院生談話会(2011年度)

院生談話会(言わば,院生の院生による院生のための談話会)を開催することになりました。
通常の談話会はレベルが高く,また,先生がいると萎縮して自由に質問ができないのではないかと思い, 出席者は院生のみにしました。 これを通して,院生同士の分野を越えた交流を深めていきたいと思います。

院生談話会運営委員:
D3 橋本 要 (h-kaname@sci.osaka-cu.ac.jp)
D2 田中 清喜 (t.kiyoki@gmail.com)
D1 福川 由貴子 (yukiko.fukukawa@gmail.com)
日時 3月7日(水) 10:00-11:30, 13:00-14:30, 15:00-16:30
3月8日(木) 10:00-11:30, 13:00-14:30, 15:00-16:30
3月9日(金) 10:00-11:30, 13:00-14:30
講演者(所属) 田崎博之(筑波大学)
タイトル 対称空間入門 (第3回)
場所 数学講究室 (3040)
アブストラクト Riemann対称空間の中でも特によい性質を持つものに対称R空間とコンパクト型Hermite対称空間があります。 これらの定義と基本的性質、対称R空間とコンパクト型Hermite対称空間の間の対応などについて解説します。 次にChen-Naganoの導入した極地と子午空間の理論の基本的部分を説明します。 これらを利用して対称R空間とコンパクト型Hermite対称空間の対蹠集合の基本的性質を導きます。
日時 2月27日 (月) 14:30~16:00
講演者(所属) 畑中美帆(大阪市立大学 M1)
タイトル Fan とToric variety
場所 数学講究室 (3040)
アブストラクト 効果的なトーラス作用をもつ複素n次元正規代数多様体で稠密な軌道を持つものをtoric varietyという。toric variety は組み合わせ論の対象であるfan(overlapしないconeの集まり)と1対1対応があることが知られている。 このことから、toric variety の情報はすべてfanが含んでいることがわかる。 この講演では、fanとtoric varietyの関係と、fanからtoric varietyへの対応、toric varietyからfan への対応を紹介する。
日時 2月27日 (月) 13:00~14:30
講演者(所属) 堀口達也(大阪市立大学 M1)
タイトル 対称群の表現
場所 数学講究室 (3040)
アブストラクト 対称群の表現についてお話します。 その既約表現の構成としてRow Tabloids(組み合わせ的な定義)を用いた方法を紹介したいと思います。 また対称群の表現から得られる環と対称関数全体のなす環の同型対応、またそれから導かれる組み合わせ論との関係についても紹介していこうと思います。
日時 2月22日(水) 13:00-14:30, 15:00-16:30
2月23日(木) 10:00-11:30, 13:00-14:30, 15:00-16:30
2月24日(金) 10:00-11:30, 13:00-14:30 (15:00-16:30予備)
講演者(所属) 田丸 博士(広島大学)
タイトル R-space 入門
場所 数学講究室 (3040)
アブストラクト R-space とは, ある種のコンパクト等質空間の総称で, いくつかの対称空間 (対称 R-space), 旗多様体, コンパクト単連結等質 Kahler 多様体 (Kahler C-space) などを含むクラスです. この講義では, R-space の基礎的な部分 を, 背景となる半単純リー代数および非コンパクト型対称空間の理論に重点を置いて解説します. また, R-space のいくつかの応用, 例えば球面内の等質超曲面や Hermite 対称空間内の実形など, についても触れる予定です.
日時 12月21日(水)15:00~17:00
講演者(所属) 本田 淳史(東京工業大学)
タイトル 空間型の間の等長はめ込み
場所 数学講究室 (3040)
アブストラクト 同じ曲率を持つ空間型の間の等長はめ込みについてお話します.それらは,非負の場合は自明なものに限る一方で,負曲率の場合には非自明な例が数多く存在します.本講演では特に,負曲率のものの分類問題を考えます. また,それらの一般化となる,フロントとしての等長はめ込みに関する結果も紹介したいと思います.
日時 11月16日 (水) 15:00~17:00
講演者(所属) 近藤 剛史(神戸大学)
タイトル 有限生成群の growth series
場所 数学講究室 (3040)
アブストラクト 有限生成群に対して生成元集合を固定するとケーリーグラフが定義できるが、このグラフの原点を中心とする半径 r の球面上の点の個数の母関数を、群の growth series という。この講演では、Gromov の意味での双曲群という、 負曲率多様体の基本群を含む広いクラスの群に対して、growth series が有理関数になることを紹介する。
日時 11月7日 (月) 15:00~17:00
講演者(所属) 山路哲史(名古屋大学多元数理)
タイトル 極小有界等質領域上のBergman空間
場所 第1セミナー室 (3068)
アブストラクト 二乗可積分な正則関数からなる空間(Bergman空間)の再生核をBergman核という. Bergman空間においてToeplitz作用素やHankel作用素,合成作用素の性質を考察するにあたり,Bergman核に関する考察を行う事は非常に重要である. 有界対称領域のうち,Harish-Chandra実現されたもののBergman核に関しては様々な結果が知られている. 有界等質領域を考える際,この“Harish-Chandra実現”にあたるものとして有界等質代表領域が有用であるという結果が伊師・甲斐氏らにより得られた. 本講演では有界等質代表領域のもつ極小性に注目し,極小有界等質領域上のBergman空間に関して考察する.
日時 5月26日 (木) 15:00 ~16:30
講演者(所属) 田中 清喜(大阪市立大学)
タイトル Bergman空間とその周辺
場所 第3セミナー室(3153)
アブストラクト Bergman空間は正則函数にある種の積分条件をつけた函数空間です. 本公演ではまずBergman空間に関する諸性質を述べ,そのあとに私が現在研究している調和Bergman空間の問題について述べたい.
最終更新日: 2012年2月20日