談話会(2019年度)

日時 2019年12月4日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 小池 貴之(大阪市立大学)
タイトル K3曲面の貼り合わせ構成
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
概要 本講演では, 近年上原崇人氏との共同研究によって得られたK3曲面の構成法を紹介する. この構成は, 射影平面の適切な$9$点爆発二つの, それぞれの適切な部分多様体に沿っての``連結和''による構成であり, この意味では位相的には古典的に知られた手法である. 一方でその``連結和'', 即ち適切な閉部分多様体近傍の補集合同士の貼り合わせは複素解析的な方法を以てして実行可能であり, その結果得られるK3曲面の例の内部構造 (複素平面の正則はめこみ像の存在やLevi平坦実超曲面の存在など) に言及が可能となっている点が新しいといえる. またこの例では周期写像の非常に具体的な計算の実行も可能となっているので, 時間が許せばその点にも触れたい.
日時 2019年11月20日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 荒川知幸(京都大学数理解析研究所)
タイトル 4D/2D対応と表現論
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
概要 最近物理学において発見された4D/2D対応は、 N=2超対称性を持つ4次元の超共型場理論の不変量としてアフィンリー環の表現などの表現論的対象を構成する。 さらに、このように構成される表現論的対象と、もとの4次元理論の幾何学的不変量との間に 顕著な双対性が存在することが予言されている。 本講演では数学的な視点から、 4D/2D対応が予想する表現論的対象と幾何学的対象との双対性についてお話ししたい。
日時 2019年10月16日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 伊師英之(大阪市立大学/JST さきがけ)
タイトル 行列積分とコレスキ分解
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
概要 正定値実対称行列全体のなす集合は凸錐をなし、半直線の自然な多次元化として数学の彼方此方に現れる。 とくに半直線上のガンマ積分公式は、この凸錐上ではジーゲル積分公式として一般化され、それは 数理統計(Wishart)・解析数論(Siegel)・偏微分方程式(Garding)といった分野で重要な役割を演じた。 その後 Gindikin は線型リー群が推移的に作用する一般の等質錐に対してジーゲル積分公式を拡張した一方、 数理統計においては、特定の成分がゼロであるような対称行列の集合に対して類似の積分公式が利用されてきた。 本講演では、両者を統合する枠組みとして正定値実対称行列のコレスキ分解に着目し、対称行列からなるベクトル空間が ある非結合的な積について閉じているとき、それに付随する凸錐上で積分公式が成立することを紹介する。
日時 2019年9月25日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 上田哲生(京都大学理学研究科)
タイトル 正則写像の放物型不動点の構造について
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
概要 正則写像の放物型不動点の繊細な構造を描写する Ecalle-Voronin の理論を概観する.
放物型不動点の近傍を覆う2つの領域をとり,それぞれの領域の上で写像の線形化を 与えるファトウ座標を定めることができる.そして2つのファトウ座標の間の変換式に よって放物型不動点は内在的に特徴づけることができる.
逆にこのような変換式を与えると,それに対応した放物型不動点をもつ写像を構成する ことができることが知られている.ここでは,この結果のケーベの一意化定理に基いた 新しい証明を述べる.
日時 2019年5月29日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) J. Scott Carter (University of South Alabama / OCAMI, Osaka City University / George Washington University)
タイトル Diagrammatic Algebra
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
概要 This talk is based upon on-going work with Seiichi Kamada. We will begin with the abstract tensor definition of the Jones Polynomial, and discuss it from a categorical perspective. The main idea there is that the category of tangles is the free braided tortile category on one self dual object generator. Then we turn to play with algebraic structures and to give them categorical descriptions.
Our main result for this talk is a new interpretation of a result that has been mostly understood since the early 1990s. A multi-category that two objects, a reflexive weakly invertible $1$-arrow, whose triple arrows satisfy some mild conditions, coincides with the multi-category of surfaces that are smoothly and properly embedded in $3$-space.
日時 2019年4月24日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 橋本光靖(大阪市立大学)
タイトル 不変式環の環論的性質
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
概要 可換環論がホモロジー代数的な観点から独立した分野として急速に成長した1970年代から、 不変式環の環論的性質がそのような観点から Hochster, 渡辺敬一などによって調べられはじめ、 可換環論、不変式論両方にとって重要な問題であり続けてきた。本講演ではこれらの歴史を 振り返り、不変式環とフロベニウス写像を用いて定義される正標数の特異点に関する 講演者を含む研究者による結果を紹介する。
日時 2019年4月17日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 山名俊介(大阪市立大学)
タイトル モジュラー形式を様々な角度から
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
概要 モジュラー形式とは対称空間上の強い対称性を持つ複素解析関数である. 一見解析的なものであるが、アーベル多様体のモジュライ空間のベクトル束の切断と考えることもでき, 豊かな代数的幾何的構造も持っている. 算術的に興味深い数列の生成関数がモジュラー形式であったり, Hasse-Weil L関数などの幾何的なL関数はモジュラー形式のL関数に結び付いた場合のみ解析的性質が証明される. それらの研究は多面的であり, 代数・幾何・解析の様々な手法が援用され, 多様な分野が交錯する. 本講演ではモジュラー形式の導入から初めて, 色々な例を取り上げつつモジュラー形式の理論や応用を概観し, 最後に講演者の最近の研究テーマに予定である.
最終更新日: 2019年11月 29日