大阪市立大学

原子核理論研究室


ハドロン物理

ハドロンをクォークの束縛状態と仮定する模型、つまり構成クォーク模型は ハドロン物理の研究現場で頻繁に用いられてきました。 バリオンを三つのクォークの束縛状態、メソンをクォークとその反粒子の束縛状態と考える ことは、原子核の構造をそのまま写したような簡潔なイメージです。 それでも、 具体的な計算が容易で、ハドロンの構造を理解するために重宝で分かり易い模型でした。

しかし研究が進むにつれ綻びを見せ始めます。 構成クォーク模型では説明できないことがあるのです。 そもそもバリオンは三つのクォークだけでできているわけではないのですから、 構成クォーク模型を使い続けていて、どこかで上手く行かなくなっても 仕方ないことです。

それならばクォークの数を増やしたらどうでしょう? それは同時に計算の難しさを飛躍的に増大させることでもあります。 とはいえ、最近の研究の進歩で、5個のクォークの束縛状態について計算ができるそうです(すごい!)。 ただ、その結果は…、クォークを増やせばよいというわけではない、ということです。
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