2021年

数学や理科の好きな高校生や予備校生の皆さんに、数学や理科にさらに興味を持ってもらえるように企画した「高校生の ための市大授業」です。平成16年春から始まった市大授業も今回で24回目となりました。大学の授業の雰囲気を知っていただく機会になれば幸いです。例年 は本学杉本キャンパスで行ってきましたが、今年は新型コロナウィルスの状況を考慮し、オンラインで開催します。日程は4月29日(木・祝)です。

お申し込みは こちらから

同日同時刻になりますが、文学部市大授業も開催します。詳しくは、 http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/lit/kouken/sj.html をご覧ください。



                                                                                                             ち らしファイル(PDF)を見る



日時:2021年4月29日(木・祝)

午前 理1: 10:00-11:00, 理2: 11:10-12:10

理1: 対数とベンフォードの法則

写真

数学科 教授  伊師 英之 (定員450名)

 たとえば 2,4,8,16,32,… のような等比数列について、下一桁が周期的な振る舞いをすることは簡単にわかりますが、本当に面白い法則は上一桁にあります。はじめの100項のうち、上 一桁が1になるもの、2になるもの、…の個数を数えると見えてくるものがあるはずです。ベンフォードの法則とよばれるそのような現象を紹介します。

プロフィール
学歴 茨城県立水戸第一高校卒業,京都大学理学部中退(大学院進学のため),京都大学大学院理学研究科博士前期課程・後期課程終了,理学博士
職歴 日本学術振興会特別研究員(DC2),横浜市立大学理学部助手,名古屋大学大学院多元数理科学研究科准教授,2019年10月より大阪市立大学大学院理学研究科教授
専門分野 非可換調和解析
理2: 生命現象を化学のことばで理解する

写真 

化学科 准教授  臼杵 克之助 (定員450名)

 生物がつくりだす有機化合物には、他の生物から自己を守る時に毒物質として、あるい は生物間で情報を相互に伝達するための物質として、はたらくものがあります。この授業では、ごく微量でさまざまな生命現象に関与している鍵物質をいかにし て純粋に抽出し、その化学構造を決定するかについて、基礎的なことがらをいくつかの実例を交えてご説明し、それらの鍵物質が関与している生命現象のしくみ についてもお話ししようと思います。

プロフィール
学歴 東京大学理学部化学科卒業、東京大学大学院理学系研究科化学専攻修士課程・博士課程修了、博士(理学)
職歴 大阪市立大学理学部助手・講師を経て、2011年より大阪市立大学大学院理学研究科准教授 この間1994年〜1996年米国カンザス大学博士研究員
専門分野 天然物有機化学、生物有機化学

午後 理3: 13:00-14:00, 理4: 14:10-15:10, 理5: 15:20-16:20

理3: X線回折法と分光法を用いた鉱物の研究

写真

地球学科 准教授  篠田 圭司 (定員450名)

 鉱物は天然で形成し一定の化学組成の結晶質固体を指します。鉱物を研究することで様々 な地球科学的な知見が得られます。鉱物の研究法の一つにX線回折法があります。X線回折法を用いると、肉眼では鑑定の難しい鉱物の種類を決めたり、結晶の 方位を決めることができます。この授業ではX線回折法の紹介と、赤外分光法を用いた鉱物中の“水”の研究例、メスバウアー分光法を使った鉱物中の鉄の研究 例を紹介します。

プロフィール
学歴 京都大学理学部地質学鉱物学教室卒業、京都大学大学院理学研究科博士課程中退、博士(理学)
職歴 大阪市立大学理学部助手・講師を経て、平成19年より大阪市立大学大学院理学研究科准教授
専門分野 鉱物学
理4: 素粒子の世界から宇宙を理解する?

写真

物理学科 教授  中野 英一 (定員450名)

 皆さんは「素粒子」は聞いたことがあると思いますが、素粒子は生物や星を形作ってい る物質の大元です。実はこの素粒子にもいろいろな種類があります。素粒子やそれらの間に働く力の起源を探ろうとすると宇宙の成り立ちが見えてきます。一見 すると不思議ですが、そこに素粒子物理学の面白さがあります。素粒子の世界と我々の世界との繋がりも交えて、最新の実験結果とともにお話します。


プロフィール
学歴 名古屋大学理学部物理学科卒業、名古屋大学大学院理学研究科博士課程修了、博士(理学)
職歴 日本学術振興会特別研究員(名古屋大学)、大阪市立大学理学部助手、講師、准教授を経て
2019年より大阪市立大学大学院理学研究科教授
専門分野 素粒子実験物理学
理5: 根も葉もない植物のはなし

生物学科 教授  山田 敏弘 (定員450名)

 維管束植物は、根と茎と葉からなる体を持っています。また、種子植物は種子を持ちま す。ところが、約4億年前の維管束植物は、それらの器官を持っておらず、体は二又に分かれる茎と、その先に付く胞子嚢だけからできていました。つまり、植 物の歴史の中で根・葉・種子が進化したことになります。この授業では、化石のデータを交えながら、根・葉・種子の進化過程や、それに関わった遺伝子を紹介 します。

プロフィール
学歴 京都大学理学部地質学鉱物学教室卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、博士(理学)
職歴 国立科学博物館 地学研究部 研究官、金沢大学 理工研究域講師・准教授を経て2018年より大阪市立大学大学院理学研究科教授および同附属植物園園長
専門分野 古植物学,  進化形態学