院生談話会(2016年度)

院生談話会(言わば,院生の院生による院生のための談話会)を開催することになりました。
通常の談話会はレベルが高く,また,先生がいると萎縮して自由に質問ができないのではないかと思い, 出席者は院生のみにしました。 これを通して,院生同士の分野を越えた交流を深めていきたいと思います。

院生談話会運営委員:
D2 佐野 めぐみ(megumisano0609[AT]st.osaka-cu.ac.jp)
D2 須山 雄介(d15san0w03[AT]st.osaka-cu.ac.jp)
日時 1月12日 (木) 16:30 ~18:40
講演者(所属) 安部哲哉(OCAMI)
タイトル 結び目コンコーダンス群について
場所 大講究室(E408)
アブストラクト 本講演では結び目コンコーダンス群の入門的なお話をします。結び目コンコーダンス群は、結び目全体をある同値関係で割って得られたabel群であり、特に最近、活発に研究されている研究対象です。 講演の前半では、 (結び目の種数の話に重点を置きつつ)結び目理論に関する概説をします。講演の後半では、結び目の符号数やアレクサンダー多項式と結び目コンコーダンス群の関係を紹介します。また、結び目コンコーダンス群と4次元 多様体論がどのように関係するのかも概説します。
日時 12月2日 (金) 17:00 ~18:30
講演者(所属) 山崎 陽平(OCAMI / 京都大学)
タイトル 非線形Schr¥"odinger方程式の定在波の安定性
場所 大講究室(E408)
アブストラクト 非線形Schr¥"odinger方程式は光ファイバー中の光の伝播やBose--Einstein凝縮、 水面波などの非線形波動現象を記述するモデル方程式である。非線形Schr¥"odinger方程式は、波を広げる分散性と波の相互作用による 非線形性により、様々な解を持つ。分散性と非線形性のつり合うとき、 一定の形を保つ定在波と呼ばれる解を持つ。定在波が初期攪乱に対して安定な時、波動現象を記述していると考えられており、 定在波が初期攪乱に 対して安定になるか興味が持たれている。 本発表では、非線形Schr¥"odinger方程式の解の性質と定在波の安定性について解説する。 特に、Cazenave--Lionsによる変分法を用いた安定性解析とWeinsteinによる modulationを用いた安定性解析の概略について説明する。 さらに、対称性の破れ分岐が起きるときの安定解析についても解説する。
日時 11月15日 (火) 16:30 ~18:40
講演者(所属) 南野 崇人(神戸大学)
タイトル 仮想結び目の結び目不解消操作
場所 中講究室(F415)
アブストラクト 結び目を解く変形(結び目解消操作)とはどういうものなのか。 この研究に関しては多くの結果が明らかになっている。簡単なもので言えば、 交差の上下を入れ替える交差交換は古典結び目において結び目解消操作である。 しかし、仮想結び目においては結び目解消操作ではない。では古典結び目では 結び目解消操作として知られている他の変形は仮想結び目ではどうなのだろうか? 発表では、まず結び目理論がどういう目的を持った分野で あるか、また古典結び目 について予備知識を仮定せずに解説する。そして仮想結び目において変形が 結び目解消操作になるための必要条件と、結び目解消操作として Kauffman に紹介され、 Kanenobu,Nelson によって 証明された forbidden move を少し変形させた ``double" forbidden move について紹介し、``double" forbidden moveが結び目不解消操作である証明にも触れる。
日時 10月13日 (木) 16:30 ~18:40
講演者(所属) 佐々木 多希子(早稲田大学)
タイトル 非線形偏微分方程式の差分解の爆発について
場所 中講究室(F415)
アブストラクト 非線形偏微分方程式の解が爆発する場合,その爆発時刻を求めることや爆発時時刻付近での解の挙動の研究は非常に重要であり,これらを数値的に求める手法が研究されている. しかし,それらの多くは数値解がある時間で急激に増大していることを数値実験でのみ確認しており,厳密な意味での解の爆発との関係は分かっていないことが多い. 1970年代にある熱方程式に対して数値爆発時刻の厳密な爆発時刻への収束性が保証された数値解法が研究された.また近年,波動方程式に対しても数値爆発時刻の厳密な爆発時刻への収束性が保証された数値 解法が研究された.我々は熱方程式や波動方程式に対する成果を取り入れて,あるシュレディンガー方程式に対して,解の爆発を数値的に厳密に再現する数値解法を構築することができた. 本講演では,熱方程式の数値 爆発時刻の厳密な爆発時刻への収束性が保証された数値解法について,また波動方程式やシュレディンガー方程式への応用について紹介する.
日時 7月14日(木)16:30 ~ 18:40
講演者(所属) 土谷昭善(大阪大学)
タイトル 整凸多面体に付随する平坦δ列とそのEhrhart多項式
場所 大講究室(E408)
アブストラクト 整凸多面体のEhrhart多項式とは,整凸多面体をn倍に膨らましたものに 含まれる整数点の個数を表した数え上げ関数である。 一般に,Ehrhart多項式の母関数は有理式となり, 分子は必ず非負整数係数の多項式になる ことが知られている。 その非負整数係数の多項式の係数の列を整凸多面体のδ列と呼ぶ。 このEhrhart多項式とδ列の特徴づけを行うことは, 整凸多面体の研究において最も重要な未解決問題の一つである。 本講演ではまず, Ehrhart多項式やδ列に関する性質, そしてこれまでに知られている特徴づけに関する結果について紹介する。 特に,平坦δ列といわれるものを定義し,その特徴づけ, 及びそのEhrhart多項式の性質について紹介する。
日時 6月22日 (水) 16:20 ~18:30
講演者(所属) 仲山知義(大阪市立大学)
タイトル 積分変換を用いた de Sitter 空間上の波動方程式の解の構成
場所 大講究室(E408)
アブストラクト 本講演では、積分変換を用いた4次元 de Sitter 空間上の波動方程式の解の構成についてお話しする。 この積分変換は twistor 理論の応用として、F. Nakata により発見されたものであるが 定義するだけなら twistor 理論は 必要としない。したがって、本講演では twistor 理論には触れない。 積分変換を用いて4次元 de Sitter 空間上の波動方程式の解を構成するには、 微分幾何学の基礎知識(pseudo-Riemann計量、微分形式、Hodge 作用素、...)が必要である。 この点は4次元 de Sitter 空間を例に、具体的な計算方法を中心に解説を行う。 上記の基礎知識の解説後に本題である、積分変換を用いた 4次元 de Sitter 空間上の 波動方程式の解の構成に ついて解説を行う。 時間が許せば証明にも触れたいと思う。
日時 5月25日 (水) 16:20 ~18:30
講演者(所属) 西口純矢(京都大学 理学研究科)
タイトル 時間遅れをもつ常微分方程式のダイナミクスとその大域的アトラクタについて
場所 大講究室(E408)
アブストラクト 未知関数のある時刻における微分係数が、その時刻以前の値にも依存するような常備分方程式は「時間遅れをもつ」と言われる。このような常微分方程式においては、解が値を取る空間が有限次元であってもそのダイナミクスは 無限次元である。 発表では、まず、このような微分方程式を考えるモチベーションについて整理する.次に,「無限遅れ」の常微分方程式について,初期値問題の well-posedness を考えながら,それが「有限遅れ」の常微分方程式とどのように 異なるのかを見る.最後に,解の長期間挙動を調べるのに重要な大域的アトラクタについて,無限遅れの場合にどのように定式化すればよいか,その存在のための十分条件は何かといった最近の研究について紹介する.
日時 4月28日 (木) 16:20 ~18:30
講演者(所属) 豊田洋平(大阪大学 基礎工学研究科)
タイトル 非斉次係数を持つ半線形楕円型方程式の先験的評価
場所 中講究室(E415)
アブストラクト アブストラクトPDF
最終更新日: 2016年11月17日