私たちの研究室は、 櫻木弘之(副学長)、
緒方一介(准教授)、
佐藤弘一(特任講師)、
千葉陽平(特任助教)を中心とする
原子核反応・構造の研究と、有馬正樹(准教授) を中心とする
ハドロン物理の研究を行っています。
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原子核とは
身の回りのすべての物は、「原子」 という小さな粒子 (直径:〜数Å) の集まりです。
それぞれの原子は、「原子核」 が複数の電子をクーロン力で束縛することによりできています。
原子核は、その大きさが原子の更に1万分の1以下(直径が約100兆分の1b以下)という、気の遠くなるような極微の物体ですが、
実はこの原子核が、原子の質量のほとんど(99.999%以上)を担っています。
この原子核は「陽子」 と 「中性子」 の集合体であり、その陽子や中性子の組み合わせによって、
私たちに身近な水素や酸素、鉄、鉛、あるいは普段は目にしないウラン、ネプツニウムなど、様々な元素の原子核が
形作られています。自然界に存在する原子核は約250種類ですが、人工的に合成されたものも含めると、
現在までに3000種類以上の原子核の存在が確認されています。
我々の研究室では、それぞれの原子核の内部構造や原子核どうしの反応、そして
原子核を構成する陽子や中性子の内部構造について理論的研究を行っています。
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原子核反応・構造
原子核は、100兆分の1b以下の極めて小さな領域に陽子や中性子が数個〜数百個集まってできた「量子多体系」で、
実に様々な形状や運動様式を示します。これら原子核の形状や内部構造、運動様式などを研究するのが
「原子核構造の研究」のです。
また、原子核同士を衝突させることにより、様々な原子核反応が起こります。
しかし、人間の目には見えない「極微の世界」である原子核の性質を調べるためには「原子核に"何か"をぶつけて、
その反応を調べる実験」を行い、何が起こっているのかを「理論的に分析する」必要があります。
具体的には、電子や陽子、種々の原子核等の粒子を加速器で高エネルギーに加速して、
調べたい原子核に衝突させ、散乱や反応によって放出されてくる粒子の種類やエネルギー、速度などを精密に
測定することによって、直接眼には見えない極微の世界を調べることができます。
これが 「原子核反応の研究」です。
しかし実験をしただけでは「何が見えているのか」、「どんな核反応が起こっているのか」は分かりません。
それには実験結果を予測したり分析したりする「知恵の眼」(核反応理論)が必要となります。
詳しい内容は (詳しくはこちら)
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ハドロン物理
陽子や中性子には沢山の仲間がいて、それらはまとめて 「ハドロン」 と呼ばれています。
ハドロンは本当の意味での素粒子ではなくクォークとグルーオンからなる構造をもつ粒子ですが、
我々が実験を通してみることのできる最小の粒子であることも事実です。
そして、ハドロンの性質を知ることは原子核を知ることの基本となり、さらにはクォークとグルーオンが
従う量子色力学の理解にもつながる興味深い研究対象です。
私たちは、中間子場が形作るソリトンが陽子や中性子のもとになる、という スキルム模型 に着目し
ハドロンの性質を調べています (詳しくはこちら)。
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Professor T. H. R. Skyrme (1922-1987)
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