談話会(2016年度)

日時 2017年2月8日(水) 16:30~17:30
講演者(所属) 山中 仁(大阪市立大学数学研究所)
タイトル トーラス不変モース函数をめぐって
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
概要 任意の可微分多様体に対し、各レベル集合がコンパクトになるようなモース函数が 存在することは微分トポロジーの古典的な基本定理の1つとして広く知られている。 その一方、閉多様体上にコンパクト・リー群の作用が与えられているとき、その群作用に 関して不変なモース函数の存在については今現在でも一般論が確立されていない状況にある。 本講演ではこの問題のGKM理論からの動機付けから始めこれまで得た結果、 特に表現被覆、並びに、GKM多様体上の不変函数の固定点近傍上の構造について、 得られた結果をお話ししたい。
日時 2017年1月25日(水) 16:30~17:30
講演者(所属) 加藤 周(京都大学)
タイトル ワイル指標公式を巡って
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
概要 ワイル・カッツ指標公式は複素数体上の(有限次元単純リー代数を含むクラスの リー代数である)カッツ・ムッディー・リー代数の可積分表現の指標公式であり、その典型的な証明として可積分性から来る指標の対称性を使うものと、BGG 分解と呼ばれる複体による分解を使うものの2通りが知られている。 ここで後者の観点は、表現論的な量を計算するためにはまず表現の圏を広げ可積分性のような群論的条件を落としたところで議論し、その後に元に戻るというの が基本的であることを示唆する。 この講演では、上記のことを少し説明した後に、後者の考え方をアフィン・リー 代数の共型ブロックの次元を与えるカッツ・ウォルトン公式に適用すると1990年代の京都学派の仕事から自然に現れるコストカ関数の一般化にひとつの意味付けが得られることを紹介する。また、時間と状況が許せば大域ワイル加群と呼ばれ るある種の加群の実現に関するフェイギンによる予想の証明(ただし現在のところADE型のみ)についても述べる。 この講演はセルゲイ・ロクテフ氏との現在進行中の共同研究の内容に基づく。
日時 2017年1月20日(金) 15:00~16:00
講演者(所属) 小谷 元子(東北大学原子分子材料科学高等研究機構AIMR・東北大学大学院理学研究科数学専攻)
タイトル 異分野融合への挑戦 ー数学と材料科学の連携ー
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
概要 社会はビッグデータの集積とそれを活用することのできるICT技術の進歩により新しい展開を迎えている。これまでとは全く異なる科学技術研究や開発手法、既存の知識の上にどのように展開できるかが未来創造の鍵となる。講演者は、日本が世界をリード してきた材料科学研究・開発において、数学の視点を取り入れたアプローチが可能であるかの「実験的取り組み」を東北大学AIMRで行っている。意外に面白い結果が出始めたので、 その成果をいくつかご紹介したい。実は、このアプロ―チの鍵は、分野を乗り越えた新しい出会いにある。破壊的なイノベーションの駆動力となる多様な視点や発想のできる人材を社会は求めている。そのような観点で、多様性をいかに育成するかを議論したい。
日時 12月14日(水) 16:30~17:30
講演者(所属) 横田 佳之(首都大学東京)
タイトル On non-positively curved cubings of alternating knots
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
概要 The purpose of this talk is to show that, for an alternating knot $K$, the edges of the ideal triangulation of the complement of $K$, which is used in the study of the volume conjecture, are essential. The basic tool is a decomposition of the exterior of $K$ into cubes, which is closely related to the triangulation above.
日時 11月16日(水) 16:30~17:30
講演者(所属) 桒田和正 (東京工業大学)
タイトル W-エントロピーの剛性定理
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
概要 PerelmanがRicci流の研究で導入したW-entropyは,L. Niによって Riemann多様体上で再定義され,爾来詳しく研究されている. W-entropyは時間と熱分布の汎関数であり,非負Ricci曲率の仮定の下で時間単調性を持つ.更にその時間微分に関する剛性定理が知られている. 本講演では,それらの結果を最適輸送理論に基づく熱分布の解析から導けることを紹介する. この方法の利点として,剛性定理が適用可能な空間族が自然かつ非自明な形で拡張できることが分かる.
日時 10月21日(金) 16:30~17:30
講演者(所属) 稙田 和孝(医療法人財団 綜友会 常務理事)
タイトル 生命保険におけるアクチュアリー職務
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
講演スライド (pdf file, 507KB)
概要 数学科出身者の業務分野として保険業界のアクチュアリー分野は長年の歴史がある。 講演者は生命保険業界の出身であり、アクチュアリー会正会員で試験委員も経験、 東京大学、信州大学で生命保険数理の非常勤講師の経験もある。 今回はアクチュアリーとはどういうものか、また生命保険数理についても紹介を行う。 就職先として、この分野に興味のある学生の参加を期待する。
日時 10月12日(水) 16:30~17:30
講演者(所属) 佐野 昂迪(大阪市立大学大学院理学研究科)
タイトル 類体論とゼータ関数
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
アブストラクト 類体論は、代数体のイデアル類とアーベル拡大の対応に関する、20世紀前半に確立された数論の古典理論である。 類体論の主定理は純代数的に述べられるものだが、初期に考案された証明にはゼータ関数を使った解析的手法が効果的に用いられた。 その意味で、類体論とゼータ関数は古くから深い関わりがあったと言える。本講演では、比較的新しい視点で類体論とゼータ関数の関係を論じ、 その視点に基づいて得られたいくつかの結果について解説する。
日時 7月20日(水) 16:30~17:30
講演者(所属) 河田 成人(大阪市立大学大学院理学研究科)
タイトル 有限群のHeller表現加群とAuslander-Reiten 連結成分について
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
アブストラクト 有限群のモジュラー表現におけるAuslander-Reiten quiverの連結成分の形状は K. Erdmann によって決定された.しかし整数表現においては,Auslander-Reiten quiverについてまだ分からないことが多い.この講演では,いわゆるHeller表現加群を導入すれば,いくつかのクラスのAuslander-Reiten連結成分の形状を考察する際に役立つことを紹介したい.
日時 7月20日(水) 15:00~16:00
講演者(所属) 岩渕 司(大阪市立大学大学院理学研究科)
タイトル 開集合上の超関数と Besov 空間論
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
アブストラクト 全空間$\mathbb R^n$では、Schwartz 空間の双対空間として緩増加超関数の空間が定義され、緩増加超関数の空間の部分空間としてLebesgue 空間やSovolev空間、Besov 空間など様々な関数空間が特徴付けられる。また、斉次型の関数空間を定義する場合には、緩増加超関数の空間を多項式全体で割った商空間が用いられる。本講演ではスペクトル理論を基にして、開集合上の緩増加超関数の空間と前述の商空間に対応する空間を新たに定義し、開集合上の非斉次 Besov 空間および斉次 Besov 空間を導入する。
日時 6月15日(水) 16:30~17:30
講演者(所属) 橋本 要 (OCAMI)
タイトル 複素球面内の余等質性1の特殊ラグランジュ部分多様体について
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
アブストラクト 特殊ラグランジュ部分多様体とはHarvey-Lawsonにより導入された Calabi-Yau 多様体におけるキャリブレート部分多様体であり, ホモロジー類内での体積最小性という顕著な性質を持つことが知られている. 本講演では, 球面の等質超曲面から構成される特殊ラグランジュ部分多様体の 構成・分類について紹介し,さらにこの特殊ラグランジュ部分多様体の特異点の様子 および無限遠での漸近挙動についての考察をおこなう.
日時 5月11日(水) 16:30~17:30
講演者(所属) Seonjeong Park (OCAMI)
タイトル Cohomological rigidity problems in toric topology
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
アブストラクト One of most important topological invariants is a (co)homology. In general, (co)homology is not strong enough to determine the topological type. But in toric topology, cohomology can be a strong topological invariant. In many cases, the cohomology ring of a smooth manifold with a nice toric action can determine the topological type of the manifold. In this talk, I will introduce various kinds of cohomological rigidity problems in toric topology and give some results which support the affirmative answer to the cohomological rigidity problems.
日時 4月13日(水) 16:30~17:30
講演者(所属) 濱野 佐知子(大阪市立大学大学院理学研究科)
タイトル Variational formulas for hydrodynamic differentials and the application
(流体力学的微分の変分公式とその応用について)
場所 数学大講究室(理学部棟E408)
アブストラクト For a fixed open Riemann surface $R$ of genus one, we shall consider the set $\mathcal C$ of closings of $R$. M. Shiba showed that the set $\mathfrak M$ of moduli of $\mathcal C$ is a closed disk in $\mathbb H$. In this talk, we shall consider the deforming open torus $R(t)$ with complex parameter $t$, and show the close relation between the Euclidean diameter of the moduli disk $\mathfrak M(t)$ of $R(t)$ and pseudoconvexity. The key of the proof is the variational formulas for hydrodynamic differentials.
最終更新日: 2016年12月26日