研究紹介:光ピンセット

光ピンセットってなあに? 5. できないこと

tartgeticon でもね、光ピンセットも万能ではないんだよ。

myicon え、どういうことですか、博士?

tartgeticon 例えば、マイクロメートル(μm)サイズの赤血球(約8 μm)は捕まえられるけど、
もっと小さいウイルスやDNAといったナノメートル(nm)サイズの物は、
普通の光ピンセットでは難しいんだ。

myicon どうしてですか?
光圧は小さい物も捕まえられるんじゃなかったんですか?

tartgeticon 実は、光圧は、捕まえる対象物の大きさに比例するんだ。
大きい物ほど光圧が働いて、小さいものほど働きにくいんだよ。

myicon もっと光圧を上げればいいんじゃないですか?

tartgeticon 光圧を上げるには、レーザーの強さを上げたり、もっと光を絞ったりすればいいんだけどね。
強すぎるレーザーは細胞などが壊れてしまうし、光を絞るのにも限界があるんだよ。

myicon そうだったんですか。
じゃあ、ウイルスやDNAを捕まえるには、どうすればいいんですか?

tartgeticon 光圧だけでは限界があるから、捕まえるのを手伝ってくれるアイテムや装置を開発しよう、
という研究が盛んに行われているんだ。私も新しい光ピンセットの開発をしているんだよ。

myicon 博士! ぼくもお手伝いします!

(C) 2018 M. Yoshioka
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