研究紹介:温度応答性高分子PNIPAM

PNIPAM(プニパム)ってなあに? 3. PNIPAMの変化と速度

tartgeticon 容器の中に水とプニパムが入っているよ。
室温(20℃くらい)では、プニパムは親水性(水になじむ)を示しているよ。

tartgeticon

myicon 見た目は完全に水ですね。

tartgeticon そうだね。
これを温めて、32℃を超えると…。

tartgeticon

myicon わあ、白く濁りました!

tartgeticon 温度が上がると、プニパムは疎水性(水になじまない)を示すようになるんだ。
プニパムの中の水が押し出され、一瞬にして縮むんだ。
そして、すぐに縮んだプニパム同士がくっついていくんだよ。

tartgeticon これを冷ますと…。

tartgeticon

myicon 元に戻りました!

tartgeticon 温度が下がると、プニパムの親水性が元に戻り、プニパムに水が戻ってきて、
くっついていたプニパム同士は離れていくんだ。
そして、また水と同じ見た目になるんだよ。

myicon プニパムって面白いですね!
一瞬で変化するんですね!

tartgeticon そうだね。
その一瞬の時間を測ることができるよ。

myicon えっ、測れるんですか?

tartgeticon レーザーを使って、温度応答の速度を測るシステムを開発したんだよ。
これは他の研究室にはない、世界で初めてのシステムだよ。

myicon 凄いですね!

トラッピ博士のメモ帳

tartgeticon PNIPAMの合成レシピを変えて親水性と疎水性のバランスを変えたり、
他の高分子と合成したりと、試行錯誤しています。応答温度や速度を制御するためです。
現在、すでに様々な分野で活用されているPNIPAMですが、
温度応答や速度を自由に操ることができれば、活躍の幅がもっと広がることでしょう。

(C) 2018 M. Yoshioka
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