談話会(2021年度)

日時 2022年2月9日(水)17:00~18:00
講演者(所属) 佐野 めぐみ(広島大学)
タイトル 調和移植とその関数不等式への応用
場所 数学大講究室(理学部棟E408)& Zoom
2月9日(高橋先生、佐野先生)の参加登録
(参加登録は2月8日AM 9:00までに行なってください)
概要 まず本講演では、Hersch(1969)により導入された調和移植を、メビウス変換(dilationやCayley変換等)と比較しながら説明し、これまでの関数不等式に対する様々な変換の統一的な解釈を述べる。 その後、関数不等式の改良や極限形の導出という調和移植の最近の応用例について紹介し、最後にそれらを半空間上で考察する。 調和移植は領域上のGreen関数(基本解)を用いた変換であるが、半空間で$p-$ラプラシアンの場合は、その具体形は分かっていないと見受けられる。 本研究では少し変形した調和移植を用いて、半空間上の古典的Hardy不等式を改良し、その極限形として半空間上での臨界Hardy不等式が得られることを示す。本研究の一部は高橋太氏(大阪市立大学)との共同研究に基づく。
日時 2022年2月9日(水)15:45~16:45
講演者(所属) 高橋 太(大阪市立大学)
タイトル Asymptotic behavior of least energy solutions to the Finsler Lane-Emden problem with large exponents
場所 数学大講究室(理学部棟E408)& Zoom
概要 この講演では Finsler $N$-ラプラシアンと呼ばれる非等方的微分作用素で駆動される Lane-Emden 型非線形楕円型偏微分方程式の 最小エネルギー解を $N$ 次元有界領域で考察する。 非線形項はべき型であるが、その指数 $p$ を無限大に近づけた際の最小エネルギー解の漸近挙動についての結果を述べる。本講演は Sadaf Habibi(大阪市立大学後期博士課程2年)との共同研究に基づく。
日時 2022年1月19日(水)
櫻木弘之副学長より瑞宝中綬章勲章勲記引き渡し 16:45
記念談話会 17:00~18:00
講演者(所属) 津島行男先生(大阪市立大学名誉教授)
タイトル 市大教員としての39年を振り返る
場所 数学大講究室(理学部棟E408)& Zoom
概要 大阪府立大学との合併により、大阪市立大学という名が消えます。この際1966年から2005年まで当大学に勤務した一人として、39年間の様々な経験を数学教室の皆様方にお話ししておくのも将来の教室運営に多少なりとも参考になればと思い講演を引き受けることにしました。
日時 2021年12月8日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 若杉 勇太(広島大学)
タイトル 空間変数に依存する摩擦項をもつ波動方程式の解のエネルギー減衰
場所 数学大講究室(理学部棟E408)& Zoom 参加登録
(参加登録は12月7日AM 9:00までに行なってください)
概要 空間変数に依存する摩擦項をもつ波動方程式を考える. この方程式は,摩擦の効果により時間とともに解のエネルギーが 単調減少するという特徴を持っている. このエネルギーが時間無限大において0に減衰するかどうか, また0に減衰する場合の減衰の速さはどれくらいか, といった問題は古くから研究されているが, 本講演では,摩擦係数および初期値の空間遠方における大きさが, エネルギーの減衰率をどのように決定するか,という問題について, 近年得られた結果を報告する. 特に最近,この問題について,対応する熱方程式の適当な優解を 重み関数として用いるエネルギー法が有効であることがわかってきたので, この手法について紹介したい. 本講演は,側島基宏氏(東京理科大学)との共同研究に基づく.
日時 2021年12月1日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 落合 理(大阪大学)
タイトル Artin L関数とそのp進類似について
場所 数学大講究室(理学部棟E408)& Zoom 参加登録
(参加登録は11月30日AM 9:00までに行なってください)
概要 Riemannのゼータ関数やDirichlet L関数、あるいはその 一般の代数体上での一般化であるDedekindのゼータ関数や有限Hecke指標に 付随したHecke L関数は最も古典的なゼータ関数である。それらの 手近な一般化として、代数体のガロワ群の複素有限次元表現に付随した Artin L関数が知られている。表現の次数が1のときのArtin L関数が上述の Hecke L関数に他ならない。  本講演では、これらのゼータ関数について触れた後で、そのp進類似 について説明したい。総実代数体のp進Artin L関数はGreenbergによって 定義され正則関数のp進類似とみなせることが示されている。 Greenbergの仕事を紹介した上でそのCM体への一般化の結果について 触れたい。最後のCM体における結果は、原隆氏との共同研究である。
日時 2021年10月27日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 入江 博(茨城大学)
タイトル 凸体のMahler予想について
場所 数学大講究室(理学部棟E408)& Zoom 参加登録
(参加登録は10月26日AM 9:00までに行なってください)
概要 Euclid空間の中心対称な凸体とその極凸体の体積の積はMahler体積(volume product)と呼ばれ、 Mahlerによる「数の幾何」の研究において導入されたものである。 Mahler体積の上からの評価はBlaschke-Santal\'o不等式としてよく知られており、 凸体が楕円体の場合に限りその最大値をとる。 一方、下からの最良評価はMahler予想(1939)と呼ばれ、 凸幾何の分野での有名な古典的未解決問題の一つである。
本講演では、Mahler予想の3次元の場合の解決について概要を説明する。 時間が許せば、この結果の弱い形での高次元への拡張、Mahler予想と symplectic幾何のViterbo予想との関係についても述べたい。
本講演の内容は、柴田将敬氏との共同研究に基づく。
日時 2021年 9月29日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 源 泰幸(大阪府立大学)
タイトル 箙の道代数と前射影的代数と箙Heisenberg代数
場所 Zoom 参加登録
(参加登録は27日(月)18:00までに行なってください)
概要 箙とは有向グラフの別名であり、その表現とは頂点にベクトル空間、矢印に線形写像を対応させる規則のことです。 この様に素朴なものなので箙の表現というのは様々な場面に現れる基本的な数学的対象です。 箙からは道代数と呼ばれる代数が構成され、その加群と箙の表現は等価なものです。 Auslander-Reiten(AR)理論は加群の圏がAR移送と呼ばれる変換とAR列と呼ばれる完全列からなる整然とした構造を持つことを教えてくれます。
AR移送からは前射影的代数と呼ばれる代数が構成されます。 道代数の前射影的代数はKlein特異点やLie理論と深く関係しており、それ自身の性質の解明や種々の応用・一般化などが広く深く研究されています。  
今回の講演内容はM. Herschendさんとの進行中の共同研究に基づくもので、前射影的代数のある種の中心拡大を箙Heisenberg代数と名付けて研究しています。 この代数はEtingof-Rainsによって導入されていた道代数の前射影的代数の中心拡大の特別な場合なのですが、 我々は箙Heisenberg代数が箙の加群圏のAR理論と密接に関わることを明らかにしました。 特に箙Heisenberg代数からAR列が関手的に構成できることを示し、Etingof-RainsによるDynkin箙の箙Heisenberg代数の次元公式を導出する加群の同型を与えました。  
箙Heisenberg代数とそこから構成されるある有限次元代数は前射影的代数と道代数の一次元高い様な性質を有することが明らかになっており、これらと同様に基本的な数学的対象であると期待できます。
日時 2021年 7月15日(木) 17:05~18:05
講演者(所属) 佐野 昂迪(大阪市立大学)
タイトル 加藤のオイラー系の微分について
場所 数学大講究室(理学部棟E408)& Zoom 参加登録
(参加登録は2日前までに行なってください)
概要 オイラー系は1990年頃にKolyvaginとRubinによって導入された概念であり、Birch-Swinnerton-Dyer予想や岩澤主予想などへの重要な応用がある。 オイラー系の具体的な構成は非常に難しい問題とされているが、2004年に加藤和也は楕円曲線に対して新しいオイラー系を構成した。 本講演では、加藤のオイラー系の「微分」に関する新しい予想を定式化し、それがPerrin-Riou予想、Mazur-Tate-Teitelbaum予想、Mazur-Tate予想など様々な予想の一般化になっていることを説明する。 また、このことの応用として、Mazur-Tate予想の部分的解決が得られることも説明する。本講演の主な内容はDavid Burnsと栗原将人との共同研究に基づく。
日時 2021年 5月12日(水) 17:00~18:00
講演者(所属) 武富 雄一郎(大阪市立大学数学研究所)
タイトル リーマン計量のmoduli空間の極大元について
場所 Zoom 参加登録
(参加登録は2日前までに行なってください)
概要 与えられた多様体上のリーマン計量全体のなす空間を「scalingの差を除いて等長的」という同値関係で割った商空間をリーマン計量のmoduli空間と呼ぶ。 このmoduli空間に「等長変換群の大小」によって(前)順序を導入する。この順序に関して極大元を与えるリーマン計量を極大計量と呼ぶことにする。 極大計量はRicci flowなどの様々な計量発展方程式の自己相似解の例を供給してくれる興味深い対象である。本講演ではユークリッド空間上の極大計量の例を豊富に構成する。
.最終更新日: 2022年1月26日