量子力学の枠組み


量子力学は,原子レベルの現象を統計的に記述する.
用いるのはユニタリ行列の数学である.
すなわち,おのおのの過程に対してユニタリ行列の成分である複素数を割り当てる.
これを振幅とよぶ.
すると,ひとつの行または列について振幅の絶対値の2乗の総和は1に等しい.
そこで,振幅の絶対値の2乗が何かの確率として解釈されることになる.

ユニタリ行列の成分は,
  エルミート内積をもつ2つの複素ベクトル空間,
  その間のユニタリ作用素,
  おのおのの正規直交基底
によって与えられる.
0でないベクトルを状態,直交性を排反性と解釈すれば,
振幅の絶対値の2乗はある状態からある状態に移行する確率とみなせる.

ユニタリ行列の数学の内容はブラ/ケット記号の規則におおかた含まれているので,
これに慣れると便利である.

ユニタリ行列の無限小変化は反エルミート行列で書け,
これはエルミート二次形式に対応する.
とくに時間発展に対応するのがハミルトニアンである.

エルミート二次形式は正規直交基底により対角化される.
エルミート二次形式を物理量,
固有ベクトルとそれに対する固有値を
状態とその状態において物理量のとる値と解釈すると,
長さ1のべクトルにおいてエルミート二次形式のとる値は
その状態において物理量のとる値の期待値とみなせる.

生成/消滅演算子の作用するベクトル空間上の量子力学が場の量子論である.
これは正準交換関係を通して古典力学につながる.


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