突然顔を出します。粘性がなくなる超流動や、金属の電気抵抗がゼロになる超伝導は、絶対零度に近い超低温で初めて見える量子の世界です。授業では、温度をキー ワードに量子の世界に迫ります。超流動や超伝導は位相のそろった量子凝縮相です。温度を下げて量子凝縮相が現れるとき、位相に欠陥が生まれます。これは宇宙創成のシナリオとも関係する物理の概念で、超流動の位相欠陥である量子渦の最近の研究も紹介します。
プロフィール
学歴 | 名古屋大学大学院理学研究科修士課程修了、博士課程単位取得退学、理学博士 |
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職歴 | 東京大学助手、大阪市立大学講師を経て、同大学院理学研究科准教授 |
専門分野 | 超低温物理学 |
真菌学 -ヒトの暮らしからみた-
生物学科 准教授 藤田憲一(定員150名、講義)
真菌は、カビやキノコのことであり、動物や植物と同じ真核生物に属しています。真菌細胞は堅い細胞壁に覆われていますが、細胞壁の組成は植物とは全く異なっています。真菌の多くは菌糸と呼ばれる糸状に長く伸びた多核細胞で増殖し、栄養がなくなれば、そこで胞子を作り、空気中に拡散させます。空気中にはたくさんの胞子が飛んでいるため、条件が整えば、地球上のどこででも旺盛に生育します。授業では、まず、カビの生態に触れ、抗生物質や発酵食品などヒトの暮らしに有用なものを作り出すカビを紹介します。一方、細菌と同じようにヒトに感染症を引き起こすカビもあり、その治療薬の開発についてもお話しします。
プロフィール
学歴 | 大阪市立大学理学部生物学科卒業、大阪市立大学大学院理学研究科前期博士課程修了、 大阪市立大学大学院理学研究科後期博士課程修了、博士(理学) |
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職歴 | 大阪市立大学 助手、講師、助教授を経て、2007年より大学院理学研究科准教授 |
専門分野 | 微生物化学、生物系薬学 |