談話会(2021年度)

日時 2021年 9月29日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 源 泰幸(大阪府立大学)
タイトル 箙の道代数と前射影的代数と箙Heisenberg代数
場所 Zoom 参加登録
(参加登録は27日(月)18:00までに行なってください)
概要 箙とは有向グラフの別名であり、その表現とは頂点にベクトル空間、矢印に線形写像を対応させる規則のことです。 この様に素朴なものなので箙の表現というのは様々な場面に現れる基本的な数学的対象です。 箙からは道代数と呼ばれる代数が構成され、その加群と箙の表現は等価なものです。 Auslander-Reiten(AR)理論は加群の圏がAR移送と呼ばれる変換とAR列と呼ばれる完全列からなる整然とした構造を持つことを教えてくれます。
AR移送からは前射影的代数と呼ばれる代数が構成されます。 道代数の前射影的代数はKlein特異点やLie理論と深く関係しており、それ自身の性質の解明や種々の応用・一般化などが広く深く研究されています。  
今回の講演内容はM. Herschendさんとの進行中の共同研究に基づくもので、前射影的代数のある種の中心拡大を箙Heisenberg代数と名付けて研究しています。 この代数はEtingof-Rainsによって導入されていた道代数の前射影的代数の中心拡大の特別な場合なのですが、 我々は箙Heisenberg代数が箙の加群圏のAR理論と密接に関わることを明らかにしました。 特に箙Heisenberg代数からAR列が関手的に構成できることを示し、Etingof-RainsによるDynkin箙の箙Heisenberg代数の次元公式を導出する加群の同型を与えました。  
箙Heisenberg代数とそこから構成されるある有限次元代数は前射影的代数と道代数の一次元高い様な性質を有することが明らかになっており、これらと同様に基本的な数学的対象であると期待できます。
日時 2021年 7月15日(木) 17:05~18:05
講演者(所属) 佐野 昂迪(大阪市立大学)
タイトル 加藤のオイラー系の微分について
場所 数学大講究室(理学部棟E408)& Zoom 参加登録
(参加登録は2日前までに行なってください)
概要 オイラー系は1990年頃にKolyvaginとRubinによって導入された概念であり、Birch-Swinnerton-Dyer予想や岩澤主予想などへの重要な応用がある。 オイラー系の具体的な構成は非常に難しい問題とされているが、2004年に加藤和也は楕円曲線に対して新しいオイラー系を構成した。 本講演では、加藤のオイラー系の「微分」に関する新しい予想を定式化し、それがPerrin-Riou予想、Mazur-Tate-Teitelbaum予想、Mazur-Tate予想など様々な予想の一般化になっていることを説明する。 また、このことの応用として、Mazur-Tate予想の部分的解決が得られることも説明する。本講演の主な内容はDavid Burnsと栗原将人との共同研究に基づく。
日時 2021年 5月12日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 武富 雄一郎(大阪市立大学数学研究所)
タイトル リーマン計量のmoduli空間の極大元について
場所 Zoom 参加登録
(参加登録は2日前までに行なってください)
概要 与えられた多様体上のリーマン計量全体のなす空間を「scalingの差を除いて等長的」という同値関係で割った商空間をリーマン計量のmoduli空間と呼ぶ。 このmoduli空間に「等長変換群の大小」によって(前)順序を導入する。この順序に関して極大元を与えるリーマン計量を極大計量と呼ぶことにする。 極大計量はRicci flowなどの様々な計量発展方程式の自己相似解の例を供給してくれる興味深い対象である。本講演ではユークリッド空間上の極大計量の例を豊富に構成する。
.最終更新日: 2021年 9月16日