研究概要

ご存知の方も多いと思いますが、数理物理学という言葉は、縦糸に相当する物理学の伝統的な分類には通常用いられません。理論物理学全体にまたがる広範な方法論、横糸としての役割を指す言葉です。

当基礎物理学講座数理物理研究室では、相対論的場の量子論を基盤とする研究を、自然界の究極的法則の探索から生まれた紐理論の発展の文脈で、主として行っています。量子力学・統計力学・解析力学・電磁気学・一般相対論に習熟 していることが、我々の行っている研究に不可欠であることは言うまでもあり ません。

それに加えて近年の我々の研究においては、微分形式・ファイバー束等の古典的な幾何・トポロジー及びリー代数・リーマン面の理論物理学研究者としての理解が、重要な役割を果たしました。近年の研究成果の代表的なものとしては、 11次元超重力・M 理論の特別なホロノミー群を持つコンパクト化における計量テンソルの構成、N = 1 超対称ゲージ理論プレポテンシャルのリーマン面・可積分系からの導出、タイプ I 紐理論を具現する行列模型の提唱等が挙げられます。

また我々の興味のアンテナは紐理論以外の広く物理学全般にも向けられており、 凝縮系における巨視的トンネル現象に関する研究や、可解格子模型・1次元量子スピン系に関する研究を、過去に行いました。 今後もさらに広い視野にたち、この方面での考察も進めて行くつもりです。